秋の七草

は味わい深い草花が多く、緑が鮮やかな春とはまた別の趣があります。

特に「秋の七草」と呼ばれる草花は、秋を代表する草花が揃っているとか。しかし、秋の七草と言われても、ぱっと名前が浮かばないのも事実です。

秋の七草は、春の七草とは違う種類の草花なのでしょうか?もし違うのならしっかり覚えておきたいですね。

そこで、秋の七草の種類や、わかりやすい秋の七草の覚え方、また春の七草との違いについてまとめましたので紹介します。

秋の七草とは

秋を代表する草花

秋の七草とは、古代より親しまれてきた秋を代表する草花のことを指します。

その時代によって多少の入れ替わりはありましたが、現在は以下の草花を「秋の七草」としています。

・萩(はぎ)
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「草冠に秋」と書く通り、秋を代表する野花です。

紫色の花が咲くので見たことがある人もいるのでは?ちなみに、秋のお彼岸にいただく「おはぎ」は、この季節に咲く萩から名前を頂いたという説があります。

・桔梗(ききょう)
桔梗

五角形で青紫色の綺麗な花が咲く植物です。

武士に好まれた花でもあり、家紋に取り入れる事も。江戸城にもききょうの間があったとされ、現代も「桔梗門」が皇居に残されています。

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・撫子(なでしこ)
撫子

ふわふわとした、ピンクがかった花が咲く植物です。

やまこなでしこの「なでしこ」はこの花から来てるんですよ。昔から愛されている花の一つで、万葉集にも多く和歌が残されています。

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・葛(くず)
葛

濃淡のある紫の花が咲く植物です。

花よりも根から取れるデンプンの一種「葛粉」のほうが有名ですが、風邪に効く漢方薬の「葛根湯」は葛の根が材料の一つとなっていたりと、人に役立つ植物なんですね。

・藤袴(ふじばかま)
藤袴

小さな藤色の花が密集して咲く植物です。

名前の由来は、花の色が藤色で、花弁が袴のように見えることから。桜のような甘い香りが特徴で、平安時代には髪を洗うのに用いられたり、芳香剤としても使われたんですよ。

・女郎花(おみなえし)
女郎花

黄色い小さい花が沢山咲く植物です。

「おみな」とは女性、「えし(へし)」は力強い様子を表す言葉。あわせて「美しく力強い女性」のことを差す言葉なんですよ。また花が「粟(あわ)」に似ているため、粟ごはんの別名「女飯(おんなめし)」が訛ったという説もあります。

・尾花(おばな)
尾花

尾花とは、ススキの別名。秋を代表する野草です。

穂の部分は実は花で、白っぽく見えるのは白い毛の生えた種が穂についているからなんです。

□秋の七草
https://youtu.be/HIu8o5fNSkg

*2分ごろまでの間、秋の七草が順番に紹介されています。

春の七草との違いは

秋の七草は、春の七草とはどの様な違いがあるのでしょうか。

第一の違いは、そもそもの「七草」の種類が違うことです。

春の七草は、セリ・なずな・ごぎょう・はこべら・ホトケノザ・すずな・すずしろと、秋と違う七草です。

聞きなれない名前が多いですが、「すずな」はカブ、「すずしろ」は大根の別名。なずなも「ぺんぺん草」の名のほうが、有名かもしれませんね。

第二の違いは、春の七草は食べられるが、秋の七草は食べない事です。

元々春の七草は「七種」と書いて、「ななくさ」と読み、1月15日の旧正月に粥にして食べるものでした。現在は1月7日に、春の七草を粥にして食べる「七草粥」が定着していますね。

一方の秋の七草は、いずれも観賞用の植物で、粥にして食べる習慣はありません。また秋の七草は行事に使われるものではなく、秋の風景を愛でるためのものとして扱われます。

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秋の七草の覚え方

和歌を読もう

秋の七草を暗記するためには、まずは先人の歌を覚えましょう。

山上憶良(やまのうえのおくら)が七草について詠んだ歌が、万葉集にいくつか収録されています。
その中の一首が、七草の数え歌となっています。

「萩の花 尾花葛花 なでしこが花 をみなへし また藤袴 朝顔が花」

これは和歌ではなく、「旋頭歌(せどうか)」というものですが、これに全ての七草が織り込まれています。

朝顔が違うと思われるかもしれませんが、当時は桔梗が「朝顔」と呼ばれていました。

このまま覚えると、秋の七草に朝顔が紛れてしまうので、五七調に整えて次のように覚えませんか?

「萩・尾花 桔梗・撫子 女郎花 また藤袴 桔梗で七草」

語呂合わせしよう!

秋の七草の別の覚え方としては、七草それぞれの頭を取って語呂合わせする方法があります。

この中で有名なものに、
「お好きな服は?」
というものがあります。

それぞれの語呂合わせは、次のようになっています。

…女郎花の「お」
…すすき(尾花)の「す」
…桔梗の「き」
…撫子の「な」
…藤袴の「ふ」
…葛の「く」
…萩の「は」

これですと、尾花ではなくススキで覚えてしまいますが、わかりやすいですし、問題ないですね。

秋の空

古代人も愛した秋の七草

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山上憶良は、飛鳥時代から奈良時代初期にかけて生きた貴族。今から約1300年以上も前の人です。

そんな昔の人が歌に詠んだ秋の七草は、現代まで脈々と受け継がれてその時代時代で愛され続けました

実際に、秋の七草を鑑賞してみると、綺麗でありながらどこか侘しさを感じる、とても秋らしい草花です。特にススキは十五夜の満月と共に鑑賞すると、どこか寂しくも心が安らぐようにも思えます。

普段なかなか草花を愛でる機会はありませんが、古代人も愛した秋の七草をこの機会に愛でてはみませんか?

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