親しい友人へは、メールで済ますことも多くなったとはいえ、目上の方や会社関係、親戚の方へは、やはり年賀状は出すべきですよね。
我が家でもお世話になっている方へ出す年賀状を作ろうかと、年賀状ソフトを購入したのですが、デザインを見ていると「謹賀新年」と「恭賀新年」と書かれているものを見つけました。
この2つ、似たような四字熟語ですが、言葉の意味にどんな違いがあるのでしょうか?
年賀状ではどう使い分けるのでしょう?
そんな気になる「謹賀新年」と「恭賀新年」の違いや、年賀状でどう使い分けるのか?についてまとめてみました。
年賀状に使われる言葉の意味を知ろう!
「謹賀新年」「恭賀新年」を始め、それ以外にも年賀状で使われる熟語をピックアップしてみました。
これらお祝いの場で使う、四字熟語や二字熟語は、
「賀詞(がし)」
と言われてるんですね。

四字熟語の賀詞
四字熟語の賀詞(がし)は、目立ったものでは4種類あり、それぞれ次のような意味があります。
- 謹賀新年(きんがしんねん)
「謹賀には謹んで」という意味があり、「謹んで新年の喜びを申し上げます」となります。
- 恭賀新年(きょうがしんねん)
「恭賀にはうやうやしく」という意味があり、「うやうやしく新年のお祝いを申し上ます」となります。
- 恭賀初春(きょうがしょしゅん)
「初春は新年のこと」を指すため、「うやうやしく初春(新年)のお祝いを申し上げます」となります。
- 笑門来福(しょうもんらいふく)
「笑う門には福来る」の四字熟語表現。「来福笑門」とも書きます。
謹賀新年も、恭賀新年も、相手に対して「丁寧に新年の挨拶をしています」ということでしょうか。
どちらを使っても、相手には失礼にはならないようですね。
二字熟語の賀詞
一方、二字熟語の賀詞(がし)では、四字熟語の重複分を除いたものから、特に使われていた5種類を取り上げました。
- 新春(しんしゅん) …新しい年、転じてお正月。
- 迎春(げいしゅん) …新春を迎える。
- 慶春(けいしゅん) …新春を喜ぶ。
- 賀正(がしょう) …正月・新年を祝う。
- 頌春(しょうしゅん)…新春を迎えて喜ばしい。
どの賀詞も、お正月を祝い、喜ぶといった、意味がありますね。
これが英語表記だと「Happy New Year」一択なのに、日本語だと、これだけの言葉がお正月に使われるのかと驚きました。
年賀状の言葉の使いわけは?
どの賀詞を使っても、年賀状に使うのには問題が無いと言えます。
でもこれだけ言葉が多くなると、使うべき対象が決まっているのではないでしょうか。

二字なら、正月と言っているだけ
目上の方への年賀状に、「新春」や「迎春」といった、二字の賀詞を使うのは実は失礼に当たります。
というのも、先に挙げた意味のとおり、「新春」や「迎春」と書いただけでは、「お正月です」「新年です」と言っているだけなんですね。相手を敬う事や、丁寧さが足りない事になります。
ですので、これらの二文字からなる賀詞を使う相手は、年下や同僚など、目下や同格に当たる人への年賀状に使うようにしましょう。
目上の方には四字の賀詞を
目上の方に対しては、「謹賀新年」「恭賀新年」といった、四字からなる賀詞を添えるのがマナーとして適切です。
ただし、その後に「あけましておめでとうございます」と付け足すと、賀詞を重ねて使う事になり、いわゆる「頭痛が痛い」という表現になってしまいます。
ですので、謹賀新年など賀詞を添えた後は、「昨年はお世話になりました」といった挨拶文を添えるのが、目上の方にも失礼にならない年賀状となるでしょう。
相手を問わず使える言葉は?
- 「Happy New Year」
- 「あけましておめでとうございます」
- 「新年おめでとうございます」
は、相手を問わずに使用できます。
ですが、「新年あけましておめでとうございます」は、賀詞を重ねているので避けたほうが良いとも言われてます。
でもこの表現はつい使ってしまいますよね?実際のところ一般的に使われている文面なので、目上の方へ出す年賀状でないのなら、そこまで気にすることも無いかも知れません。
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日本語の語彙(ごい)は本当に豊富です。敬語の使い方も難しいものですし、言葉に奥深さがありますね。
今まで知らずに、目上の方へも「賀正」という賀詞を添えた年賀状を出していたという方もおられるのではないでしょうか。賀詞をよく知ってらっしゃる方が見たら、「何てマナーのなっていない年賀状だ!」と思われていたかもしれません。
知らないという事は恐ろしいことだと思いますが、今年の年賀状を印刷する前に気がついたのであればラッキーですね。
ちょっとした細かい違いですが、改めて年賀状の文面を見なおして、失礼のないように適切な言葉を使いたいものですね。
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