空を見上げる桜

国各地にあるの名所には、様々なタイプの名所がありますよね。一度にたくさんの桜が楽しめる場所や、お城などの史跡とともに楽しめる場所など素敵です。

その中でも「桜並木」は人気が高く、一度は友人や恋人・夫婦で歩いてみたいと思うのではないでしょうか。

特に北海道にある「静内二十間道路桜並木」は、さくら名所100選にも選ばれている、スケールの大きさで大人気の場所。

そんな北海道らしさが味わえる静内二十間道路桜並木

  • 静内二十間道路桜並木の特徴や見どころ
  • しずない桜まつりと、2024年の開花・見頃時期
  • アクセス情報

について紹介していきます。

静内二十間道路桜並木の特徴や見どころ

御料牧場のなごり

静内二十間道路桜並木(しずない にじゅっけんどうろ さくらなみき)は、北海道日高郡新ひだか町静内にある道路のこと

名前にもある「二十間」とは長さの単位のことで、一間がおよそ3.6mとなります。道路を挟んで並ぶ左右の桜並木の幅が、およそ二十間(約36m)あることが由来となっています。

かつてこの地域には、宮内省(現在の宮内庁)の御料牧場(ごりょうぼくじょう)がありました。御料牧場とは、皇室で用いられる農産物を生産するための専用農場のこと。

明治時代に作られたこの御料牧場ですが、後に皇族の方々が見学に訪れることになりました。そのために皇族の行啓道路(ぎょうけいどうろ)が必要となり、明治36年(1903年)に作られたのが、「二十間道路」です

その後大正時代に入ってから、御料牧場の方が道路脇に桜を植えました。それが立派に成長し、今のような「長い桜並木」へとなったのです。

エゾヤマザクラの花

7キロにも及ぶ桜並木!

二十間道路桜並木の特徴は、なんと言っても7キロという区間の長さ。エゾヤマザクラを中心に、約3000本もの桜が咲き誇ります。他の地域でも美しい桜並木はたくさんありますが、直線で7キロというのは全国一の規模です。

元が御料牧場だったこともあり、周囲には現在も牧草地と牧場が広がります。皆さんが思い描く広い北海道の光景が、ここでは体験出来るんですよ。

□北海道新ひだか町、「静内二十件道路桜並木」
https://youtu.be/mopeYoXVIX8

*車で走り抜けると、とても北海道らしい光景が楽しめますよ。

エゾヤマザクラの濃いピンク

なお静内二十間道路桜並木の桜ですが、約70%はエゾヤマザクラという品種で、北海道では代表的な桜です。本州ではオオヤマザクラとして知られていますが、北海道では、より寒さに強く、濃いピンク色の花が特徴です。

○エゾヤマザクラ
エゾヤマザクラ

*エゾヤマザクラは、赤っぽい色の葉の芽が開きます。

【関連記事】
エゾヤマザクラ(蝦夷山桜)の特徴や花言葉は?ソメイヨシノとの違いは?

その他、並木道には、カスミザクラ、ミヤマザクラなどが植えられています。

しずない桜まつりと、開花・見頃時期は?

しずない桜まつりの開催時期は?

しずない桜まつりは、毎年、桜の開花時期に合わせて開催されるお祭りです。例年5月始めころから、5日~7日くらいの日程で行われます。

2024年(令和6年)の開催は、4月28日(日)〜5月3日(金)。丁度GW前半に楽しめますね。

□静内二十間道路桜並木
https://youtu.be/pKYt1lX1FPI

*音声が流れない動画となっています。1分すぎから桜まつりの様子がわかります。

「しずない桜まつり」では、二十間道路に設けられたイベント会場にて、北海道の美味しい食べ物などが販売されます。

さらには桜並木の終点にある、御料牧場の施設だった「龍雲閣」(りょううんかく)が一部開放。皇族の方々が使われた馬具や、伊藤博文の書など貴重な品々が見学できますよ。

二十間道路の開花時期と見頃は?

北海道の桜は本州より少し遅く、ゴールデンウィーク頃が見頃。

二十間道路がある日高地方は寒暖差が激しいものの、日中は比較的暖かい地域。そのためゴールデンウィーク前半に開花宣言がでて、後半に見頃を迎えます

過去の二十間道路桜並木の開花状況は次の通りです。

年度開花満開しずない桜まつり期間
2018年4/305/25/1~5/6
2017年5/35/55/3~5/9
2016年4/305/45/1~5/8
2015年4/285/15/2~5/10
2014年5/35/55/4~5/11

2024年の長期予報を見ると、平年並みか少し高めの日が多いとあるため、北海道日高地方の開花予想も少し早めと予想されます。

そのため2024年は4月30日頃に開花し、5月4日頃に見頃を迎えるのではないでしょうか。

桜並木見物時のお願い

二十間道路の桜並木へ行く際に、一つだけお願いしたいことがあります。

それは周囲に広がる牧草地や農地へは、無断で立ち入らないこと。観光客の靴に付いたよその土にいる病原菌が、牧場の動物に感染する恐れがあるからです。

桜並木がきれいなのは、地元の方々の努力のおかげ。その迷惑にならないように、私有地や農場への立ち入りは絶対にやめましょう。

アクセス

JRは…

二十間道路のある静内へは、本来ならJRの利用がとても便利です。

しかしJR日高線は2015年1月の高波の被害を受けて、一部区域以外は運休中。静内駅も運休区間に入るため、札幌方面からJRで直接行く事は出来ません。

レンタカーを使う場合

札幌から行く場合、レンタカーを使うとおよそ2時間半で静内に到着します。

  1. 札幌JCから道央自動車道を使い、苫小牧方面へ
  2. 苫小牧東ICから日高自動車道に乗り換え
  3. 日高門別ICから国道235号線に降りて静内方面へ
  4. 静内市街に入ると二十間道路の看板が見えます

*案内の看板に従って運転しましょう。

なお桜の季節は静内市街の時点から渋滞します。余裕を持った運転を心がけたいですね。

バスを利用する場合

JR日高線で直接静内駅までは利用できませんが、バスを利用して静内に向かう方法もあります。

まずは静内駅へ

札幌からでしたら、札幌駅前から出発する、「高速バス・ペガサス号(浦河ターミナル行き)」に乗車すると2時間半ほどで「静内駅前」に到着します。

また、JR日高線の苫小牧駅から静内駅まではいけませんが、鵡川駅までは運行しています。そのため鵡川駅で降りたら、「代行バス」に乗車して「静内駅」へ向かうことができます。

静内駅からさくらまつり会場へ

静内駅からは、道南バスの農屋行きで「桜丘小学校」下車、徒歩15分で到着します。また桜まつり期間中は、静内駅から会場(二十間道路バス乗降場)まで、臨時バスも運行される予定です。

どちらもバスの本数は非常に少なく、アクセスはあまり良くありません。できればレンタカーかタクシーの利用が無難ですね。

マナーを守って桜並木を楽しもう

【関連記事】

海道らしい雄大な平原に、地平線の向こうまで続きそうなエゾヤマザクラを中心とした桜並木。二十間道路桜並木は、とても北海道らしい桜の名所と言えます。

桜まつり期間中は大変混雑する上に、飲食禁止区域など細かなルールがあります。これも桜並木と周囲の環境を守るためですので、マナーを守って桜並木を楽しみましょう。

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