祭りの楽しみと言えば、どんなものを思い浮かべますでしょうか?

  • 昔から受け継がれてきた、伝統行事?
  • 爽快で迫力のある踊りや舞?
  • 出店や露天であれこれ買い物をすること?

お祭りの楽しみは様々ありますが、その中でも、特に沢山の露天が立ち並び、とてもにぎやかなお祭りで有名なのが、福岡で毎年秋に行われる「放生会」です。

福岡の放生会は、「博多どんたく」、「博多祇園山笠」と並んで、博多三大祭りの一つに数えられますが、とても長い伝統があり、神社の行事も趣があって見どころが満載。

そんな福岡の放生会の2023年の日程や見どころ・楽しみどころを紹介します!

福岡の筥崎宮放生会大祭とは?

無駄な殺生はいけませんよ

放生会の祭り

福岡の放生会は、正式には、「筥崎宮放生会大祭」(はこざきぐう・ほうじょうや・たいさい)と言います。

他の地域で行われる放生会は「ほうじょうえ」と読みますが、福岡では「ほうじょうや」と読むんです。福岡の放生会の歴史は千年以上とも伝えられ、貴重な行事が現在に伝わるお祭りでもあります。

放生会とは元は仏教の行事で、無駄な殺生を戒め、大地の実りに感謝を捧げる行事のこと。池で大量の魚が死にかけていたところを、ブッダの前世に当たる人が助けてあげたことが由来とされています。

明治時代以前は、仏様も神様も一緒に祀る風習があった関係もあって、神道にもこの行事は伝わっています。その証拠に筥崎宮は「神社」ですが、他の地域では「お寺」が放生会を行うところもあるんですね。

梨も柿も放生会!

福岡の放生会は、露天(露店)の規模が大きいことでも知られています。

500店以上の露天が立ち並び、その様子は「ナシもカキも放生会」と言われるほどなんです。

これは秋に実る「梨や柿も」に、博多弁の「なして?(どうして?)」に引っ掛けた一種のダジャレ。「だってもヘチマもないわ!」的なニュアンスが、一番近いのかもしれませんね。

福岡放生会の2023年の日程と時間

毎年9月12日から7日間!

福岡放生会

筥崎宮の放生会の日程は、毎年9月12日から18日までの一週間。100万人もの人が訪れます。敬老の日を含めた3連休を含むということもあり、大きな混雑が予想されますね。

  • 開催日時:2023年9月12日(火)~9月18日(月)
  • 開催時間:午前10時ごろ~午後9時頃まで(行事によって時間の変動あり)
  • 開催場所:筥崎宮(福岡市東区箱崎1丁目22-1)、その周辺

気になる出店の営業時間は?

筥崎宮の神社の行事も気になりますが、それにも増して露天が気になる方も多いでしょう。

筥崎宮の行事は午後9時頃には終了しますので、その時間までは露店は開店していますが、夜9時を過ぎると少しづつ閉店していきます。とは言え、神社周辺の露店は夜中の11時頃まで開いているところもあります

ただし、最終日の18日は夕方ごろには店じまいをして、後片付けをはじめてしまいます。最終日に行く場合は昼間のうちでないと、露店自体がない場合もあるので気をつけてくださいね。

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福岡放生会の見どころや楽しみ方

2年に1度のお神輿行列

放生会のみどころは、御神輿行列

2年(奇数年)に一度行われる御神輿行列は、別名「御神幸」(ごじんこう)とも呼ばれ、千年の歴史を今に伝えるもの。清道旗とよばれるおしるしを先頭に、お御輿と氏子さん達が博多の街を練り歩きます。

2023年(令和5年)は御神輿行列(御神幸)が見られる年ですので、楽しみですね。

お神輿行列のスケジュールは次の通りです。

御下り(渡御)開催日時:2023年9月12日(火) 18時~22時

筥崎宮を出たお神輿が、4時間近くかけて、九大病院前や箱崎小学校前を周り、頓宮に到着します。

□筥崎宮放生会 御神幸(お下り)
https://youtu.be/zvVDVdGkVTE

御上り(還御)

