外はカリカリ・中はふんわりとしたフレンチトーストは、ちょっと贅沢な朝食にピッタリですね!家でもフレンチトーストは作れますが、おしゃれなお店で食べれば、また格別な味が楽しめます。
そんな美味しくておしゃれな印象のあるフレンチトーストですが、実はフランス生まれではないって知ってましたか?
…ということは、フランスでフレンチトーストが食べられているのかどうかも気になるところです。
そんな「フレンチトースト」の起源や名前の由来、そしてフランスで食べられているのか?また他の国でも食べられているのか?…について紹介していきます。ぜひ参考にしてくださいね!
フレンチトーストの起源や名前の由来
生まれは古代ローマ!?
フレンチトースト(英:French toast)とは、牛乳・卵・砂糖などを混ぜた液に、食パンなどのパンをひたしてから焼く料理です。液の調合やパンの種類によって食感や味が変わるため、作る人によって違った味が楽しめるのも魅力ですね。
フレンチトーストはいつ誕生したのか?ですが、場所はヨーロッパ方面というのが有力です。4世紀終わり頃にローマ帝国で書かれた料理本「アピシウス」に、原型が登場しています。
アピシウスには、“もう一つの甘い料理”という意味のアリテル・ドゥルキア(Aliter Dulcia)という、パンを牛乳にひたした料理が登場します。
現在のフレンチトーストとは違い、卵は使われていませんが、作り方はとても似ているんですね。そこから、アリテル・ドゥルキアがフレンチトーストの原型では?と言われています。
アメリカのフレンチさんが売り出した
「フレンチトースト」という名前は、アメリカ人のジョセフ・フレンチ(Joseph French)という人が名付けたとも言われています。
酒屋を営んでいたフレンチは、1724年に牛乳につけたパンを「フレンチトースト」として売り出します。フレンチはフランスではなく、売り出したフレンチさんの名字だったんですね。
その後、第一次世界大戦(1914年~1918年)のアメリカ軍では、同様の作り方のものを「ミルクトースト」と呼んでいたという記録もあります。
身近な料理だったためか、フレンチトーストの誕生には「これ!」というものがないんですよ。
フランスでフレンチトーストといえば?
フランスでは「失われたパン」
フランスでは「フレンチトースト」ではなく、失われたパンの意味を持つ「パン・ペルデュ(仏:pain perdu)」という名前で食べられています。
何故“失われたパン”なのか?と言うと、固くなってしまった古いパンを、牛乳にひたすことで美味しく食べられるよう調理しているからですね。
使うパンはバケット(フランスパン)や、バター・牛乳・卵をたっぷり使ったブリオッシュが主に使われます。
フレンチトーストは朝食のイメージが強いですが、フランスの「パン・ベルデュ」はデザートの扱いです。そのためアイスクリームや果物を添えたり、日本のようにメイプルシロップをかけていただくんですね。
また「パン・ベルデュ・サレ(塩味のフレンチトースト)」に、ベーコンを合わせて食べることもありますよ。
他の国でもフレンチトーストは食べられているの?
日本で良く知られているフレンチトーストですが、実はアジア・ヨーロッパ・アメリカなどでも食べられていますよ。
香港のフレンチトーストは西多士
香港でフレンチトーストは、西多士(サイドシー)と呼ばれています。
日本のフレンチトーストとの違いは、液にひたした食パンを、油で揚げることです。揚げたての西多士に、シロップ・コンデンスミルク・バターなどをかけていただくんですよ。
見るからにカロリーが気になりますが、それだけにとても美味しそうですね!
台湾のフレンチトーストは法國土司(法式土司)
台湾ではフレンチトーストを、法國土司(ファーグオトゥースー)または法式土司(ファーシートゥースー)と呼びます。
日本との違いは、食パンの表面に溶き卵をつけて鉄板で焼いている点です。甘みがなく、塩味のものが多く、ツナやコーンなどを間に挟んでサンドイッチのように食べるんですよ。
スペインのフレンチトーストはトリハス
スペインではイースター(セマナサンタ)の期間に、トリハスというフレンチトーストを食べます。
トリハスは余ったパンに牛乳や卵をしみこませてから焼き、シナモンシュガーをふりかけたもの。甘く美味しそうなので、イースターが待ち遠しくなりますね。
ドイツのフレンチトーストはアルメ・リッター
ドイツではフレンチトーストのことを、アルメ・リッターと呼びます。
言葉の響きからはとてもかっこいいネーミングですよね。でも実は直訳すると「貧乏騎士」と情けない名前になってしまいます。
古く硬くなったパンを再利用するレシピなので、貧しい騎士に例えられたのかも知れませんね。
フレンチトーストは国によって名前が違う!
フレンチトーストはフランス生まれと思いがちですが、実は複雑な歴史を持つ食べ物です。起源は明確ではないですが、ヨーロッパで広く食べられていたものがアメリカに渡り、「フレンチトースト」という名前がつけられたんですね。
しかも「フレンチ」はフランスのことではなく、売り出した人の苗字だと言う説もあるから驚きです。フランスでもパン・ペルデュとして食べられていますし、ヨーロッパやアジアでも作り方を変えて食べられています。
日本ではふわふわ食感のフレンチトースト。お家でも、おしゃれなカフェでも贅沢に頂きたいですね。
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