ほうれん草は栄養豊富で、様々な料理に使える便利な野菜。しかし茹でる必要があり、それが面倒に感じる人もいるかもしれませんね。
もしほうれん草を茹でずに使用した場合、味に変化があるのでしょうか。また電子レンジを活用するなどして、茹でずに使う事は可能なのでしょうか。
そこで、
- ほうれん草を茹でる理由
- 電子レンジ加熱で茹でたことになる?
- ほうれん草を茹でると栄養はどうなる?
- 栄養素を逃さない茹で方は?
…についてまとめましたので、ぜひ参考にしてくださいね!
ほうれん草を茹でる理由は?
苦味やエグミが含まれているので

ほうれん草は栄養豊富な野菜で、主に次の栄養成分が含まれています。
- ビタミンA
- ビタミンB1・B2・B6
- ビタミンC
- 葉酸
- カリウム
- カルシウム
- 鉄
- 亜鉛
- 食物繊維
多くのビタミンやミネラルをバランス良く含むほうれん草は、日常的に食べたい野菜。しかしシュウ酸・硝酸態窒素という苦味成分も含まれているため、茹でて食べるのが一般的です。
結石の原因になる可能性も
ほうれん草に含まれるシュウ酸には、体内のカルシウムや鉄分の吸収を邪魔をする働きがあります。また体内のカルシウムとシュウ酸が結合すると、「結石」に変化する事もあります。
結石とは腎臓にできる石ですが、腎臓とつながっている尿道へ移動することがあるんです。この時に激痛が出ることがあり、また尿道を傷つけて炎症を起こすこともあります。
結石については、よほど毎日大量に食べない限りはあまり心配することはありません。しかし体の状態によっては、大量に食べてるわけでなくても、シュウ酸が少しづつ残留していて、結石につながる可能性も無いとは言えません。
そのためにも、できるだけシュウ酸を取り除いておく方が健康のためにも良いんです。
なお、シュウ酸はカルシウムと一緒に結合して摂れば、体内にあるカルシウムと結合することはありません。結石のリスクを減らすためにも、ほうれん草はできるだけカルシウムを多く含む小魚などと一緒に摂るといいですね。
シュウ酸は水溶性のため茹でると減らせる
味にも影響を及ぼし、栄養面でも問題がある「シュウ酸」。
しかしシュウ酸は水溶性のため、ほうれん草を茹でることで3分の1から2分の1くらいに減らすことができます。またシュウ酸以外にも、エグミの要因となる「硝酸態窒素」も茹でることで取り除くことが可能です。
そのため、ほうれん草を使う前に一度茹でることが美味しく健康的に食べるコツとなるんですね。
電子レンジの加熱で茹でたことになるの?

電子レンジではシュウ酸は取り除けない
よく調理で「電子レンジを使って加熱し、茹でたことにする」方法が使われます。
しかしほうれん草を茹でるのは、過熱するためでなく、水溶性のシュウ酸を取り除くため。水をほとんど使わず加熱する電子レンジだと、残念ながらシュウ酸はそのまま残ることになってしまいます。
そのため火は通っているけれど、苦味やエグミは残ったままになってしまうんですよ。
電子レンジで苦味やエグミを取り除くには?
電子レンジを活用する場合、次の方法なら苦味やエグミを抜くことが可能です。
- ほうれん草は根元に十字の切れ込みを入れ、泥が残らないよう水でよく洗う。
- 水分が残った状態でラップで包む。
- 電子レンジで3分前後(500Wの場合)加熱する。
- ボウルに冷水をため、そこに加熱したほうれん草を入れて粗熱を取る。
- ほうれん草の水を絞ってから、調理に使う。
ポイントはほうれん草の根本に切れ込みを入れることと、加熱後に水にさらすこと。この工程でシュウ酸が根本の切れ込みから水に溶けて、苦味やエグミが取り除けます。
そのため、少量のほうれん草を使いたい時は、電子レンジを活用すると便利ですね。
ほうれん草を茹でると栄養はどうなる?
長く茹でると水に流れ出てしまう
ほうれん草を茹でることで、水溶性のシュウ酸を取り除くことができます。そうなると気になるのは、体に嬉しい栄養成分も水に溶け出すのではないか?という点です。
実はほうれん草に含まれる成分のうち、ビタミンC・葉酸などは水溶性。そのため長く茹でてしまうと、栄養が流れて出てしまいます。

茹で時間は短くする
ほうれん草の栄養をなるべく残したままにするには、先に紹介したように電子レンジを活用した加熱方法が有効。
ですが、大量のほうれん草を使いたい場合は、次の茹で方で栄養を逃しにくくすることが出来ますよ。
- 大きめの鍋にお湯を沸かす。
- ほうれん草1束に対し塩を小さじ山盛り1杯分加える。
- ほうれん草の根元に十字に切れ込みを入れ、水でよく洗う。
- お湯が沸騰したら、ほうれん草の根元部分だけを30秒ほどお湯につける。
- 30秒経過したら、ほうれん草全体をお湯に沈め30秒茹でる。
- すぐにお湯から引き上げ、冷水をためたボウルにほうれん草を入れて粗熱を取る。
- 粗熱が取れたら水を絞り、調理に使う。
ほうれん草は火が通りやすいため、茎の部分を少し長く茹でれば大丈夫。それでも茹で時間は1分程度にとどめ、なるべく栄養が逃げないようにしましょう。
□ほうれん草の下ごしらえとゆで方
*ほうれん草の根元処理は、動画の40秒から紹介されているので参考にしてくださいね。
ほうれん草を美味しく食べよう!
ほうれん草は一年を通じてスーパーに並び、炒めものやおひたしにすると美味しい野菜。それだけに茹でるのが面倒に感じられますが、茹でないと苦味やエグミが残ってしまいます。
少量を使うのであれば、電子レンジを活用して栄養を逃さず食べることができます。多めのほうれん草を使う場合は茹でた方が良いですが、その場合も茹で時間を短くすれば、栄養が逃げにくくなるんですよ。
ほうれん草を美味しく茹でて、毎日の食卓に活用してくださいね!
コメント
ほうれん草を茹でると葉酸が出てしまいます。しかし茹でないとシュウ酸が残り不安です。ではどうすればいいのでしょうか?
コメントありがとうございます!
そうですね。確かにほうれん草は茹でると
葉酸・ビタミンなどが流れ出てしまいます。
ですが、記事にも書いているように、
茹でる時間を短めにしたり、
電子レンジを活用すれば、いくらかは栄養素の流出は軽減されます。
ただシュウ酸をなるべく除去するには茹でることが大事なので、
葉酸は別にサプリなどで摂ることも
検討してみられるといいですよ。