
「暑さ寒さも彼岸まで」とはよく言われる言葉です。
厳しい残暑や寒さも、お彼岸の頃には和らいで過ごしやすくなると言うことで、この言葉にはどんな辛いことも、いつかは和らぐとの優しい気持ちを感じます。
「お彼岸」と言うと、お墓参りや「おはぎ」が思い浮かびますが、「彼岸(ひがん)」と言うのはすこし難しい言葉ですね。
そんなお彼岸の2023年の日にち、そしてお彼岸の由来や行事について紹介します。
2023年のお彼岸の日は?
お彼岸は、春と秋にあります。
それぞれ春分の日、秋分の日を「中日(ちゅうにち)」とし、その前後3日間ずつ、合わせて7日間がお彼岸となります。
2023年(令和5年)は、
- 春分の日は3月21日
- 秋分の日は9月23日
なので、お彼岸期間は次の通りとなります。
■2023年(令和5年)の「お彼岸の日」
【春彼岸】(彼岸) | |
---|---|
3月18日(土) | 彼岸入り |
3月21日(火) | 彼岸の中日(春分の日) |
3月24日(金) | 彼岸明け |
【秋彼岸】(のちの彼岸) | |
---|---|
9月20日(水) | 彼岸入り |
9月23日(土) | 彼岸の中日(秋分の日) |
9月26日(火) | 彼岸明け |
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お彼岸の由来とは?
春と秋にある「お彼岸」ですが、どのような由来があるのでしょうか?
お彼岸の「彼岸(ひがん)」と言うのは、「対岸」つまり「あちら側」のこと。対する「此岸(しがん)」と言うのは、「こちら側」のことになります。
でも、「あちら側(彼岸)」とか「こちら側(此岸)」と言うのは一体何のこと?・・と思いませんか?
仏教の「彼岸」

実は、彼岸と言う言葉は、サンスクリット語の「波羅密多(はらみた)」の意訳、「到彼岸(とうひがん)」から来ており、仏教用語です。
「到彼岸(とうひがん)」とは、文字通り「彼岸」に到ること。
私たちの生きている「此岸(この世)」から、悟りの境地「彼岸(ひがん)」に到達するためには、「修行」が必要です。
修行で乗り越えるべき煩悩と迷いを川にたとえ、
- 川のこちら側が「この世」
- 川のあちら側は「悟りの境地」
と言うわけです。
お彼岸は日本固有の行事
もともと仏教に由来する「お彼岸」。でも実は、他の仏教国には見られない日本固有の行事です。
煩悩と悩みに満ちた現世「此岸」に対し、悟りの境地を指す言葉であった「彼岸」は、いつしか死後の「極楽浄土」ととらえられるようになります。亡くなったご先祖さまの住む世界も「彼岸」とされるようになったのです。
春分の日と秋分の日には、太陽が真東から昇って真西に沈みます。
昼と夜の長さがほぼ同じになるこの日には、彼岸と此岸がもっとも通じやすくなると考えられたため、ご先祖様を供養するようになりました。
この習慣は、今でも続いており、お彼岸には、お寺では法要が行われたり、お墓参りに行くなどして「ご先祖様をしのぶ日」となっています。
また、彼岸は「日願(ひがん)」に由来するとの説もあります。
恵みをもたらしてくれる太陽を信仰したり、ご先祖様を大切にする気持ちは、日本に限らず古来より普遍的なものと言えますね。
*動画だとわかりやすいので、あわせて参考にしてみて下さい。
お彼岸ですることや行事は?
お彼岸は「ご先祖様に思いをはせる日」です。
お寺で行われる法要に参加したり、お墓参りに行ったりします。

また、お彼岸を「悟りの境地」だととらえれば、お彼岸期間中は、悟りへの「修行」の期間でもあります。
この修業は「六波羅蜜」(ろくはらみつ)と呼ばれ、お彼岸期間中はこれを実践し、徳を積むことが大切とされています。
◆六波羅蜜:悟りの境地に至るための六つの修行
六波羅蜜 | 意味 |
---|---|
布施(ふせ) | ほどこす |
持戒(じかい) | つつしむ |
忍辱(にんにく) | しのぶ |
精進(しょうじん) | はげむ |
禅定(ぜんじょう) | 心身を静める |
智慧(ちえ) | 学ぶ |
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「彼岸」を思う日にしよう

国民の祝日に関する法律(祝日法)によれば、
- 春分の日:「自然をたたえ、生物をいつくしむ」日
- 秋分の日:「祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ」日
とされています。
大切な人を亡くされた経験のある方にとっては、お彼岸はとても大切な行事。
お墓参りに行ったり、故人の好きだったものをお供えしたりして過ごされる方が多いのではないでしょうか。
また、お彼岸の期間中は、「悟りへの道」とまでは行かなくても、普段より「ちょっといいこと」を心掛けてみるのもいいかも知れませんね。
そうすれば、自分自身も笑顔になれる気がします。
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