カレンダーには、日付や祝日以外にも様々な情報が掲載されています。その中には日本の季節を知らせるものもあるんですね。1年に9つある「雑節(ざっせつ)」もその一つです。

実は雑節には私達におなじみの行事も多く含まれているんですよ!

そんな「雑節」の意味や全一覧、そして2024年の日にちについて紹介していきます。ぜひ覚えてくださいね!

雑節の意味とは?

初夏の季節の風景

二十四節気について

雑節(ざっせつ)の前に、まずは二十四節気(にじゅうしせっき)について説明します。

現在日本の暦では「太陽暦」が使われていますが、江戸時代までは「旧暦(太陰太陽暦)」という、月の満ち欠けを1ヶ月とした暦を使っていました。

旧暦では一月を30日または約29日(29.5日)としていましたが、実際の季節に合わせるとずれしまう欠点がありました。そこで数年に一度「うるう月」として一ヶ月増やし、調整をおこなっていたんです。

時々一ヶ月増えてしまう太陰太陽暦は、農作業を行う上では参考にしづらい暦でした。例えば「5月に田植えをしよう」と思っていても、4月にうるう月が挟まったら季節が進んでしまいますよね?そこで1年を24等分して名前をつけた、「二十四節気」というものが誕生しました。

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暦からこぼれた季節を補完するのが「雑節」

二十四節気は本来の季節から1ヶ月前後のズレはあるものの、春分・秋分など…毎年同じ時期に訪れます。しかし二十四等分した日とは別に、季節の目安としたい日もありました。

例えば梅雨が始まる目安となる日は、農作業では重要なポイントです。また豊作祈願や厄払いは、現代以上に重要な行事でした。

こうした二十四節気だけではあらわせない、季節の目安となる日をまとめたのが、「雑節(ざっせつ)」なんですね。

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雑節の一覧。2024年はいつ?

雑節は節分からはじまる9つ

一般に雑節は9つあり、それぞれに重要な意味があります。日付の早い順から、その雑節の特徴も合わせて紹介しますので、ぜひ覚えてくださいね。

節分

節分(せつぶん)

節分は立春の前日で2月3日ごろです。雑節の中では一番有名ですね。豆まきをして厄払いをし一年の無明息災を願います。

二十四節気における1年の始まりの日「立春」の前日に行われ、年越し行事という側面もあったんですね。

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彼岸(ひがん)

彼岸は、

  • 春分(3月21日前後)の日を中心に前後7日間
  • 秋分(9月23日前後)の日を中心に前後7日間

ご先祖様の供養をする期間です。

前者を「春のお彼岸」、後者を「秋のお彼岸」と呼びます。

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社日(しゃにち)

社日も年に2回あります。

  • 春分(3月21日前後)に一番近い戊の日(3月17日~25日ごろ)
  • 秋分(9月23日前後)に一番近い戊の日(9月18日~25日ごろ)

前者(春の社日)を「春社」、後者(秋の社日)を「秋社」と呼びます。

社日は、春分と秋分に一番近い戊(つちのえ)の日に、自分が生まれた場所の神様(産土神・うぶすながみ)を祀る日です。春には稲や麦など穀物の種をお供えして豊作を願い、秋には豊作に感謝するんですね。

ちなみに「戊」とは、十干(じっかん)という10日で一巡りする暦で使う日付のことです。

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八十八夜(はちじゅうはちや)

八十八夜は、5月1日ごろ。立春から88日目のことで、霜が発生しやすい日です。

また八十八夜に摘んだお茶を飲むと、長生きすると言われています。

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入梅(にゅうばい)

入梅は、6月11日ごろ。梅雨入りするとされる日で、この日から梅雨の季節としていました。また梅雨の季節全体を、入梅という地方もあるんですよ。

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半夏生(はんげしょう)

半夏生は、7月2日ごろ。夏至から11日目に訪れる、大雨が降りやすい日です。農家は半夏生までに畑仕事や田植えを終え、5日程度お休みしました。

関西では半夏生にタコを食べて豊作を願い、香川ではうどんを食べて畑仕事の労をねぎらったんですよ。

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土用(どよう)

土用は、立夏・立秋・立冬・立春の直前約18日間で、特に立秋直前の「夏の土用」が知られています。土の気が元気になる時期で、穴掘りをしてはいけないと言われていました。

現在は土用の期間に訪れる丑の日に、うなぎを食べると元気になるという風習が定着しています。

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二百十日

二百十日は、9月1日ごろ。立春から数えて210日目です。台風が上陸しやすいので農作物への注意が必要な日としています。

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二百二十日

二百ニ十日は、9月10日ごろ。立春から数えて220日目です。こちらも台風や風に注意が必要な日としています。

2024年の雑節の日付は?

2024年(令和6年)の雑節の日付も紹介します。

雑節読み日付(2024年)
節分せつぶん2月3日
彼岸ひがん3月17日(春)
9月19日(秋)
社日しゃにち3月25日(春)
9月21日(秋)
八十八夜はちじゅうはちや5月1日
入梅にゅうばい6月10日
半夏生はんげしょう7月1日
土用どよう1月20日 2月1日(冬)
4月28日(春)
7月24日 8月5日(夏)
10月31日(秋)
二百十日にひゃくとおか8月31日
二百二十日にひゃくはつか9月10日

雑節を季節の目安に

雑節は暦の上で覚えておきたい日のことで、特に農作業に関係した日が多い特徴があります。また厄払いや豊作を願う日もあり、こちらも農作物に関係した日とも言えますね。

農業は天候に左右されやすく、天気が荒れやすい日を覚えておくことはとても重要でした。現在も農作業の目安として活用することもあり、また季節を感じられる日となっているんですよ。

カレンダーの雑節を通じて、日本の豊かな季節を改めて感じてみませんか?