供がいる家庭にとって、自然とふれあいながら遊べる公園はとてもありがたい場所。近所の小さな公園も楽しいですが、時には遠出して大きな公園でのびのびと遊すのも楽しいですね。

ところで公園のなかには、「国民公園」「国営公園」といった、“国”がつく公園が存在します。また広大な「国立公園」や「国定公園」というものもありますが、それぞれどんな場所なのでしょう?

そんな、国立公園・国定公園・国営公園・国民公園、それぞれの特徴や違いについて紹介します。

国立公園とは?

自然の風景地を保護し、利用の促進を図る

国立公園

国立公園は「自然公園法」という法律に基づいて、国が指定・管理する自然公園のことを言います。

管理の担当は環境省で、国立公園を指定するのは環境大臣。現在、日本の国立公園は34ヶ所あります(2019年4月現在)。

国立公園の目的は「日本を代表する自然の風景地を保護し、利用の促進を図る」というもの。そのため場所によっては立ち入りが制限されたり、勝手に樹木を伐採してはいけません。

ただし国立公園は、すべて国が所有する土地というわけではありません。そのため国立公園内に土地をもち、許可を得た上で林業・農業を行い生活する人もいます。

参考リンク:日本の国立公園の一覧 -環境省-

□富士山【日の出から夕陽】/朝霧高原空撮/西湖/伊豆/芦ノ湖

*富士山も、富士箱根伊豆国立公園に含まれているんですよ。

国定公園とは?

国立公園に準じる景勝地

国定公園

国定公園は自然公園法に基づいて、国が指定・管理する自然公園のことを言います。指定するのは環境大臣ですが、管理を行うのは各都道府県。現在56ヶ所が国定公園として指定されています(2019年4月現在)。

国定公園の指定基準は、「国立公園に準じる景勝地」であること。そのため後に国立公園になった場所や、既にあった国立公園に編入したところもあります。

参考リンク:日本の国定公園の一覧 -自然公園財団-

□高尾山 登山コース1号路

*観光地として人気の高尾山は、「明治の森高尾国定公園」として指定されています。

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国営公園とは?

都市型の公園

国営公園

国営公園は、都市公園法で定めた基準を満たした公園や緑地のことです。管理は国土交通省。現在17ヶ所が国営公園として指定されています(2019年4月現在)。

都市公園法(第2条第1項第2号)では、次のいずれかの条件を満たしたものを国営公園として指定しています。

    • イ. 一つの都府県の区域を超えるような広域の見地から設置する都市計画施設である公園又は緑地。(ロに該当するものを除く)

(イ号国営公園)

    • ロ. 国家的な記念事業として、又は我が国固有の優れた文化的資産の保存及び活用を図るため閣議の決定を経て認定する都市計画施設である公園又は緑地。

(ロ号国営公園)

イ号国営公園は、「災害時救助活動の拠点」という設置基準もあります。例えば、東京・有明の「東京臨海広域防災公園」がその代表で、災害拠点としての施設も充実しているんです。

ロ号国営公園は記念となる場所や、遺跡が場所ごと指定される特徴があります。例えば、佐賀県の「吉野ヶ里歴史公園」は、弥生時代後期の吉野ヶ里遺跡を含んだ公園なんですね。

参考リンク:日本の国営公園の一覧 -国土交通省-

□国営昭和記念公園 動画

*遊具がたくさん会って子供から大人まで楽しめる、昭和記念公園も国営公園の一つです。

国民公園とは?

全国に3ヶ所ある

国民公園

国民公園環境省が管理する公園の一つで、都市型公園・自然公園以外のものを指します。

国民公園として指定されているのは、次の3ヶ所となります。

  • 皇居外苑(北の丸公園も含む)
  • 新宿御苑
  • 京都御苑

いずれも戦前まで皇室が所有していた土地で、戦後に国の管理となった特徴があります。

また「千鳥ヶ淵戦没者墓苑」も「国民公園」の扱いとなりますが、正しくは「墓地公園」です。そのため4ヶ所とする場合は、「国民公園等」という表現となります。

参考リンク:日本の国民公園の一覧 -環境省-

□京都御苑 京都の紅葉と落葉

*京都御苑では、春には桜・秋には紅葉が楽しめます。

国立公園・国定公園・国営公園・国民公園の違い、まとめ

最後に国立公園・国定公園・国営公園・国民公園の違いを、簡単に並べてまとめてみました。

公園の種類管理・特徴等
国立公園
  • 自然然公園法に基づいて、環境省が管理する自然公園。
  • 日本を代表する自然の風景地を保護し、利用の促進を図る目的がある。
  • 公園ではあるが私有地もあり、人が暮らしていることもある。
  • 全国で34ヶ所ある。
国定公園
  • 自然公園法に基づいて国が指定し、都道府県が管理している自然公園。
  • 国立公園に準ずる景勝地が対象で、後に国立公園になったものもある。
  • 全国で56ヶ所ある。
国営公園
  • 都市公園法によって定められた公園や緑地で、国土交通省が管理している。
  • 災害時の活動拠点になるものと、遺跡や文化的価値のある場所を保護する目的で作られている。
  • 全国で17ヶ所ある。
国民公園
  • 環境庁が管理する公園で、都市型公園や自然公園以外のもの。
  • 旧皇室が所有していた土地を活用したもので、皇居外苑・新宿御苑・京都御苑の3ヶ所。
  • 千鳥ヶ淵戦没者墓苑を含むこともあり、この場合は4ヶ所で「国民公園等」と表記される。

違いにびっくり!

国立公園国定公園は、自然を守るための場所として作られています。そのため立ち入り制限のある場所や、勝手な行動を取ってはいけない場所もあります。一方で私有地も含まれる関係で、人が住んでるという話は驚きますね。

国営公園は都市型の公園で、国民公園は数が少ないというのもびっくりする違いです。

国立・国定・国営・国民の4つの公園の違いを覚えて、明日誰かに話してみませんか?