最近は「横文字」流行り。日本語で普通に言えばいいところを、やたらと横文字を連発する人もいますよね。
中には、日本語で説明しにくい言葉があるのも事実ですが、横文字で言うことで「業界用語」「専門的な響き」が出ることも事実です。
「エビデンス」も、そんな言葉のひとつ。
辞書を引けば、意味は分かるかも知れませんが、使われるシチュエーションによって意味合いが異なることがあるので、注意が必要です。
そんな「エビデンス」の意味、そしてIT・医療・銀行など…それぞれの業界ごとの使われ方について紹介していきます。
エビデンスとは何?
「エビデンス」を辞書で引いてみると、次のように書かれています。
普段の生活で「エビデンスを示せ」などと言われたら、ぎょっとするかも知れませんね。
逆に言えば、エビデンスは、「根拠」「証拠」を示す必要のある場面で使われることの多い言葉と言えます。
そのような場面では、むしろ「証拠は?」と問われるよりも「エビデンスを示してください」と言われる方が、角が立たないようにも思われますね。
日本で使われる横文字には「和製英語」も多く、海外では通用しないものも多いですが、「エビデンス」は、海外でも通用するれっきとした「英語」です。
ただ、使われる場面や業界によって、多少ニュアンスが異なります。
エビデンスの意味・使われ方
昨今の傾向として、メールでやたらと「CC」を入れる人が多い気がします。
もちろん、求められてそうする場合もあるでしょうが、「言いましたよね?」「お知らせしましたよね?」という「証拠」の意味合いもあるのではないでしょうか?
以前なら「口頭ではなく文書で」と言われていたところが、最近では「メールで」となって来たのかなと感じます。
メールだと、一応「証拠」が残りますからね。これも、仕事における「エビデンス」の重要性を示す一例です。
IT業界での使われ方
IT業界では、エビデンスと言う表現は、日常的に用いられています。
「相手の発言内容を含むログ(記録)を残す」と言う意味では、メール・議事録などがありますし、最終的には契約書などもそうですね。また、コールセンターなどは「録音」することで、発言内容を記録するケースも増えています。
それほどまでに、IT業界では「言った・言わない」の揉め事が多いとも言えます。
このような事例は、他の業種でも同様ですが、IT業界特有のエビデンスとしてシステムが発注通りに動作していることを示す証拠があります。画面のハードコピー、システムで生成されたデータファイルなどがこれにあたりますね。
医療分野での使われ方
医療用語としてのエビデンスは
- 臨床結果、検証結果などの科学的根拠
- この治療法や薬が「良い」といえる証拠
- その選択をする根拠
のことを指します。
この場合のエビデンスは、「データによって客観的に証明された」ものである必要があるのは当然のことです。
最近では、「インフォームドコンセント」が重視され、検査結果や治療方針について非常に丁寧な説明がなされるようになりました。
お医者さんまかせではなく、患者自身も、ご自分の治療について医学的な「根拠」に基づいて、選択・決定しなければならないのです。わからない部分については、積極的に質問し、納得した上で治療を受けることが重要になって来ているんですね。
医療分野におけるエビデンスと、それに基づく判断の仕方について説明する動画があります。
◆エビデンス
銀行におけるエビデンス
「銀行で融資相談をしたらエビデンスを作って下さいと言われました。
エビデンスとはどんな意味ですか?」
Yahoo知恵袋より引用
エビデンスが「証拠」だと言う意味を知っていても、「いったい何を?」と思ってしまいますよね。
この場合のエビデンスとは、次のものを指します。
- 運転免許証のコピー
- 健康保険証のコピー
- 源泉徴収票のコピー
- 銀行預金通帳のコピー
- 勤務先会社概要
- 住民票
- 住民税決定通知書
など。
融資などの場合「エビデンス」とは、
「公的な証明書類」のことなんですね。
また、外国送金の場合には、マネーロンダリングを避けるため、「送金に値する事由」の書類、具体的には、送金目的を記した書類、資金の出どころ、送金額の根拠などを示すエビデンスを要求されることがあります。
その他一般的に用いられる場合
外来語が業界用語になり、次第に一般的に使われるようになることは多いですが、
エビデンスも「発言の証拠」「提案の根拠」などの意味で使われることがあります。
また経理処理の分野では、請求書や領収書を指すこともあります。
例:資料にはエビデンスを明記すること
精算書類には、エビデンスの添付が必須
エビデンスで思い出すこと
もうかなり前のことになりますが、基幹系システムの導入に携わったことがあります。
そのとき、聞いた言葉で今でも忘れられないのが、「システム導入でもめるのは、言った・言わないの水掛け論がほとんど」と言う言葉でした。
専門家との意思疎通はなかなか難しく自分では言ったつもりでも、相手に伝わっていないと言うのは良くあることだと思います。
もちろん素人だからと甘えず、勉強することは大切なのですが、専門家の方も「誰にでもわかりやすい説明」を心掛ける必要があるのではないかと今ではそう思います。
もっとも、最近では、どんな分野でも「丁寧な説明」が非常に重視されます。そして、それはとてもいいことだと感じています。
そのときには、エビデンスがきっちりと示されていることが大切ですね。
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