街角で見かけることの多い鳩は、身近な存在とも言える鳥です。またかつてはイベントなどで、空へと放たれることもあった鳩。
そんな鳩は「平和の象徴」と一般的に言われていますが、なぜ鳩なのでしょうか。
また、鳩以外にも平和の象徴と言えば何があるのか、気になりませんか?
そこで、鳩が平和の象徴となった理由と、鳩以外に平和の象徴には何があるのか?といったことについてまとめました。
鳩が平和の象徴と呼ばれる理由
ノアの箱舟に
鳩が平和の象徴となったのは、旧約聖書の「創世記」にある「ノアの方舟」の逸話があるからです。
ある時神様は、人間が堕落しすぎたので洪水を起こして滅ぼすことを決意しました。しかしとても信心深い男であったノアにだけ、このことを伝えます。
その上で、「方舟を作り、動物のつがいを乗せせなさい」とお告げ。ノアは神様の言葉に従って方舟を作り、全ての動物のつがいを乗せて洪水に備えました。
神様は宣言通り大洪水を起こし、ノアの家族と方舟に乗せた動物以外全てが滅んでしまいました。
その後ノアは鳩を放ち、地表が出ているかどうかを確認。すると鳩はオリーブの葉を持って戻り、再び地表が現れたことを知らせました。
そして、方舟は地表へたどり着き、ここから再び人と動物は繁栄しました。
以上のように旧約聖書で伝えられています。
この逸話により、鳩が平和の象徴とみなされるようになったというわけですね。
ピカソの鳩
鳩が平和の象徴という認識が更に高まったのは、20世紀の天才画家・ピカソの影響もあります。
第二次世界大戦終結後の1949年に、パリで第一回国際平和会議が開催されました。
この会議で使われたポスターを手がけたのがピカソで、そこに描かれたのはオリーブの葉を咥えた鳩。その後も国際平和会議の壇上などに、ピカソが描いた鳩が登場。
このことで世界中に、鳩が平和のシンボルであることが知れ渡ったんですよ。
ちなみに日本では
日本で鳩が平和の象徴とみなされるようになったのは、終戦後しばらくしてから。
元々、鳩は戦神である八幡様(はちまんさま)の使者として扱われ、武家の家紋に採用されるほど。
平和の象徴というよりは、戦いにおいて縁起が良いものという扱いだったんですよ。
鳩以外で平和の象徴と呼ばれているものは?
オリーブの葉
鳩以外にも平和の象徴とされるものに、オリーブの葉があります。
これはノアの方舟の逸話で、鳩がくわえてきたものだからという理由が。そのため鳩と共に、オリーブの葉も平和の象徴として扱われています。
Vサイン(ピースサイン)
写真を取るときに出すピースサインの「ピース」とは「平和」のこと。Vサインとも呼ばれますが、このVは「勝利」を意味する「Victory」から来たものなんですよ。
Vサインの起源は、14世紀にイングランドとフランスの間で発生した「百年戦争」にあるとの説が有力。
イングランドの弓兵がとても優秀だったため、捕虜となった際に弓が引けないように指を痛めつけました。それを知ったイングランド兵が、フランス兵を挑発する意味でVサインを出したのが始まりなんですよ。
またVサインはイギリス首相チャーチルが、好んで出したことでも知られています。これはイギリス国営放送BBCが、Vサインを勝利のシンボルにしようとキャンペーンを行ったから。
その後ベトナム戦争の時代になって、反戦活動家などが「平和のサイン」として使うように。勝利をもたらし平和となるサインとして、Vサイン=ピースサインが更に広まったんですね。
ただし、手の甲を相手に向けるVサインは、平和ではなく侮辱のサイン。
特にイギリス・オーストラリア・ニュージーランドなどの、イギリスの影響が強い国では要注意ですよ!
かわいく平和に
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鳩は平和の象徴とみなされ、かつてはイベントで空に放たれることもよくありました。
最近では安全面から直接鳩を放つことは少なくなりましたが、象徴的なシーンに鳩が登場することも多いですね。
ノアの方舟の逸話で鳩がくわえていたオリーブの葉も平和の象徴として有名ですし、可愛いポーズでおなじみのピースサインも、実は平和のシンボルサインだったんですね。
街角で鳩を見かけたときや写真を取る時に、少しだけいいので平和について考えてみませんか?
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