年末に時間が取れず、お正月になってからまとめて年賀状を書く・・・なんて人はいませんか?あるいは出し忘れていた方から年賀状が届き、慌てて書き出すなんてこともよくあるのではないでしょうか。
そんな時に気になるのが、書き出し文でよく使う「元日」や「元旦」という言葉。どちらも新年という意味で同じように使いがちですが、実は違いがある言葉なんです。
そこでぜひ知っておきたい、元日と元旦の違いについて、使用例も交えて紹介します!
元日とは?
1月1日
元日とは、その年の最初の日を指す言葉で、1月1日が該当します。
元日の「元」には、「はじめ」という意味があります。その年のはじめの日、という意味が漢字には込められています。
元日を時間帯で表現した場合、1月1日の日付が変わった瞬間から1月2日なるまでの24時間。1月1日全てが元日であり、どの時間帯でも元日と言っていいんですよ。
時期に意味はない
寒空の下で初詣を行うと、身も心も引き締まる思いがします。日本の元日は冬の季節ですが、なぜこの時期が元日となったのでしょうか。
実は天文学的な考えでは、全ての日は同じ日。1年の区切りをどこに置いても問題なく、1月1日もこの時期でなければという意味はありません。
また暦の上での区切りも、昼と夜が同じになる春分の日が3月21日(20日)頃になるように決めたという経緯があります。その日から逆算することで1月1日が決まり、この時期が元日となったんです。
実は現在とは違う暦(ローマ歴)を採用していた古代ローマでは、冬至付近が元日だったとのこと。フランス革命時に独自の暦(フランス革命暦)を採用したフランスでは、当時春分の日が元日でした。
特別な一日だというイメージが強い元日も、それほど特別ではなかったというのは驚きですね。
元旦とは?
1月1日の朝
元旦とは、1月1日の朝を指す言葉です。
「元旦」という漢字のうち、「旦」には朝という意味があります。地平から朝日が昇る様子を、漢字で表現しています。
ここに「元」がつき、「1月1日の朝日が昇る時間帯」という意味で「元旦」となったというわけなんですね。
どこまでが元旦?
元旦は1月1日の朝と言われても、時間の区切りが曖昧に感じられませんか?
朝という時間帯がどこまでなのかは人それぞれですが、夜明け頃からが朝の時間帯。そして12時はもうお昼ですし、11時をすぎると「お昼前」という表現も使われます。
そのため「1月1日の夜明け頃から朝の10時ごろまで」が、元旦と考えるのが適切と言えますね。
元日と元旦の使い分け方は?
時間帯で使い分け
最近では元旦も元日と同じように、1月1日まる一日を指すということもあります。
しかし厳密には意味が違うため、1月1日であっても、昼以降に元旦を使うのはふさわしくありません。
きちんと元日と元旦を使い分けるのであれば、次の点に注意しましょう。
1月1日まる一日のこと■元旦
1月1日の朝、夜明けごろから午前10時ごろまで
よくある間違いに、「元旦の朝」という表現がありますね。
この表現ですと、元旦に朝という意味が含まれるので二重表現になってしまいます。そのため「元旦」だけにするか、「元日の朝」とするのが正しいんですね。
同様に「元旦の午後」や「元旦の夜」という表現は、それぞれ「朝の午後」「朝の夜」というおかしな意味に。「元日の午後・元日の夜」といった表現を使い、元旦は朝から午前中にかけてだけ使いましょう。
年賀状に書くときは?
年賀状では、元日と元旦のどちらを使うのが適切なのでしょうか。
本来年賀状は、1月1日の朝に届くように投函するのが礼儀。そのため文末に日付を書き込む場合、
- 令和○○年 元旦
…と記入し、元日は使わないようにしましょう。
また「1月元旦」や「1月元日」と書く人がいますが、これは間違い。元日・元旦それぞれに「1月1日」の意味があるため、1月の二重表現となるんですよ。
ちなみに投函が遅れるなどして、1月1日に届くかわからない場合は、
- 令和○○年 1月
- 令和○○年 1月吉日
- 令和○○年 正月
…としたほうが安心ですし、間違いがない表現となります。
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元日と元旦は似ているが違う
元日と元旦は漢字も似ていることから、同じ意味合いの表現と思いがち。しかし漢字の意味を含めて調べてみると、時間帯の範囲が違う言葉だということがわかります。
元日は1月1日そのものを指す言葉で、元旦は、1月1日の朝を指す言葉。特に元旦は時間帯が制限される言葉なので、1月1日の午前中にのみ使いたいですね。
新年早々から間違いを指摘されないように、元日と元旦はしっかり使い分けましょう!
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