旅行みやげの定番といえば、あんこが甘いお饅頭(まんじゅう)は欠かせません。全国各地どこに行っても良く見かけるおまんじゅうですが、実はその中には「日本三大饅頭」があるのを知ってましたか?
福島・東京・岡山にそれぞれある饅頭なんですが、実はこの日本三大饅頭にちなんだサミットも開かれているんです。
そんな、日本三大饅頭、それぞれの特徴や由来、そして日本三大まんじゅうサミットのことについて、まとめて紹介します。ぜひ参考にしてくださいね!
日本三大饅頭について

日本三大饅頭とは?
日本三大饅頭とは、次の饅頭(まんじゅう)のことを指します。
- 福島県 柏屋の「薄皮饅頭」(うすかわまんじゅう)
- 東京都 塩瀬総本家の「志ほせ饅頭」(しほせまんじゅう)
- 岡山県 大手饅頭伊部屋の「大手まんぢゅう」(おおてまんじゅう)
この3つの饅頭は元々名前の知られた饅頭でしたが、10年以上前に『日本の「三大」なんでも事典』という書籍の中で「日本三大饅頭」として紹介されました。そのことが話題となったため、更に人気を集めるようになったと言われています。
またこの人気を受けて、「日本三大まんじゅうサミット」も過去に行われました。
東京・志ほせ饅頭
まず最初に紹介するのが、東京都にある「塩瀬総本家」で販売している「志ほせ饅頭」(しほせまんじゅう)です。
「塩瀬饅頭」とも呼ばれていますが、この名前はおまんじゅうの歴史と深い関係があるんです。
日本の饅頭は中国の「饅頭(まんとう)」の作り方を、奈良時代に僧侶の林浄因(りんじょういん)が伝えたという説があります。中国の饅頭はお肉を詰めますが、僧侶はお肉を食べられない戒律がありました。
そこで林浄因はお肉の代わりに小豆のあんこを詰め、僧侶に振る舞ったところ人気を集めました。それが1349年(北朝時代:貞和5年)のこと。このときのレシピを後に「塩瀬」と名乗った子孫が受け継ぎ、塩瀬饅頭となったんです。
塩瀬饅頭(志ほせ饅頭)の特徴は、皮に山芋をすりおろしたものを加えていることです。山芋を加える饅頭は「薯蕷(じょうよ)饅頭」「上用(じょうよう)饅頭」とよばれ、結婚式の引出物に使われます。
味はあんの上品な甘さと皮のしっとり感が楽しめ、一口サイズなので食べやすいのもうれしいですね。
#塩瀬総本家 の #志ほせ饅頭 ♪
程よい甘さで、うまうまです???(*´?`*) pic.twitter.com/fWzQNAVBui— いだるまと (@tomaru02) 2018年3月6日
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>> お店のホームページ:御菓子老舗 塩瀬総本家 |
福島・薄皮饅頭
次に紹介するのが、福島県郡山市にある「柏屋」の「薄皮饅頭」(うすかわまんじゅう)です。
柏屋のある郡山市は、江戸時代に「奥州街道」の宿場町として栄えていました。旅人が多く行きかうこの場所で、休憩所として1852年(江戸時代:嘉永5年)に開かれたのが「柏屋」です。
そこで出されたのが薄皮饅頭。今も当時と変わらないレシピが受け継がれているんですよ。
薄皮饅頭はその名の通り、たっぷりのあんこを薄い皮でつつんだものです。皮の色は焦げ茶色ですが、これは生地に黒糖を混ぜているからです。
たっぷりのあんは素朴な甘さで、柔らかく薄い皮との相性も抜群なんですよ!
福島のお饅頭。日本三大饅頭、柏屋の薄皮饅頭。おススメです!! pic.twitter.com/MWhUKHX4Nq
— ギンナナ金成 (@kanenari1975) 2018年9月17日
>> お店のホームページ:柏屋薄皮饅頭|柏屋 |
岡山・大手まんぢゅう
最後に紹介するのが、岡山県岡山市「大手饅頭伊部屋(いんべや)」の「大手まんぢゅう」(おおてまんじゅう)です。
大手饅頭伊部屋は1837年(江戸時代:天保8年)に岡山城の大手門近くで創業し、その当時から饅頭を作り続けています。この饅頭を岡山藩主が気に入り、お店の場所から「大手まんぢゅう」の名前をいただきました。
大手まんぢゅうの特徴は、あんこを包んだ皮が極端に薄いことです。中のあんこがすけて見えるほどで、皮が少し厚い部分がマーブル模様に見えます。
この薄い皮には糀(こうじ)から作られた甘酒が含まれ、出来たては甘酒の旨味が感じられます。あんこも程よい甘さなので、思わずもう一個食べたくなるほどなんですよ。
大手まんぢゅう。美味いよ。 pic.twitter.com/eu0Uty3ZBD
— まにゃお (@z0392_msk2) 2019年5月18日
>> お店のホームページ:大手饅頭伊部屋 |
日本三大まんじゅうサミットとは?
饅頭を世界に
日本三大まんじゅうサミットとは、柏屋・塩瀬総本家・大手饅頭伊部屋の3社が開催するイベントです。
2016年4月16日に1回目のサミットが、福島県郡山市の柏屋本店で開催されました。この時に、次の項目からなる「サミット宣言証」が採択されたんですよ。
- 私たちは、日本三大まんじゅうとして、まんじゅうを未来へと継承いたします。
- 私たちは、日本の素晴らしいまんじゅう文化を世界へと発信してまいります。
- 私たちは、日本のまんじゅうが世界に認められる文化となることを目指します。
その後、日本三大まんじゅうサミットは、
- 第2回が、2016年9月28日に東京の塩瀬総本家
- 第3回が、2017年10月13日に岡山の岡山後楽園 鶴鳴館
でそれぞれ開催されました。
いずれのサミットでも各社それぞれの饅頭がアピールされ、また饅頭の魅力がたっぷり語られました。2018年は開催されていませんが、ぜひ4回目の開催を期待したいですね。
□日本三大まんじゅうサミット in Fukushima 2016
https://youtu.be/jnJVsVFXJmI
*2分ごろから日本三大まんじゅうが登場しますが、どれもおいしそうですね!
どの饅頭もおいしい!
おまんじゅうはおみやげの定番ですし、スーパーやコンビニでも手軽に買える和菓子です。また酒まんじゅう・上用まんじゅう・栗まんじゅうなど種類も豊富で、食べ比べるのも楽しいですよね。
そんな饅頭のなかでも、福島・岡山・東京の「日本三大饅頭」は特徴のある美味しいおまんじゅうです。過去にはサミットも開催され、それぞれの魅力をPRしたと聞くと食べたくなりますね。
旅行で福島・東京・岡山を訪れたときは、「日本三大まんじゅう」をぜひお土産に選びませんか?
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