開催日時:2023年9月14日(木) 19時~20時

12日のコースを逆に周り、筥崎宮に戻ります。御下りよりもコースが短くなっています。

見どころは、最後の数百メートルになると走りだす氏子さんたち!貴重なお道具を持ったまま走る様子はとにかく必死で、見ているこちらも大盛り上がりです。

□筥崎宮放生会 御神幸(お上り)
https://youtu.be/UZAtzwdMQbo

おはじき

放生会で忘れてはいけないのが、祭の期間中に数量限定で販売されるおはじきです。

おはじき「博多人形」の職人(白彫会 ※)の手作り。毎年デザインが違い、すぐに売り切れるほどの大人気商品です。

※白彫会は、昭和23年発足の博多人形の研究団体。博多おはじきを作り続けています。

ただ、

  • 人気過熱によって近隣からの苦情やその他トラブルが頻発した
  • 白彫会の高齢化によって多く生産することが難しくなってきた

といった原因から、2017年以降、放生会では発売が中止されました。残念なことですね。

とは言え、筥崎宮では2018年3月末以降「筥崎宮おはじき」を20種類発売しています。この筥崎宮おはじきは、放生会とは関係なく通年で発売するものです。

ただし数量限定で、発売時期は筥崎宮のホームページにて発表されます。気になる方は筥崎宮のHPをチェックしておきましょう。

ちゃんぽん

放生会で人気と言えば、こちらも数量限定のチャンポンがあります。

チャンポンといっても食べ物ではなく、吹いて音を鳴らす楽器の一種でビードロと呼ばれています。吹いた時のお音色が「チャンポン~」と聞こえたということからこの名がついています。

巫女さんが一つづつ絵付けをしていて、値段は3000円~9000円。12日に販売後すぐ売れきれてしまうほどの人気商品なので、前日夜から並ぶ必要があるほどです。

入手はかなり大変ですが、おみやげにいかがですか?

レトロな露天!

更に放生会といえば、露天の数々も外せません。500軒もの露天がずらっと並びます。

その特徴の一つとしては、お祭り定番の食べ物と並んで、新生姜が売られていること。元々筥崎宮周辺は生姜の栽培が盛んで、この時期に取れる新生姜を販売していた名残なんです。

他にも、梅ケ枝餅や、筥崎宮名物で素朴な味の社日餅(やきもち)もありますよ

その他に変わったところでは、昔の放生会では亀を放流していた名残で、亀売りの露天が多いこと。

さらには昭和の雰囲気たっぷりの、

  • お化け屋敷
  • 見世物小屋

なども楽しめますよ。(出店内容は変更になる可能性もあります)

放生会へのアクセス

公共交通機関でのアクセス

放生会の時期の福岡は非常に混雑し、車で行くのはあまりオススメできません。交通の便も良い場所ですし、ぜひ公共交通機関を利用しましょう。

関西方面や九州各地からですと、新幹線などを利用して、福岡の博多駅に着いたら、JR鹿児島線に乗り換え、箱崎駅で下車して徒歩10分ほどで筥崎宮です。

市営地下鉄を利用する場合は、箱崎宮前駅で下車して徒歩3分ほどで到着します。

遠方の場合は、飛行機がとても便利です。福岡空港より地下鉄が運行されており博多駅が近いです。博多駅に着いたら、JRや地下鉄で筥崎宮を目指しましょう。

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昔の空気を味わって

崎宮の放生会(ほうじょうや)は、千年以上の長い歴史が息づくとても貴重なお祭り。

露天も流行り廃りがある一方で、昭和の頃の懐かしい露天が立ち並びます。少々胡散臭くて魅力的な見世物や、チープだけどちょっと怖いお化け屋敷は今となっては貴重なものです。

神聖なものとちょっといかがわしいものが入り混じる空気を、ぜひ福岡で味わってくださいね。