各国の首脳陣が変わる時は、ニュースでも大きく取り上げられます。特にアメリカの大統領に関しては、様々な面で影響が大きいため世界的にも大きな注目が集まります。
しかし、アメリカの大統領選挙って1年近くも行なっているような印象がありますよね。日本とは仕組みが違うのでしょうが、一体どうやってアメリカの大統領を選ぶのか気になりませんか?
そこでアメリカ大統領の任期や大統領になる条件、そして大統領選挙の仕組みを簡単にまとめました!
アメリカ大統領の任期は?
任期は4年、最大10年
アメリカ大統領は権限がとても大きく、アメリカを背負って立つ象徴とも言える地位。
その任期は、4年、最大で2期(引き継ぎ任期含めて連続で10年未満)まで大統領になることが可能となっています。
2期・8年の任期を終えた後は、どれだけ国民の支持を受けても再任(3選)は不可能です。また期間をおくなどしても大統領に3選は出来ません。
ただし任期の合計が6年以下だった場合は、例外的に3度目の大統領となることが可能です。
これは任期途中で大統領が退任した場合、引き継いだ人物が残りの任期を務めるため。例えば1年6ヶ月で大統領が退任した場合、次の大統領は残りの2年6ヶ月の間大統領を務めます。
大統領になるには
アメリカ大統領となる資格を得るには、次の条件が必要となります。
□出生による「アメリカ合衆国市民資格(アメリカ国籍)」保持者
だれでもアメリカで生まれた時点で、アメリカ国籍が得られます。そのため母親がアメリカ以外の国籍を持っていても、生まれた時点でアメリカにいたなら国籍を取得できます。
また両親の一方がアメリカ国籍保持者であれば、どこで生まれても子供はアメリカ国籍を得られます。
□35才以上かつアメリカ在留期間が14年以上
アメリカで生まれて国籍を取得したとしても、14年以上アメリカに住んでいないと駄目という事です。
□連続して10年以上、大統領の職にいない者
この他法律には無いのですが、「共和党」「民主党」のどちらかに所属することも求められます。
アメリカはこの二大政党が議会の大多数を占め、それ以外の勢力はごくわずか。そのため事実上二大政党からの出馬が、大統領となる条件となってしまいます。
アメリカ大統領選挙の仕組み
予備選挙と党員集会
アメリカ大統領選挙を行う前に、次の手順を経て各党で大統領候補を決定します。
- 大統領になりたい人が、立候補を宣言する。
- 選挙が行われる年の1月より各州で党員集会または予備選挙を行い、立候補を絞っていく。
- 7月に各党の全国集会が行われ、ここで大統領候補を一人選ぶ。
- 党員集会は話し合いを行い、
- 予備選挙は投票を行い、
どの候補者を支持するのかを決定します。
特に、2月か3月初旬の火曜日に行われる「スーパー・チューズデー(Super Tuesday)」と呼ばれる、予備選挙・党員集会が集中する日は要注目。この日の結果で、候補者選びの行方がある程度決定します。
最終的には全ての州で最も支持を集めた候補者を各党で大統領候補として確定。そして7月の全国集会で「党を代表する大統領候補」として指名するのです。
そして本選へ
各政党で大統領候補を選んだ後は、いよいよ本選へと突入します。
- 11月上旬までの間、各党の大統領候補が選挙活動を行う。
- 11月の第1月曜日の翌日に、一般投票で「大統領選挙人団」を州ごとに決定する。
- 12月の第2水曜日の翌週月曜日に、大統領選挙人団が投票で大統領を選ぶ。
- 翌年1月に開票を行い、票を多く集めた方を大統領とする。
- 1月20日に、正式に大統領として就任する。
ここで一番重要なのが、11月の「大統領選挙人団」を選ぶ一般投票です。
この一般投票では、有権者が各大統領候補に投票を行います。州ごとに結果は集計され、投票の多かった候補者が決定されます。
するとその候補者を支持している「大統領選挙人団」が、州ごとに割り振られた人数分選び出されます。
大統領選挙人団は州ごとに人数が異なり、最大で55人・最小で3人が州ごとに割り振られています。
例えば、5人が割り振られてる州でA候補者の得票数が多ければ、5人がA候補を投票する事が確実に。3人が割り振られている州でB候補者の得票数が多ければ、3人がB候補に投票することとなります。
そのため11月の一般投票を終えた時点で、大統領は決定したも同然。後は12月の選挙人団が投票となりますが、ここで結果がくつがえることはまずありません。
大統領選選挙が面倒な方法を取るのは、アメリカ合衆国という国が、名前の通り「州」の集まりで出来た国だから。州の代表がアメリカ大統領を選ぶ、という形式なのでこの様な方法をとっているんですよ。
*「大統領選挙人団」という方式は、採用しているアメリカでも面倒な方法と思っているみたいですね。
【関連記事】
1年掛けてアメリカ大統領を決定する
アメリカ大統領選挙は長いイメージがありますが、大半は大統領候補を選ぶための期間。各政党の大統領候補が一本化された後も、投票までにやや時間がかかります。
しかも11月の一般投票でほぼ決定していても、正式に任命されるのは翌年1月。予備選挙・党員集会から約1年掛けて決まるため、とにかく長いイメージとなるんですよ。
しかしこれもアメリカならではと考えて、大統領選挙の行方に注目したいですね。
コメント
アメリカの大統領の選挙ですが、就任より4年を経た時点で中間選挙があるのでしょうか?4年の任期で終えるのはどういう条件下で可能なのでしょうか?
コメントありがとうございます!
2期目も代表を決める選挙は
基本的に同じように行われます。
1期4年で任期を終えるとしたら、2期目の選出時に次のケースが考えられますね。
・現職大統領本人が立候補しない
・与党が現職大統領とは別の候補を立てる
・大統領選挙の本戦で野党側が勝利する
やはり現職大統領が有利です。