
料理の美味しさや味を伝えるために、たくさんの言葉が使われています。甘い・辛い・味が濃い・素材の良さが生きているなど、よく見かけますよね。
そんな料理やドリンクで使われる言葉に「コク」と「キレ」があります。それぞれどんな味で、どう違うのでしょう?
そこで、コク・キレ、それぞれの意味や味の違い、そして実際の食べ物や飲み物での使い方について紹介していきます。ぜひ覚えて参考にしてくださいね!
コクの意味とは?
コクはいろいろな味が入り混じって生まれる

「コク」は味の表現の一つで、人が感じる複数の味がバランス良く混ざった状態のことを言います。
人間が「舌」で感じる味は様々ですが、主なものとして5つの味が挙げられます。
- 甘味
- 酸味
- 塩味
- 苦味
- 旨味
こうした複数の味がバランス良く混ざりあうと、独特の美味しさが誕生します。これが「コク」で、食べると口の中で味が広がり、消えていくまで美味しいと感じられるんですね。
味が濃いのはコクではない
コクは複数の味が混ざり合うことで生まれるため、味が濃いものがコクだと思われがちです。
濃い味付けの料理も口の中で味が広がり、美味しく感じることはあります。しかし食べ続けると味に飽きてしまったり、他の味がわかりにくくなってしまうこともありますね。
コクは味そのものが薄くても美味しく感じられ、他の美味しさも最後まで感じることができるというものなんですね。
コクは味のバランスを活かしたものであり、調味料をたくさん使ったものではないと覚えておきましょう!
キレの意味とは?
味が上手に消えていく

味における「キレ」は、後味がすっと消えていく状態のことを言います。
どんな味でもいつまでも残り続けると、他の料理の味の邪魔となりますよね。また最初の一口が美味しくても、それがいつまでも口に残ると味に飽きてしまいます。
しかし口にした味が短時間で消えていくと、もう一口食べた時に再び「美味しい」と感じやすくなります。味そのものではなく、味が上手に消えていくことが、キレという味なんです。
コクは「味そのもの」、キレは「味の残り方」
コクとキレは一緒に語られることも多いため、同じものだと思われがちです。しかし上にも記載したように、コクとキレは違うもの。それでいて両立することも可能なんですね。
コクはいくつもの味が混ざりあって、複雑で豊かな味となる状態のことを言います。キレは飲食物の味が口の中ですっと消え、嫌な印象を残さないことを指します。
つまり、
- コクは「味そのもの」の表現
- キレは「味の残り方」の表現
と言えますね。
そのため、
- 「コクがあるがキレがない」味
- 「コクはないがキレがある」味
というのもあり得るんですね!
食べ物や飲み物で「コク」の表現を使った例文
複雑な味わいを持つ料理や飲み物に
味の表現はその人の感性が試されるため、とても難しいものです。そんな時に「コク」という表現を上手に活用すれば、より多くの人に美味しさが伝わります。
- 30種類のスパイスと牛肉エキスが生み出すコクは、カレーの味をより奥深くしてくれる。
- 野菜とコンソメスープはあっさりしているのにコクがあるので、毎日でも飲みたい味に仕上がっている。
カレーといえば濃厚な味と辛味が特徴ですが、隠し味にヨーグルトやジャムを加えることがあります。そのことにによって複数の味が加わって「コク」となり、濃厚で美味しい味となりますね。
一方で薄味の料理でも、コクがあることで印象深い味となります。味が薄いのではなく、しっかり美味しさが感じられると伝えたい時にも、「コク」という表現は便利ですよ!

食べ物や飲み物で「キレ」の表現を使った例文
後味が爽やかな飲食物に
キレは味の表現よりも、味の残り方に対して使うとわかりやすいです。
- コクがあるのにキレがある。
- 一口目は強い甘みを感じるが、キレよくすっと消えていくのでとても食べやすい。
- 嫌な雑味が残らない、キレの良い味わいがこのコーヒーの特徴です。
「コクがあるのにキレがある」は、ビールの宣伝でとても良く知られた言葉です。豊かな味わいがありながら後味がよく、メリハリの効いた味を表現しています。
また豊かな味が美味しいうちに消えていくときも、キレという表現がピッタリですね。
コクもキレも美味しく味わって
味の表現でよく聞く「コク」や「キレ」は、似ているようで違う味の表現です。コクはいくつもの味が混ざって生まれるもので、キレは味が口の中ですっと消えていく様子を表しています。
いくつも混ざって生まれる「コク」は、味が濃いというわけではなく、薄味でもコクは作ることができます。そしてキレは味が弱いのではなく、強い味でも印象良く消えて美味しく感じられる味なんですね。
何度でも食べたい美味しい味に巡り会えたときは、コクやキレという表現を上手に使うと、人に伝わりやすくなりますよ。
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