労働者の訴え

ールデンウィークは4月29日を中心とした前半と、5月3日からの後半に別れます。

その年によっても違いますが、一般的に4月30日~5月2日は平日。これらの日は休みづらいと感じることがありますよね。

その中の5月1日には、毎年「メーデー」と呼ばれる行事があります。この日も祝日になれば嬉しいですが、そもそもメーデーとはどういうものなのでしょう?

なぜ日本では祝日にならないのでしょう?

そこで、

  • メーデーの意味や由来
  • 日本におけるメーデーとは
  • メーデーは祝日にならないのか?

といった内容について紹介していきます。ぜひ参考にしてくださいね!

メーデーの意味や由来

元は五月祭

メーデーは英語で「MayDay」と書く、全世界的に行われる労働者の祭典のこと。「労働の日、労働者の日」と呼ぶこともあり、この場合は英語で「Labour Day(レイバー・ディ)」と呼ばれます。

「5月の日」と書くメーデーは、元は「五月祭」を指す言葉でした。

五月祭とはキリスト教が広まる以前から行われていた古いお祭りで、古代ローマが起源。豊穣の女神に食べ物などを捧げ、夏の訪れを喜び豊穣を願うお祭りだったんです。

労働者の祭典へ変化

労働者の集い

五月祭が労働者の祭典へと変化したのは、アメリカでの労働問題が関係しています。

1800年代後半のアメリカでは、1日12~14時間労働が当たり前というひどい労働環境。これに不満を持った労働者たちが、1886年5月1日に一斉にストライキを決行しました。

これらの運動は翌年以降も行われ、5月1日は労働者の権利を求める「メーデー」となったというわけです。

日本におけるメーデーとは?

労組

1905年に初実施

日本ではじめてメーデーが実施されたのは、1905年(明治38年)のことです。

ただし当時のメーデーは、政治団体が労働団体に呼びかけて話し合けたもの。労働者が立ち上がったというよりは、知識階級が新しい考え方を取り入れた形に近かったんです。

その後は本格的なメーデーも行われましたが、1936年(昭和11年)にこのような集会が法律で禁止に。更に太平洋戦争・第二次世界大戦の影響もあり、メーデーどころではなくなってしまいました。

戦後のメーデーの動き

終戦翌年の1946年(昭和21年)に、メーデーは復活を遂げました。

この時行われたのが、「働けるだけ喰わせろ」をスローガンとした「食糧メーデー(飯米獲得人民大会)」いうもの。日にちは5月1日でなく5月19日ですが、宮城前広場(現在の皇居外苑)に、25万人以上の人が集まったと言われています。

その後も労働環境の改善などを求めるメーデーは、毎年5月1日に実施されています

ただし主張の違いなどから、メーデーを主催する労働組合が複数存在。それぞれ対立していた時期もあったことから、足並みが揃っている状態とは言えません。また4月下旬の土日にメーデーを行う団体もあり、今では「5月1日のメーデー」の印象も薄れていると言えますね。

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メーデーはどうして祝日にならないのか

海外では祝日の一つに

メーデーは国連などの国際組織が定める、「国際デー」の一つ。そのため80以上の国で、5月1日が労働者のための祝日になっているんです

それほど労働者の権利は重要であり、当然の権利ということ。労働者自身もメーデーに参加し、労働環境の向上などを訴える事が多いんですね。

日本ではGWの事情から・・

日本の5月1日は、残念ながら祝日ではありません。

ゴールデンウィーク中なので休みになってほしいものですが、実はこのGW中という部分が祝日にならない理由でもあります。

ゴールデンウィークの祝日・休日は、4月29日、5月3日、5月4日、5月5日の4日。曜日によっては連休が後半にしかない状態です。そこで、5月1日を祝日にすれば、法律上では休日・祝日が7日続くことになります

何故休日が7日続くかというと、「国民の祝日に関する法律」の中に、「祝日と祝日の間に挟まる日は、国民の休日とする」という規定があるためです。

日本では、5月1日を祝日にした場合、この規定により4月30日・5月2日も祝日になってしまいます。

そうなればとても嬉しいですよね。

しかしこの案は実施が見送られてしまいました。金融業界を中心に、「長く金融市場が開かれないと経済的な問題が起こる」と指摘があったためです。

ですので、5月1日は現在も平日のままというわけなんですね。

※ただし、2019年は新天皇即位のため、1年限りですが、5月1日は休みになります。そのため、GWは土曜日も含めれば最大10連休になります。

参考記事:2019年(平成31年/令和元年)の祝日とカレンダーの一覧!連休の特徴は?

職業いろいろ

労働者の祝日が別にある

5月1日が祝日とならないもう一つの理由が、11月23日の「勤労感謝の日」にあります。

勤労感謝の日は、「勤労をたつとび、生産を祝い、国民たがいに感謝しあう」という祝日。労働者のための祝日であり、メーデーの趣旨と似ているため、メーデーの祝日は見送られました。

【関連記事】
「勤労感謝の日」の意味や由来とは?英語ではどう説明するの?

ちなみに外国でも5月1日ではなく、別の日を労働者の祝日とする国があります。例えばメーデー発祥の国アメリカでは、9月最初の月曜日が労働者の祝日に充てられているんですね。

広まってほしいメーデー

日本では、平日に一部の人が集まって何か言っている、というイメージがあるメーデー。

しかし本来は労働者がより働きやすくするために、世間に訴えるとても重要な日。国際デーとして世界的に認知され、大切な祝日として扱われる国もあるほどなんですよ。

日本では、GW日程の問題や、似たような祝日がある関係で、祝日となっていない5月1日のメーデー。

祝日になることも期待したいですが、よりよく働く環境のためにも広まってほしいですね!

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