
満月に楽しむ「お月見」は、普段なかなか見ることのない夜空をゆっくり眺めるチャンス。お団子も美味しくて、お月様もきれいで、ゆったりした時間に心が癒されますね。
お月見をする時の満月のことを「十五夜」と言われていますが、何故”15の夜”なんでしょう?
また十五夜以外にも、「十三夜」「十日夜」というものもあって、月がきれいな夜の一時を楽しむ風習もあります。
そんなちょっと気になる、十五夜・十三夜・十日夜、それぞれの意味と、2024年はいつなのか?について紹介します。
十五夜・十三夜・十日夜、それぞれの意味は
十五夜
十五夜(じゅうごや)とは、月が満ち欠けする周期を表す「月齢」で、満月の時を表す言葉です。新月(月が全て欠けて夜空に見えない時)を1とすると、満月は丁度15日目に当たるのが名前の由来です。
ただし十五夜と言うと「八月十五夜」の事を指し、ただの満月として十五夜を使うことはあまりありません。
「八月十五夜」は旧暦の8月15日の夜のことを指し、別名「中秋の名月」とも呼ばれます。
この時期の満月が一番美しいという理由から、中秋の名月にお月見をする風習が広まりました。収穫した農作物を月に捧げる風習もあるため、芋名月(いもめいげつ)と呼ぶ地域もあるんですよ。
ちなみに中秋とは文字通り、「秋の中頃」を指しますが、八月ならまだ夏では?と思う方もいるでしょう。これには理由があり、旧暦においては、八月は「秋」に分類されるからなんです。
旧暦における四季の区分は、
- 1月・2月・3月 …春
- 4月・5月・6月 …夏
- 7月・8月・9月 …秋
- 10月・11月・12月 …冬
…となっており、この区分だと、8月は「秋の真ん中頃」になるんですよ。
十三夜
十三夜(じゅうさんや)も、十五夜と同じく月齢で使われる言葉で、新月からかぞえて13日目に当たる日を指します。月の状態は八割ほど月が見え、左の二割ほどが影になって見えない状態となっています。
やはり一般的には十三夜というと「九月十三夜」のことを指し、それ以外ではほとんど使われません。
「九月十三夜」も十五夜と同じく、旧暦の9月13日のことを指します。
別名「後の月(のちのつき)」とも呼ばれ、中秋の名月に次いで、月が美しく見える時とされています。丁度栗が実る時期であることから、栗名月(くりめいげつ)なんて呼び方もあるんですよ。
ちなみに現代では、十五夜のお月見だけの事が多いですが、昔はお月見と言えば、十五夜と十三夜のセットで行われていました。というのも十五夜だけお月見をするのは、「片見月」といって縁起が悪いとされたからです。
なので、
- 十五夜を見たら、十三夜も見る
- 十五夜を見なかったのなら、十三夜も見ない
としたそうですよ。
十日夜
十五夜・十三夜と比べると、いまいちマイナーな印象のある十日夜(とうかんや)。月齢を表す言葉で、新月から10日目に当たる日の事を指します。
別名「三の月」ともいい、月は六割ほどが顔を出した状態で、満月を楽しむものではありません。
一般的に十日夜というと「旧暦10月10日の夜」の事を指し、農作物に感謝する日とされています。
田畑にいらした神様が、この日に山へとお帰りになるとも言われていて、収穫した稲などを捧げます。また田んぼを守ってくれた「かかし」にも感謝をささげ、お餅をささげたり一緒にお月見をする地方もあります。
十日夜は主に関東地方で行われる風習で、関西ではこれに近い行事として「亥の子(いのこ)」が行われます。
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亥の子は旧暦の10月上旬に行われ、こちらもお餅(亥の子餅)をついて食べる風習があるんですよ。
2024年の十五夜・十三夜・十日夜はいつ?
十五夜は9月29日
2024年の「八月十五夜」は、9月17日の夜に当たります。
月のきれいな日にはのんびりとお月見をするのも素敵ですね。
十五夜ですから、きれいな満月が望める…と言いたいところですが、十五夜が必ず満月だとは限らないんです。
というのも、月の満ち欠けの周期は約29.5日と端数が出るため、ぴったり15日目に満月にならず、1日以上ずれることもあるんです。とは言え、気にするほど月は欠けませんので、細かいことはあまり気にせずお月見の夜を楽しみましょう。
。

十三夜は10月8日
2024年の「九月十三夜」は、10月15日の夜にあたります。
さすがにこの時期は夜は冷えてくる季節ですし、少し暖かい格好でお月見を楽しみたいですね。
この日の月の状態は十三夜の通り、8割ほど月が見える状態となっています。大雑把な人が見れば「満月じゃないか」と思うぐらいの、まんまるな月が楽しめますよ。
十日夜は11月3日
2024年の「十日夜」は、11月10日の夜に当たります。
夜がぐんと冷える時期ですので、しっかりと暖かい服装でお月見を楽しみましょう。
この日の月は、6割ほどが顔をだした状態。満月とは違ってちょっと見応えがないかも知れません。
ですが、十五夜・十三夜・十日夜全ての月を見ると、縁起がよいとも言われています。十五夜・十三夜とお月見を楽しんだのでしたら、ぜひ十日夜もお月見をして縁起を担ぎませんか?
月の変化を楽しんで
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十五夜・十三夜・十日夜の月は、それぞれ表情を変えて夜空に浮かびます。秋から冬に向かう時期でもあり、曇りのない澄んだ夜空を楽しむ事もできるんですよ。
それぞれの月の表情を比べてみるのも面白いですし、月以外の星空を比較するのも面白いかも。満月の表情と夜空のお星様を楽しむ贅沢なひとときを、お団子とともに楽しんではみませんか?
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