太陽の眼差し

本の繊細な気候は「春夏秋冬」の四季だけでは表現しきれないこともありますよね。昔の人もそう思ったのか、暦の上で様々な表現を使いつづけてきました。

そういった表現の一つに、「大暑(たいしょ)」があります。

文字を見ただけでとても暑そう!という気がしますが、どんな意味があるのでしょう?

そんな「大暑」の意味や2024年の日付、またこの時期の食べ物や風習について紹介していきます。

大暑とは?

一番暑い時期

夏の暑い道路

大暑(たいしょ)とは二十四節気の一つで、現在の暦では7月下旬の「夏」の時期を表す言葉です。

二十四節気は一年を二十四等分する昔の暦ですが、大暑は二十四節気の中でも一番暑さが厳しい時期、という意味で名付けられたものです。

「暦便覧」という江戸時代に書かれた季節に関する書物でも、大暑は「暑気いたりつまりたるゆえんなればなり」と書かれています。

ざっくりと現代語にすると、「気温(暑気)が最も上がる時期だから、そういう名称になった」というもの。昔の人も現代人と同様に、暑さにはうんざりしてたのかも知れませんね。

暑さのピークが違う?

大暑は7月下旬頃ですが、現代の感覚では一番暑いのは8月に入ってからですよね?これには暦の違いが関係しています。

明治以前は「太陰暦(旧暦)」という、月の満ち欠けを元にした暦を使用していました。太陰暦は「実際の季節と暦上の季節がずれる」という欠点があり、それを補うために誕生したのが、二十四節気です。

ところが二十四節気は、中国で考案された暦。そのため日本の季節とは、微妙なズレが元々ありました。しかも太陰暦に対応したものだったため、太陽暦に合わせるとさらにずれることに。そのため現在の暑さのピークと、暦の上での暑さのピークが合わないのも納得ですね。

ちなみに太陽暦とのズレはおよそ1ヶ月程度。旧暦では8月中旬~下旬頃だったんですね。

2024年の大暑はいつ?

今年は7月22日から

夏の昆虫

2024年大暑は、7月22日(月)です。

なお、大暑の期間と言った場合は、大暑の日から次の二十四節気「立秋」の前日までの期間のことを指します。

大暑の日はその年によって変わり、7月22日か23日のいずれか。2024年の「立秋」は8月7日なので、大暑の期間7月22日~8月6日となります。

簡単な算出方法は?

今年の大暑が7月22日なのか7月23日なのかを、簡単に算出する方法があります。

それは、

  • 西暦を4で割って、余りが無し(余り0・1)…7月22日
  • 西暦を4で割って、余りがある(余り2・3)…7月23日

というもの。

2024年を例にすると、2024÷4=506余り0となるので、7月22日となります。

ただしこの算出方法は2047年まででそれ以降は違ってきますよ。

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大暑の時期の食べ物や風習は?

土用の期間に入るので

大暑の時期は、実は「土用」の時期でもあります。

土用とは二十四節気の「立春・立夏・立秋・立冬」の、直前18日の期間を指す言葉。この期間中に12日で一回りする暦「十二支」にて、「丑の日」があると「土用の丑の日」となります。

干支でお馴染みの「十二支」ですが、実は暦の一つでもあるわけです。

土用の丑の日は一年に数回訪れるのですが、一般的には夏の「土用の丑の日」を指す言葉。ちょうど大暑の時期と重なるので、この時季にうなぎを食べると元気になると言われています。

実際うなぎには夏バテ改善に効果が期待できるビタミンAが豊富にありますよね。ただしこの時期のうなぎは旬ではないので、栄養よりも気力回復のために食べると考えましょう。

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天ぷらを食べよう

天ぷら

大暑の日の前後に、スーパーなどで天ぷらが沢山売られているのを見たことがありませんか?これは毎月23日が天ぷらの日で、特に7月・8月の天ぷらの日は力を入れているからなんですよ。

元々「大暑の日は天ぷらの日」と言われていたのですが、いつ、誰が言い出したのかは不明。ただ夏バテしやすい時期に、栄養豊富な天ぷらを食べて乗り切る目的で広まったと言われています。

それを現在の暦で大暑の時期に相当する7月23日が天ぷらの日として制定されました。制定した団体は不明ですが、ここから「毎月23日は天ぷらの日」として、スーパーなどで売り出すようになったんですね。

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暑さに備えて

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暑は一年で一番暑い時期を表す言葉ですが、現在の暦とはズレが生じています。しかし7月23日頃も暑い時期ですし、これから迎える酷暑に備えて暑さ対策を行いたいところ。

室内の湿度をある程度下げて、エアコンなども上手に活用して室温を下げる。また規則正しい生活を心がけて、急な暑さに負けない体づくりも大切です。

その上で、美味しい天ぷらやうなぎを食べて「大暑」を乗り切りましょう!