世界にはその地域ごとにユニークな果物がたくさん存在しますが、その中で「ブラックサポテ」、別名「チョコレートプリンフルーツ」という、その名前のとおりチョコレートプリンの味と食感がする果物があるのを知っていましたか?
今回は、その味だけでなく栄養面も魅力的な「ブラックサポテ」についての紹介です。日本では目にすることも稀な果物ですので、「どこで手に入るの?」という疑問にもお答えします。
ブラックサポテとは?
日本ではめったに市場に出回ることがないので、見たことも聞いたこともないという人が多いのではないでしょうか。まずは、ブラックサポテの原産地や見た目、味についてお伝えします。
ブラックサポテ(Black Sapote)はメキシコ、中央アメリカ、コロンビアなど南米を原産とするカキノキ科カキノキ属の常緑樹です。
熟す前の果実の見た目は青柿、もしくは緑色のトマトのようで、熟すにつれて果皮の色はオリーブ色になり、押してへこむくらいの柔らかさになった時が食べごろです。
果肉は未熟なうちは白色で、成熟すると濃い茶色、中には柿の種によく似た種が入っています。
気になる味はというと、熟す前は渋味・苦味が強いのですが、熟した後はチョコレートのような風味、食感はパパイヤのように滑らかです。その見た目の色も相まって、チョコレートプリンフルーツ(Chocolate Pudding Fruit)やチョコレート柿(Chocolate Persimmon)とも呼ばれます。
食べ方はそのまま食べる他、アイスクリームやヨーグルトにトッピングしたり、スムージーに混ぜたり、またはケーキにしたり、チョコレートの代わりに色々なレシピに使えます。
他にもいろいろある「○○サポテ」
「サポテ」は現地では「やわらかく甘い果物」全般を指す言葉のため、南米の市場に行けば見た目も味も異なるさまざまなサポテが並んでいます。例えばブラックサポテと似た名前で「ホワイトサポテ」というのがありますが、こちらはミカン科で全く別の果物です。
ブラックサポテの栄養は?
レモン色やオレンジ色などの明るく鮮やかな色を「ビタミンカラー」とも呼ぶので、ブラックサポテの見た目や味からは想像がつかないかもしれませんが、実はオレンジの4倍ものビタミンCが含まれています。
ビタミンCの働きは次のとおりです。
・コラーゲンの生成
・抗ストレス作用
・発がん物質の合成の抑制
・小腸での鉄分の吸収
・強い抗酸化力により生活習慣病を予防
オレンジ1個当たりのビタミンC含有量は約70mg、ビタミンCの1日の推奨量は100mgなので、ブラックサポテなら半分も食べれば摂取量をクリアできます。
ブラックサポテはどこで買える?
さて、味も珍しく栄養も良い、ダイエットの味方にもなりそうなブラックサポテですが、残念ながら日本では購入が難しい果物です。食べることができたらそれはとても貴重な体験と言えるでしょう。
どこで手に入る?
温暖な南米原産のブラックサポテは、日本で栽培できる地域は少なく、沖縄・鹿児島、そして和歌山のごく一部の農家でしか栽培されていません。
栽培農家が少ないうえに日持ちもせず、収穫して3日ほどで傷んでしまうため、一般に流通しないのです。
通販されているのも見かけないため、南国地方を訪れた際に探してみるのもありですが、珍しい果物のなかでも特に入手難易度は高めです。
ちなみに、日本での収穫時期は柿と同じく9~11月頃になります。
自家栽培できる?
種や苗なら稀にネットオークションやフリマアプリなどで販売されていますので、気候が合えば(もしくは温室があれば)個人でも栽培できなくはありません。
種から発芽させるのは簡単で、「桃栗三年柿八年」と言いますが、ブラックサポテは3~4年で収穫できるようになります。
しかし、基本的に雌雄異株のため雌株と雄株の両方が必要になり、開花するまで雌雄の判別はつかないうえに育て方の情報も少ないため、初心者には栽培は難しいでしょう。
また、樹木ですので成長すれば樹高20m以上にもなります。長期的に育てる場合はそれなりの広さの土地も必要です。
旅先で味わいたい希少フルーツ・ブラックサポテ
ブラックサポテは日本ではレアな高級フルーツですが、メキシコなどの市場ではお手頃価格で並んでいますので、現地に行った際にはぜひ探してみてください。
アイスクリームショップではブラックサポテ味のアイスも楽しめますし、他のいろいろなサポテを試してお気に入りのサポテを見つけるのも良いですね。現地でしか食べられない旅の醍醐味を味わえることでしょう。
コメントを残す