役に立つ事を簡単に伝えられる言葉として、ことわざ・慣用句・故事成語・四字熟語は使われます。困った時や失敗したときの戒めとなる言葉もありますし、社訓や座右の銘に採用される言葉もありますよね。
身近な言葉が多いこれらの言葉は、どこに違いはがあるのでしょうか?それぞれの由来や違いがわかると、言葉も選びやすくなりますよ!
そこで、ことわざ、慣用句、故事成語、四字熟語、それぞれの意味や違いについて紹介しますので、ぜひ覚えてくださいね!
ことわざとは?
昔からの教訓や知恵を短い言葉で表現
ことわざは昔から伝わる知識を次の世代に伝えるために、一つの文章でまとめたもの。日本だけのイメージがありますが、海外にも沢山のことわざがあるんですよ。
ことわざが伝えているのは、昔の人が失敗や成功から学んだ人生の経験です。技術が発達した現在でも通じる言葉が多く、文章も短いので覚えやすく理解しやすいんですね。
1つ例を出すと「初心忘るべからず」は、物事を習い始めたときの気持ちを忘れてはいけない、という意味のことわざ。習い始めは緊張感を持って学びますが、慣れてくるとつい油断してしまう事を注意しているんですね。
このように読んですぐ理解できるのが、「ことわざ」の良い点なんです。
【参考】ことわざに関する記事
慣用句とは?
知恵や知識を2つ以上の言葉で表現
慣用句は昔から伝わる習慣や知識を、2つ以上の単語で表現したものです。2つの言葉を組み合わせることで、新しい意味を生み出しているんです。
慣用句では身近な物事と、体の一部分を組み合わせた表現が多く見られます。
例えば…
・首を長くする(物事の到着やはじまりを、楽しみにしながら待つ)
・目を皿にする(大きく目を見開いて、注意深く観察する)
体以外の表現もあり、日常的に使う言葉も多いですね。
・猫の手も借りたい(とても忙しいので、猫でもいいから助けてほしい)
・兜を脱ぐ(敵に降参する時に兜を取ることから、相手の能力にはかなわないと認めること)
慣用句は、日常で知らずに使っていることも多いので、意識してみると気づきになることも多く面白いですよ。
【参考】慣用句に関する記事
慣用句とことわざとの違いは?
ことわさも慣用句も、短い言葉で昔からの知恵を伝えています。
その違いは、
・ことわざは、一つの文章である
・慣用句は、文章の中の一文である
という点が挙げられます。
ただ、実際は違いが曖昧でわかりにくく、同じものとして扱われることもありますね。
故事成語とは?
昔からの言い伝えや教訓から生まれた
故事成語(こじせいご)とは、昔からの言い伝えや教訓を基にして生まれた言葉です。「故事」とは古くから伝わる出来事や言い伝えのことで、「成語」はことわざや慣用句を指す言葉です。
そのため故事成語は、慣用句の一種でもあるんですよ。
故事成語は、多くが中国の逸話や詩がもとになっています。そのため中国の歴史を知っていると、より理解しやすくなりますね。
例えば「臥薪嘗胆(がしんしょうたん)」は、目的のために苦労を耐えるという故事成語です。中国の「呉」という国の王子が、薪の上で寝たり熊の肝を舐めて復讐を忘れないようにしたのが由来です。
【参考】臥薪嘗胆の意味と由来とは?言葉の使い方や類義語も紹介!
この他にも、
・五十歩百歩(大した違いがないこと)
・泣いて馬謖を切る(例えどんなに優れたものでも。規律を破ったのであれば厳しく罰する)
…など、中国の逸話が由来となった故事成語は多くあります。
四字熟語とは?
ことわざや慣用句を漢字4つでまとめたもの
四字熟語とは、ことわざや慣用句を漢字4つで表現した言葉です。「熟語」とは漢字2文字以上で書かれ、一つの単語として使われる漢字のこと。
ただし4つ漢字があれば良いというわけではなく、例えば「焼肉定食」は漢字4つが並んでいますが、言い伝えや教訓はありませんよね?そのため熟語ではあっても、四字熟語とはなりません。
四字熟語は故事成語やことわざ、慣用句と共通するものがあります。
・一期一会(一度きりの機会であること)
・不撓不屈(苦労や困難にくじけないこと)
・七転八起(七転び八起きという慣用句を四字熟語にしたもの)
【参考】四字熟語関係の記事
ことわざ・慣用句・故事成語・四字熟語の違い、まとめ
最後に、ことわざ・慣用句・故事成語・四字熟語の違いを簡単に紹介します。
▼ことわざ
・昔からの教訓や知恵を一文で表現した言葉。
▼慣用句
・昔からの教訓や知恵を2つ以上の言葉を組み合わせた言葉。
・ことわざの違いは、文章ではなく1つの言葉となっている点。
▼故事成語
・古くからの言い伝えや教訓を、短い言葉でまとめたもの。
・古代中国の言い伝えや出来事から生まれたものが多い。
▼四字熟語
・漢字4文字で、ことわさ・慣用句・故事成語を表現したもの。
・漢字を4つ並べただけでは四字熟語にならない。
・故事成語やことわざ、慣用句と共通するものも多くある。
人生で困った時に先人の知恵を借りよう
人生で困った時は、昔の人が残した言葉を探すとヒントとなることがあります。現在まで伝わっているということは、それだけ多くの人が大切だ…と感じたからなんです。
「ことわざ」は短い文章で分かりやすく知恵を伝え、「慣用句」は二つの言葉を組み合わせて教訓などを伝えています。「故事成語」は中国などの言い伝えをもとに作られ、「四字熟語」はことわざなどを漢字4文字でまとめています。
いずれもあなたにあった人生に役に立つ言葉は沢山あります。人生の岐路にたった時は、先人の知恵を借りてみませんか?
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