日本語の難しい点の一つとして、音は同じなのに漢字が意味が違う言葉があることです。日常的に使う言葉の中にもあるため、悩むことがありますよね。
そんな言葉の一つに、「思う」と「想う」があります。どちらもよく使う言葉ですが、それぞれどう違うのでしょう?
そこで、「思う」と「想う」の意味や違いと使い分け、また憶う・懐う・念う等、その他の「おもう」の意味についてもあわせて紹介していきます。ぜひ覚えて活用してくださいね!
「思う」と「想う」の意味や違いは?
「思う」とは?
「思う」には、次の意味があります。
- 物事や人について考え、想像すること。
何か物事を考えるときは、まず頭の中で色々想像していますよね?
このように自分がどう考え感じたのかを表すことを、「思う」という言葉で表しています。
「思う」の意味を理解するには、漢字の成り立ちを見るとわかりやすいですよ。
思うという漢字を分解すると、
- 田
- 心
に分かれます。
「心」は人の心臓を意味する文字であり、「田」は(子供の)脳を意味する文字でした。そして脳と心臓を組み合わせることで、人が脳で考え心で感じる事を表しているんですね。
「想う」とは?
「想う」には、次の意味があります。
- 物事や人に対し、強い感情をかけること。気にすること。
何かを考えるときは頭で想像するまでは、「思う」と同じです。しかし「想う」を使う時は、その対象となる人や物事に対して強く感情をよせています。
そういった相手への強い気持ちを思い描く時に、「想う」は使われるんですよ。
また想うという漢字は、
- 木
- 目
- 心
に分かれます。
ここでの「木」は大地に根付く樹木で、「目」はその樹木を見つめる人の目そのものを表しています。そして「心」は心臓を表し、目で見た対象物を心で感じ取る事を表しているんですね。
思う・想うの違いは?
「思う」と「想う」の違いは、物事や人を見てどう感じとっているかです。
「思う」の場合は、物事を見て脳内で考え分析しています。そこには感情も入りますが、感情そのものよりも考えた結果を表現したものとなります。
「想う」の場合は、物事や人を見た後にどのような感情を持っているかを表しています。思うと同じく頭で考えた結果ではありますが、より相手に入れ込んだ気持ちとなるんですね。
「思う」と「想う」の使い分けはどうする?
「思う」の使い方
「思う」は自分がどう考えたかを、落ち着いて伝える時に使うのにぴったりです。
- 猫が怖いという人もいるが、私は可愛いと思う。
- 高校生活の思い出といえば、修学旅行が楽しかったことかな。
- 手書きの文章でないと、気持ちが伝わらないと思う。
いずれも自分がどう考えたかを、「思う」という言葉で伝えているんですね。
「想う」の使い方
「想う」は、強く気持ちを伝える時にピッタリの表現です。
- 飼い猫への想いが強すぎた結果、構いすぎて嫌われてしまった。
- 高校生活の想い出は、やはり愛する妻と出会ったことですね。
- あなたへの想いをどうしても伝えたくて、この手紙を書きました。
「思う」で紹介した例文と比較すると、対象により強い感情を伝える表現となっています。自分が相手をどう感じているのかを、強く伝えたい時に「想い」を使いたいですね。
思う・想う以外にもある!その他の「おもう」の漢字は?
「おもう」という言葉は、思う・想う以外の別の漢字を使うことがあります。次に紹介しますので、特別な表現をしたい時にぜひ活用してくださいね。
憶う
「憶う」の”憶”は、記憶という漢字でよく見かける漢字ですね。こちらの「憶う」は、心に残って忘れない事柄に対して使います。
使い方は「想う」に近く、
- 亡くなった両親の事を憶う。
- あの時の恩師の言葉を憶うと、自分はどれほど愚かだったかに気づく。
…など、過去を振り返る時に使いますね。
懐う
「懐う」は「懐かしい」という言葉のように、過去の出来事を振り返る時に使います。先に紹介した「憶う」と似ていますが、より感傷的な気持ちが伴う時にぴったりなんです。
- ダムに沈んだ故郷のことを懐うと、悲しくなる。
- 初恋の人を懐うと、どこか切ない気持ちになる。
…のように使うと、より伝わりますよ。
念う
「念う」は、思うに近く、心の中で深く考えを巡らせる時に使います。
- なぜ自分が生まれ、生きているのかを念う。
- あの人と巡り会えた運命について念うが、答えが未だに見つからない。
思うよりも、より深く考える時に「念う」を使いたいですね。
気持ちで思い・想いを使い分けよう!
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何かを考えてそのことを伝えるときに、「おもう」という言葉は使われます。
「思う」は物事に対して、自分はどう考えているかを伝える時に使う言葉。そして「想う」は、物事や人に対する自分の気持ちを、強く伝える時に使います。
「想う」を使うときはより感情がこもっている時で、「思う」はより一般的な表現のときに使うと便利ですね。
同じ「おもう」でも使い方が変わるので、自分がどう感じているかによって使い分けたいですね!
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