いのしし

本には季節の行事がいくつもありますが、全国的でないものもいくつかあります。地元だとメジャーだったのに、別の地方に引っ越したら誰も知らなかった…なんてことも。

そんな風習や行事の一つに、「亥の子」「亥の子餅」が。西日本ではメジャーな風習なのですが、どんなものなのか知りたくありませんか?

そこで、

  • 亥の子とは?
  • 2018年の亥の子はいつ?
  • 亥の子餅を食べる意味や由来
  • 亥の子に行われる風習

…についてまとめましたので、ぜひ参考にしてくださいね!

スポンサーリンク

亥の子とは?

十二支でおなじみの

亥の子

亥の子(いのこ)とは、「旧暦10月の最初の亥の日」のこと。またその日に行われる行事のことを指します。

ここで登場する「亥」とは、十二支の12番目である「亥(い)」(いのしし)のこと。十二支は12で一周する数の数え方で、年賀状でおなじみの「年」や日付・時間の数え方でも使われます。

ちなみに「旧暦」とは江戸時代まで使われていた、月の満ち欠けをもとにしたカレンダーのこと。現在は太陽の動きをもとにした暦を使っているため、旧暦と比べると一月ぐらいズレが出てしまいます。

旧暦の10月は十二支に当てはめると亥の月になり、その亥の月の最初の亥の日はその年によって変化します。そのため亥の子は毎年同じ日にならず、その年によって日にちが変化するんですね。

古代中国から・・

古代中国には、「亥の子祝い」という無病息災を願う風習があります。これが日本に伝わって、亥の子の風習になっていきました。

また、亥(イノシシ)は子沢山なので、子孫繁栄を願う風習という部分も。そこから豊作を願う風習として、貴族や武士の間に広まったという説もあるんですね。

西日本ではメジャー

亥の子は平安時代に宮中行事として定着し、「源氏物語」にもその様子が描かれているほど。室町幕府や江戸幕府の年中行事としても、亥の子は行われたという記録が残っています。

一般民衆にも亥の子は広まりましたが、西日本を中心としたもの。関東より北ではほとんど行われず、そのため知らない人も多いんですね。

2018年の亥の子はいつ?

旧暦10月の最初の亥の日が「亥の子」となりますが、現在の暦とは別のもの。そのため現在の暦に合わせて、一ヶ月遅らせた11月の最初の亥の日を亥の子としています。

2018年11月の最初の亥の日は、11月3日(土)。文化の日ですし週末でもあるので、亥の子のお祝いも普段以上に楽しめそうですね。

なお地域によっては、「10月の最初の亥の日」を亥の子とする地域も。この場合は2018年10月10日(水)が、亥の子となります。

スポンサーリンク

亥の子餅を食べる意味や由来

亥の子餅

亥の子では、「亥の子餅」という和菓子を食べる風習があります。これは「亥の月、亥の日、亥の刻に穀物を混ぜた餅を食べると病気にならない」という、中国の風習からきたもの。

わかりやすく言うと、「亥の子の日の午後9時~午後11時の間」に亥の子餅を食べるんです。

亥の子餅はイノシシに似せたお餅で、表面にイノシシの模様をいれることも。中身も、地方によってお餅だけの場合もありますし、小豆あんを入れたものもあります。

またその年に取れた穀物を入れるとして、大豆・小豆・ごま・栗などを入れることもあるんですよ。

亥の子餅は西日本で主に作られ、亥の子の時期に合わせて11月初め頃に店頭に並びます。

□冬の到来を告げるお菓子 亥の子餅

*家でも作れるので、試してみたいですね。

亥の子に行われる風習は?

亥の子突きと亥の子歌

亥の子の無病息災を願う行事に、「亥の子突き」「亥の子歌」があります。

これは亥の子の日の夕方~翌朝早朝にかけて、子どもたちが歌を歌いならが各家庭をまわるもの。そのときに「亥の子石」と呼ばれる、荒縄を何本も巻きつけた丸い石を家の軒先で地面に叩きつけます。

そのお礼として各家庭では、子どもたちに亥の子餅やお菓子などを渡していたんですよ。

□吉田町亥の子(亥の子唄 四方の隅に)

*亥の子石を叩きつける様子は、かなりの迫力ですね。

尚、亥の子石以外にも、藁束を強く縛った藁鉄砲(わらでっぽう)を使う地域もあります。この藁鉄砲を使った同様の行事としては、東日本で旧暦10月10日に行われる「十日夜(とおかんや)」があります。

【関連記事】
十五夜、十三夜、十日夜の意味とは?2018年はいつ?

炉開きとこたつ開き

お茶を出す

茶道の世界でお湯を沸かすときは、夏は「風炉(ふうろ・ふろ)」というものを、冬は「囲炉裏(いろり)」を使います。その切り替えが亥の子の日になり、「炉開き(ろびらき)」として亥の子餅を茶菓子として出してお茶を楽しみます。

また一般家庭でも、亥の子からこたつを使い出す風習もありました。「五行」の考え方では、「亥」に水の属性があると考えるからです。そのため亥の子の日から火にまつわるものを使い出すと、火事にならないとしているんです。

昔はこたつの中には、炭をいれた火鉢を置いていました。こたつ布団に火が付けば一大事ですし、火事を防ぎたいというおまじないだったんですね。

亥の子に願いを込めて

亥の子は関東ではあまりなじみがありませんが、西日本ではおなじみの風習です。

その内容は「亥の子餅」を夜9時過ぎに食べたり、子どもたちが歌を歌って各家庭をまわったりするもの。また茶道では亥の子の日にいろりでお茶をたてて、亥の子餅を食べる風習もがあるのも素敵ですね。

無病息災を願う亥の子ですが、西日本以外ではあまり知られていないのが不思議なところ。もし11月はじめに西日本方面に遊びに行くときは、お店に「亥の子餅」があるかチェックしてみませんか?