よくくしゃみをすると、「誰かに噂されてるよ」と人に言われませんか?
くしゃみ自体は鼻に異物やウイルスが侵入することで出る、体の防衛本能の一つ。現実的に考えたら噂されてくしゃみは出ませんが、それでも本当かもと気になりませんか?
くしゃみの回数で噂の内容が違うとも言いますし、良い噂ならいくらでもくしゃみしたいですね。
「噂されるとくしゃみがでる」の由来と、噂の内容によって出る回数の違いをまとめました。
くしゃみ=噂されてる、と言われる由来について
古代中国で
「くしゃみが出ると誰かに噂されてる」という由来はいつ頃から広まったものなのでしょうか。
その起源をたどると、中国が発祥ではないかと推測されます。中国最古の詩集である「詩経」に、次のような詩が残されています。
(俗に言う、人がくしゃみをしたら「噂してるよ」というのは、昔の風習の名残なんだよ)
詩経がまとめられたのは「周(または西周)」の時代、紀元前700年ごろと言われています。日本で言えば、縄文時代の末期とされる頃。その時点で「昔の人がそう言っていた」のですから、相当古い時代からこの風習はあったんですね。
くしゃみ=魂が出る?
中国発祥の「くしゃみは人が噂してるから」が、いつ日本に伝わったのかははっきりしません。
ただ日本では「くしゃみをすると鼻から魂が抜けるため、寿命が縮まる」と考えられてきました。それを防ぐために、「くさめ」という呪文を唱える風習がありました。
この「くさめ」がくしゃみの語源なのですが、その由来は、
・陰陽道の「休息万命(くそくまんみょう)」を、早口で言ったもの。
・くしゃみの音を擬音化したもの。
・「糞食らえ」という罵り言葉の古語、「糞食め(くそはめ)」が変化したもの。
…など、様々です。
吉田兼好の「徒然草」にくしゃみとくさめの記述があるので、鎌倉時代には一般的だったようですね。
くしゃみをすると一声もらえる?
くしゃみをすると周囲の方が一声かける風習は、海外にもあります。
実はイギリス・アメリカなどの英語圏でも、くしゃみをすると鼻から魂がぬけるという迷信が。魂が抜けた後の体には悪魔が入るので、周りの人が神様にお願いして防ぐというもの。
なので現在でもくしゃみをすると、周囲から「God Bless you(神の息吹を!)」と声をかけられます。
英語圏以外では、くしゃみをすると「健康を!」と声をかけられる事があります。
ドイツ語圏でしたらGesundheit(ガズントハイト)、イタリアでしたらSalute(サルーテ)。スペインならSalud(サルー)、フランス語ならSante(サンテ)といった具合です。
くしゃみの回数による、噂の意味や内容
1回目は
くしゃみの回数による噂については、日本ではいくつ違うバージョンがあります。
くしゃみの1回目は、日本の場合、
・一そしり
・一に褒められ
…の二パターン。
「そしり」とは、批判されること。「誰かがちょっと悪く言ってるよ」といった感じでしょうか。
「褒められ」は、そのまま褒められてるという事ですね。
世界的に見た場合、1回目のくしゃみは先ほど挙げた「健康を!」といったものがほとんど。ただフランスでは、「願いがかないますように!」と声かけすることもあるんですよ。
2回目はちょっとひどい
日本の場合、2回目になると良い内容ではありません。
・二笑い
・二に憎まれ
・二に振られ
笑いものにされるわ、他人から恨まれるわ、好きな人に振られるわと散々ですね。
でも大丈夫。海外に目を向けると良い意味もあります。
例えばスペインでは、「健康とお金を!」と言ってもらえます。フランスですと「恋愛がうまくいくといいね!」と、とてもフランスらしいことを言ってもらえます。またタイでは、2回目のくしゃみは「誰かがあなたに会いたがってるサイン」とも。
自分にとって良い意味を選び、悪い意味は気にしないようにしましょう。
3回目と4回目では
3回目は、日本ではどの場合でも「惚れられてる」となります。
誰かが強く想っているから、くしゃみがたくさん出るという解釈ですね。
それなら4回目はと期待してしまいますが、残念ながら「風邪」と断言されています。
確かに何回もくしゃみが出たら、普通に風邪を引いてる判断しますよね。
まとめると
日本のくしゃみの噂をまとめると、次のようになります。
・一に褒められ、二に憎まれ、三に惚れられ、四に風邪。
・一に褒められ、二に振られ、三に惚れられ、四に風邪。
日本式を採用するなら、くしゃみは1回か3回が良さそうです。
ですが「噂される」のは迷信ですし、何度もくしゃみをしていたらそれこそ変な噂を立てられるかも。
噂されてるよと茶化されているうちに、休養を取ってくしゃみを治してしまいましょう。
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