全国の郷土料理の中には、テレビや映画で取り上げられて人気となったものがあります。「五平餅」もその一つですね。
2018年のNHK朝の連続テレビ小説で登場して話題となった五平餅ですが、食べたことが無い方にとっては、味や食感など、どんなお餅なのか気になるところ。
そんな「五平餅」の由来と、家でも出来る簡単な作り方についてお伝えしていきますので、ぜひ参考にしてくださいね!
五平餅とはどんなお餅?
うるち米を潰して、串につけて焼いた餅
五平餅は岐阜県・長野県・富山県・愛知県・静岡県の、山間部で主に食べられてきた郷土料理です。
一般にお餅は蒸したもち米をすりつぶして粘り気を出し、形を整えたものとなります。しかし五平餅では普段私たちがご飯として食べている、うるち米が使われています。
そのうるち米を粒が残る程度に潰してから串につけ、タレを付けて焼いたのが五平餅なんです。
地方によって形も味も違う
五平餅は地方によって、形も味も異なります。
例えばよく知られた大きなわらじ型の五平餅は、岐阜県や愛知県で多く見かけるものです。また団子型の五平餅もありますし、長野県では細長く筒に付けた五平餅も食べられています。
味に関しても、ベースとなるタレが醤油か味噌かという違いがあります。
愛知県では味噌ベースが多く、クルミなどのナッツ類も加わります。これが岐阜県になると、醤油ベースにナッツ類や砂糖が使われていることが多い…といった違いがあるんですね。
五平餅の由来は?
御幣に形が似ていることから
五平餅は、神道で使われている「御幣」から取られて「御幣餅」と書くことがあります。読みは同じ「ごへいもち」です。
「御幣」とは白木の棒に、紙垂(しで)というギザギザした形に切られた紙を取り付けたもの。この御幣に形が似ているから御幣餅と呼ばれ、そこから五平餅と字が変わったというわけですね。
神様のお供えに
神道の御幣に似ているという説とともに有力視されているのが、神様への捧げものという説です。
五平餅が食べられている地域は山岳地帯が中心で、いずれも山の神様を祀っていた地域でした。山岳地帯ではお米が貴重で、春と秋のお祭りでは米を神様にお供えしていました。
こうした祭典時に炊いたご飯をおにぎりにし、枝に刺して捧げたのが、五平餅の始まりだというわけです。
携帯食と五平さん
山岳地方で林業に携わる人の携帯食として、おにぎりを棒に刺して焼いた物が食べられていました。
そのおにぎりには醤油や味噌をぬって焼いたり、ご飯を潰して粘り気を出す工夫がされていたんです。作り方を編み出したのが「五平さん」という人だったので、五平餅となった説もあるんですね。
家でもできる!五平餅の簡単な作り方は?
材料を揃えよう
五平餅の材料は、どこの家庭にもあるものです。今回は味噌味の五平餅2人前を紹介しますので、まずはこちらでチャレンジしてみましょう!
- ご飯 …お茶碗大盛り2杯分
冷ご飯をレンジで温めたものでも大丈夫です。
- 味噌 …大さじ1程度
- 砂糖 …大さじ1
- 醤油 …大さじ1/2
- みりん…大さじ1/2
みりんにも甘みがあるので、砂糖の量で甘みの調節を行いましょう。
- 白ごま(すりごま)…大さじ1
プチッとした食感が好みなら、煎りゴマを混ぜてもいいですね。
- すりこぎとすり鉢(またはボウル)
ご飯を潰すのに必要です。最近では100円ショップにもあるのでぜひ用意しましょう。
- 割り箸 …2膳
五平餅をつける棒代わりです。
- オーブントースタター・魚焼きグリル・フライパンのいずれか
本来は火で炙りますが、手間がかかるのでこちらを利用します。
この他にお好みで、「砕いたクルミやピーナッツ」をタレに加えると香ばしさがアップします。大人の辛さが欲しいなら、粉山椒(こさんしょう)をひと振り加えてもおいしいです。
味噌味の五平餅の作り方は?
次に、作り方を紹介します。
- 温かいご飯をすり鉢に入れ、米粒を7割程度潰します。
- 潰した米を人数分に分け、割り箸を中に挟んでわらじ型になるように平らに整えます。
- ざるや皿の上に並べてしばらく乾かします。
- その間に、すりごまに、味噌・砂糖・みりんを混ぜてタレを作っておきます。
- (3)で乾かした米をオーブントースターやフライパンなどで、5分程度焼きます。
- 表面に(4)のタレを塗ってから、もう一度焦げ目がつくまで5分程度焼いて完成。
タレをぬってからもう一度焼く時は、味噌が焦げやすいので目を離さないようにしましょう。フライパンで焼く場合は油をぬっておくと、五平餅がくっつかずに焼きやすいですよ。
□五平餅(中部地方郷土料理) レシピ
https://youtu.be/dfsAsjeJPW0
*調理器具によって火力が違うので、必ず確認しながら焼いてくださいね!
五平餅の味や形の違いを楽しもう!
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五平餅は潰したご飯を棒につけ、タレを塗って焼いた郷土料理です。形はわらじ型や団子型など様々で、味も醤油や味噌をベースに甘辛く味付けしたものが多いんですよ。
名前の由来も様々で、神様の捧げものだったり、五平さんが考えたという説があります。材料も家で揃うものばかりなので、焼きおにぎりの代わりに作るのも楽しそうですね。
岐阜県や長野県へ行ったときは、地方ごとに味や形の違う五平餅を食べ比べてみるのもいいですね!
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