関西の紅葉の名所と言われると、どうしても京都に偏りがちですが、他にも関西には紅葉の名所はたくさんあるんですね。
中でも、滋賀県の西明寺(さいみょうじ)の紅葉の美しさは、モミジの赤で境内が包まれるほど!しかも京都ほど知られていない穴場なので、ゆっくりと紅葉を楽しむことも可能なんです。
そんな西明寺の紅葉の魅力について、
- 湖東三山の西明寺とは?
- 西明寺の紅葉の2023年の見頃は?
- 見どころや楽しみ方
- アクセス情報
‥といった内容でお伝えしていきます。
湖東三山の西明寺とは?
湖東三山とは
湖東三山とは、滋賀県の湖東地方(琵琶湖東岸)にある、
- 西明寺(さいみょうじ)
- 金剛輪寺(こんごうりんじ)
- 百済寺(ひゃくさいじ)
の3つのお寺の総称を指します。
いずれもお寺の敷地がとても広く、紅葉の名所として近畿圏では知られています。
西明寺とは

湖東三山の一つ・西明寺(さいみょうじ)は、平安時代初期に開かれたという伝説が残っています。
修験道の伝説的な行者が西明寺がある山の池で祈ると、薬師如来像が現れたのがきっかけとのこと。こちらはあくまで伝説ですが、鎌倉時代にはほぼ現在のお寺になっていたと考えられています。
実は西明寺は、もしかしたら現存していなかった可能性があるお寺。というのもあの織田信長が、1571年比叡山延暦寺の焼き討ちを行った際に、一緒にこの寺も焼き払えと命令していたと言われています。
ただその時に僧侶が機転を利かせて本堂などは燃やさずに、別の所を燃やしてごまかす作戦にでました。その結果、山全体が燃えたと勘違いさせることに成功し、本堂などは現代まで現存しています。
もし本堂などが燃えて廃寺となってしまっていたら、美しい紅葉も見られなかったかもしれませんね。
西明寺の紅葉の見頃は?
見頃は11月中頃
西明寺の紅葉は、10月下旬頃から色づき始めます。
紅葉のピークは11月中旬頃となり、12月上旬まで長く楽しめます。
2023年(令和5年)については、夏の猛暑の影響もあり、長期予報で気温は例年並み、もしくはやや高いとでています。紅葉が例年よりも少し遅くなる可能性もありますが、概ね例年どおりに紅葉を迎えるのではないでしょうか。
紅葉の時期が近くなってきたら天候状況や紅葉情報などをチェックして見逃さないようにしたいですね。西明寺は境内も広く、一度で全てを楽しむのは大変です。何度か時期を分けて紅葉を見に行くのも素敵ですよ。
西明寺の紅葉、見どころや楽しみ方
紅葉と国宝
西明寺の境内には、1000本以上ものモミジの木が植えられています。そのもみじの木が一斉に色づくと、まるで境内が燃えているかのような錯覚を覚えます。

さらに本堂(瑠璃殿)や三重塔は、国宝に指定されているとても貴重な建造物。焼失の可能性もあった本堂や、三重塔との取り合わせは国宝級の美しさです。
ちなみに本堂や三重塔の中にある仏像や絵画も、重要文化財に指定されているものばかり。外を見れば庭園も、「名勝」として指定されているんです。
紅葉も美しければ、庭も美しく…どこを見ても目を楽しませるものばかりなんですよ!
■滋賀 湖東三山 西明寺の紅葉
https://youtu.be/gfIoTct91xU
*敷地が広いのでゆっくりと紅葉が楽しめますね。
紅葉と桜
西明寺の紅葉を楽しむ上で覚えておきたいのが、不断桜(ふだんざくら)の存在です。紅葉と共に小振りな白い花が咲き、見る人を驚かせています。
不断桜とはその名の通り桜の一種で、秋から冬にかけて咲くめずらしい品種です。
西明寺にある不断桜は、元々は樹齢250年以上とも言われています。かなり衰弱してしまったため、いくつかの枝を取って新たに育成して後継樹を作りだしました。そうした努力のおかげで、現在は10本程度が花を咲かせる状態になっています。
不断桜の満開は11月頃。紅葉と桜という通常ではありえない組み合わせも、西明寺ならありえるんですね。
11月満開になる桜🌸#西明寺#不断桜 pic.twitter.com/0MqqZMloA4
— みのり (@s_smkq) November 26, 2019
西明寺へのアクセス
基本情報
西明寺の基本情報はこちらとなります。
- 住所…滋賀県犬上郡甲良町大字池寺26
- 拝観時間…8:00~17:00
- 入山料(拝観料)…高校生以上800円・中学生500円・小学生300円
- 三重塔内特別拝観料…1,000円
- 駐車場…有り(無料・乗用車300台/大型車20台)
- HP…西明寺
車でのアクセス
関東・関西方面どちらから行く場合も、まずは名神高速道路に乗りましょう。
関西方面から・・
八日市ICから国道307号線を経由し、10分ほどで到着します。
関東・東海方面から・・
彦根ICから国道307号線を経由し、20分ほどで到着します。
なおETC搭載車のみに限定されますが、名神高速の湖東三山スマートICを降り、信号を右折して国道307号線直進3分でも到着します。
公共交通機関でのアクセス
JRなどを利用する場合、まずは東海道新幹線などで米原駅を目指しましょう。米原駅からはタクシーを利用すれば、30分ほどで到着します。
また彦根駅で下車してタクシーを利用すると20分ほどで到着します。彦根駅からは例年11月下旬の期間限定で、有料シャトルバス(300円)も運行されています。
他にも、JR河瀬駅、近江鉄道・尼子駅から予約制の乗り合いタクシーを利用する方法もあります。1時間に1本程度の定期運行はされていますが、事前予約が必要。利用したい時間の1時間前までに、電話連絡をしておきましょう。
- 乗車場所 …JR東海道本線・河瀬駅東口、近江鉄道・尼子駅
- 運 賃 …河瀬駅東口から900円・尼子駅から450円
- 予約電話番号…0749-22-0106(近江タクシー彦根営業所)
*1時間前まで可。電話口で「愛のりお願いします」と伝えればスムーズです。
- HP…甲良町愛のりタクシー
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国宝級の紅葉を!

西明寺の紅葉は、様々な歴史の積み重ねの上に成り立っています。もし、織田信長の焼き討ちが命令通りに実行されてしまっていたら…。
そう考えると本堂も紅葉も不断桜も、現在まで残っている事そのものが奇跡なのかもしれません。そんな西明寺の国宝級の紅葉、ぜひ自分の目でじっくりと鑑賞してくださいね。
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