ビジネス用語はカタカナが多く、意味がわかるようでわかりづらいものもあります。また業界によって微妙に意味が変わるものもあり、トラブルの原因になりかねません。
そんなビジネス用語の一つに、「テレコ」があります。テレコとはどんな時に使う言葉なのか、由来や類語も気になりますよね?
そこで、テレコの意味・由来、そして使い方の例文や類語について紹介していきます。


テレコの意味とは?

入れ違いやあべこべになってる
テレコは放送業界やアパレル業界などで使われる言葉で、次の意味があります。
・入れ違いやあべこべになっている状態
・食い違いがあり、意見がことなっている状態
・互い違い
この他には「テープレコーダー」の略語として、テレコという場合があります。今回紹介するのは「あべこべ」の意味のテレコですが、会話の前後を聞いて確認すると安心ですね。


テレコの由来
実は関西弁
テレコは外国語ではなく、関西弁が元になった言葉です。そのため関西圏の方は、日常でもテレコを使うことが良くあるんですよ。
ビジネス用語は横文字が多いイメージがありますが、関西弁が元になっているのは面白いですね。

2つの脚本を1つにまとめて
テレコの語源に関しては諸説ありますが、その一つである歌舞伎用語の「2つの話を1つの脚本にまとめ、1幕ごとに交互に展開する」演目を指す言葉からきているというのが有力です。2つの話を脚本によって関連付け、最後には1つの話としてオチがつくようにしていました。
違う2つのものが交互に挟まる状態から、テレコには「入れ違い・食い違い」という意味となったんですね。
手を加えるから「テレコ」
また、テレコという言葉の語源は「手を加える」からきたという説もあります。
手を加えるという意味がある「手入れ」の語尾に「こ」がつき、「ていれこ」に。そして「い」が省略されて「テレコ」となったというわけです。
また他にも「人の手を入れて交互にする」を略して、「テレコ」になったと言う説もあるんですよ。
テレコの使い方。例文も紹介

書類や資料の入れ違い
ビジネスシーンでのテレコは、書類や資料・数字の入れ違いが見つかった時に使われます。
・冊子の15ページと17ページがテレコになっている。
・配布した資料ですが、BとCがテレコになっておりますので、入れ替えていただけますでしょうか。
・入力金額がテレコになってるぞ。
ポイントは、2つの資料や数字を入れ替えれば正しくなる点です。入れ替える対象がない場合は、テレコとは言わないので注意してくださいね。
荷物が入れ違い
配送や物流の仕事では、荷物の発送違いが発生しているときにテレコが使われます。
例えばA社に送ったはずの荷物が、B社に届いてしまった時は、
・配送がテレコになっている。
…と表現します。
また、A社に納品するはずが、B社に送ってしまった時は、
・納品がテレコになっているので確認してください。
…と、発送を担当した人に言うこともあります。
ファッションのテレコ
アパレル業界では、箱と中身の入れ間違いを「テレコ」ということがあります。
・袋と服がブランド違いでテレコになってる。
コーディネートがおかしいときも、テレコと表現することがあるんですよ。
・靴下が左右でテレコになってるし、靴との取り合わせもテレコで恥ずかしい。
この他には一定のパターンでデコボコしている生地を、テレコ生地と呼びます。
人のテレコ
放送業界では、出演者の順番が入れ違いになることを「テレコ」と表現します。
・先輩芸人の到着が遅れてるから、テレコで舞台に出てくれ。
・大御所芸能人とテレコで到着してしまい、挨拶できなかった。
ビジネスシーンでも相手と入れ違いになったときに、テレコは使えますね。
テレコの類語は?

入れ違い・逆・あべこべ
テレコは幅広い意味がある言葉ですが、伝わりにくい場面もあります。よりわかりやすく表現するなら、入れ違い・逆・あべこべを使いましょう。
・冊子の15ページと17ページが入れ違いになっている。
・相手方と入れ違いになり、会うことができなかった。
・靴下が左右逆になっている。
・コーディネートがあべこべだ。
特に関東の方とお仕事をするときは、テレコという表現は馴染みが無いことが多いので、「入れ違い」のほうが分かりやすいですよ。

2つのものが入れ替わってる
テレコは2つの物や人が入れ違い・食い違った状態を表す、関西弁が元になった言葉です。歌舞伎の脚本でも使われる言葉で、芸能・物流・アパレル業界などで広く使われているんですよ。
資料のページが入れ違っていたり、荷物の配送先が入れ替わってしまった時にテレコは使われます。ビジネス用語は横文字が多いですが、テレコは関西弁が元になっている点は面白いですね。
地域によっては使う機会が少ないテレコですが、意味を理解して、トラブルを防ぐようにしましょう。
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