北海道へ行った方から、お土産として「鮭とば」をもらったことはありませんか?
地域によっては見慣れない人もいるかもしれない鮭とばは、細長く堅いのが特徴。そのため噛み切ろうとしても噛みきれず、歯が弱い方にとって扱いに困ってしまいます。
そもそも「鮭とば」とはどういうもので、どのようにすれば美味しく食べられるのでしょうか。
そこで
- 鮭とばとは?
- 鮭とばの作り方は?
- 鮭と場の食べ方
…を紹介するので、頂いた時の参考にしてくださいね!
鮭とばとは?
鮭を保存食に
鮭とばは冬の北海道・東北地方・新潟(村上市)で作られている、秋鮭の保存食のこと。
現代ではおつまみのイメージが強いですが、本来は冬の貴重なたんぱく源。アイヌの人たちが作っていたものが広まり、北海道・東北で愛されている食べ物になったんですね。
「とば」を漢字で書くと・・
鮭とばとは聞きなれない言葉ですが、漢字では「鮭冬葉」と書きます。冬葉はアイヌ語の「トパ」を語源としたもので、その意味は「群れ」というもの。
また「トゥパ」という、「鮭を細長く切って干したもの」を指す言葉も由来となっています。
鮭とばの作り方は?
細く切って寒風にさらして
鮭とばは、濃縮された鮭の旨みと、やや強めの塩味が特徴。
これは後から味付けしたものではなく、鮭と塩による自然の味なんですよ。
昔ながらの鮭とばの作り方は、実はとてもシンプルです。
- 秋鮭は一度洗ってから開き、内蔵や血合いを取り除く。
- 内蔵があった部分を丹念に洗い、血合いなどを洗い流す。
- たっぷりの塩を鮭にすりこみ一晩置く。
- 鮭を細長く縦に切る。
- 風通しの良い場所で、3日から1週間程度陰干しして完成。
地方によっても作り方が違い、海水につけてから干したり、一週間ほど塩漬けしてから干す地方も。
いずれにしても寒風で水分を飛ばすことで、味が濃縮されて旨みがたっぷり味わえるんですよ。
□鮭とば つくりかた
*ご家庭で作る場合は、カビが生えないようにしっかり乾燥させましょう。
鮭とばの美味しい食べ方!
基本は炙って
鮭とばを食べた人の感想で多いのが、「とにかく堅い」ということ。たしかにそのまま食べると堅いですが、炙ることで鮭の脂が出て柔らかくなります。
炙り方ですが、ガスコンロの魚焼きグリルで2~3分炙るのがオススメ。魚焼きグリルがない場合は、テフロン加工のフライパンの上に乗せて軽く焼く方法も。
尚、電子レンジやオーブントースターですと、鮭の脂で発火する恐れがあるので注意が必要です。
そして、食べるときは鮭の皮を取り除き、そのままかぶりつきましょう。
日本酒に漬けて
最近では柔らかい鮭とばも販売されていますが、堅めの鮭とばも一手間加えると柔らかく変身します。
その方法とは、「日本酒をまぶして一晩置く」こと。この一手間で鮭とばがほぐれやすくなり、そのままでも美味しくいただけます。
炙って食べれば日本酒の風味も加わって、更に美味しい一品に。ほぐしたものとキャベツや玉ねぎと炒めると、これだけで簡単な一品になりますよ。
鮭とば炊き込みご飯
おつまみに最適の鮭とばですが、料理にも使えるので積極的に活用したいですね。その中でも簡単でおいしいのが、鮭とばを使った炊き込みご飯。
これなら鮭とばの塩気も気にならず、それでいて鮭の旨味がご飯全体に染み込みますよ。
■材料(3合分)
- 米 3合
- 鮭とば 50g(1~2本)
- 醤油 大さじ1
- 顆粒の和風だし 小さじ1
- 酒 大さじ1
- しめじ 1パック(100g程度)
- ひじき 大さじ1
- 油揚げ 1枚
- ひじきはあらかじめ水で戻しておく。
- 油揚げは油抜きをしてから、食べやすい大きさに細切りにする。
- 鮭とばは皮を取り除いてから1センチ幅に切り、酒をまぶして30分程度置く。
- 米をといでザルにあげ、水切りをして30分置く。
- 炊飯器に米・ひじき・油揚げ・ほぐしたしめじ・鮭とばを入れ、3合の目盛りに合わせて水を入れる。
- 醤油・和風だしを加えてから、炊飯する。
- 炊き上がったらご飯を混ぜて完成。
鮭とばの塩分があるので、調味料は味を整える程度で充分。白ごまを散らすとさらに美味しくなりますし、いくらを乗せると贅沢な「親子飯」になりますよ!
噛みしめると鮭の旨味が・・
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地域によっては馴染みが薄い鮭とばですが、北海道・東北ではちょっと贅沢なおつまみとしてお馴染み。
ストーブの上に乗せて炙り、熱々をかじりながらお酒を飲むのが冬のお楽しみとなっています。
じっくり炙れば柔らかくなりますし、噛みしめるほどに鮭の旨味が。手が止まらなくなるほど美味しいですが、塩気が強めなので食べ過ぎには要注意です。
お土産で鮭とばをいただいたら、おつまみに料理に手広く活用しませんか?
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