少し前よりテレビCMで耳にするようになった「コミット」という言葉。
意味は良くわからないけれど、なんだか説得力のある言葉だと思いませんか?
実はコミットというのはビジネスシーンでは以前より使われていて、ビジネスマンにとってはお馴染みの言葉。
しかしはじめて聞いた方や、今更どんな意味?とは聞きづらいという社会人の方もいるのではないでしょうか。
そこで「コミット」という言葉の意味と、場面別での使い方を紹介します!
コミットとは。コミットの意味とは。
責任を伴う言葉
コミットは英語の動詞で、綴りは「commit」となります。
その意味は…
・引き渡す
・委ねる
・(責任などを)引き受ける
・約束する
・取り組む
…となります。
責任や保証を持って、物事を相手に渡したり約束する際に使うのが適切です。
「コミットする」とは
この「コミット(commit)」は動詞ですが、「コミットする」というのは文法的に不思議な感じがしませんか?
実はビジネスシーンなどで使われているコミットは、名詞形のコミットメント(commitment )を省略したもの。
この場合のコミットは、次のような意味となります。
・約束
・保証
・公約
・委託
・委任
同じような言葉に「プロミス(promise)」がありますが、より重要な場面で使うのがコミットメント。間違っても軽い口約束で「コミット」は、使うべきではありません。
ちなみにこの「コミットメント」ですが、コミット以上に私達には馴染み深い言葉かも知れません。
例えば野球好きの方なら聞いたことがある、「コミッショナー」という言葉。日本のプロ野球(NPB)の最高責任者が、コミッショナーという役職についています。
このコミッショナーを英語で書くと「commissioner」で、コミットメントから発展した名詞。任命によって決定された理事といった意味があり、野球のコミッショナーも任命によって就任します。
最高責任者という事は、NPBにおける事柄の全責任を背負うという事。重大な地位と働きが必要だからこそ、コミットの関連用語のコミッショナーが使われているんですね。
「コミットする」の使い方
コミットする=約束を守る、保証する
まずは「コミットする」の使い方や意味を紹介します。
この場合は「約束する・保証する」という意味合いで、「コミットする」は使われます。
有名なフレーズとなった「結果にコミットする」は、「結果に対して(必ず)保証します」といった具合。
この約束や保証は日本語より重く、守られない場合は重大な違反となる意味合いとして使われるもの。そのため軽い約束事などには使わず、重要な場面で使う事が望ましいです。
コミットとコミットメントの具体例
コミット・コミットメントの使い方を、具体例をあげて紹介します。
コミットかコミットメントのどちらを使うのかは、語感の良い方、あるいは言いやすい方を選んで活用しましょう。
・取引に際し、コミットさせていただく(約束を守る)
・新規プロジェクトへのコミットを期待する。(取り組みおよびプランの実現を期待する)
・今年どの当社のコミットメントは、福利厚生の充実のためのインフラ整備とします。(取り組み)
・その行為は、当初のコミットに反してはいないか?(約束・取り決め)
・今の上司に対してコミットは可能ですか?(委ねる・従う)
約束・保証・取り組みといった事を強調したい時や、会議や商談で注目を集めたい時。ここぞ!という時に使い、あまり乱発しないほうが強く印象に残りますよ。
その他のコミット
コミットは他の言葉と組み合わせて使われたり、特定分野では違う意味を持つことがあります。
その中でも、よく使われるものを紹介します。
○コミットメントライン
金融関係で使われる言葉で、融資期間・期限や融資金額に関する契約に使われます。
○トップ・コミットメント
企業のトップやプロジェクトリーダーなどが、意見や今後の方針などを示す言葉。社長の発言として大きく取り上げられることも多く、会社にとって重要な意味を持ちます。
○フルコミット
コミットより更に重大で重要な意味となり、社運をかけるようなプロジェクトなどで使うのが適切です。絶対的な実行と保証、そして強い決意を表したい時に使いましょう。
コミットはここぞという場面で
コミットを日本語にすれば、約束や公約といった意外と簡単な言葉になってしまいます。
しかし英語のニュアンスでは、もっと重要な取り組みに対して使われる言葉。翻訳する際により近い言葉がなかったために、そのまま日本語として使い出したのかも知れません。
CMでよく耳にするようになったため、格好いい言葉として使いたくなる方もいるでしょう。
コミットは、本来は責任の伴う場面で使う言葉。ここぞという時にビシッと使いましょう!
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