
ビジネスシーンにおいて、連絡や報告はできるだけ早く行いたいものです。特に相手方への返答を待たせることはせず、すぐに返答すべきもの。
そういった場面でのメールや手紙でよく使われる語句に、「取り急ぎ」というものがあります。
使いやすく便利な言葉なのでつい多用しがちですが、意味を把握した上で使用していますか?
そこで、取り急ぎの意味と、様々なビジネス場面での使い方を紹介するので、ぜひ参考にしてくださいね!
取り急ぎの意味とは
「とりあえず」「急いで」
取り急ぎという言葉は、
- 「とりあえず」という言葉
と、
- 「急ぎ(急ぐ)」という言葉
を組み合わせたもの。

この中で注目してほしいのが、「とりあえず」という言葉です。
「とりあえず」には、
- きちんとした対応は後回しにし、まずは対処する。
- 後のことは考えず、現在の状況だけで行動をおこす。
- 他に急ぐ事柄もないので、暫定的に行動をおこす。
…という意味があります。
ただし3番目の意味に関しては、取り急ぎの場合には使用されません。取り急ぎの中に「急ぐ」という字が含まれているので、矛盾してしまいますからね。
取り急ぎという意味に使う場合は、一般的に1番目と2番目の意味が使われます。
準備が整っていない状態で
とりあえずの意味を踏まえた上で、取り急ぎの意味は次のようになります。
- 不十分な状態ではあるが、まずは急いで対応する。
- 準備が整っていないが、最優先で事に応じる。
- 十分な対応はできないが、今できる範囲ですぐに対応する。
ここで大切なのは、「相手に完全な対応ができる状態ではない」と断りを入れている点。
礼儀を欠くことがあっても、急いで伝えなければならない。
そういった場合に、取り急ぎという言葉は使われます。
どのような時に使うのか
取り急ぎという言葉を使う場面ですが、まずは急ぎの連絡を行う場合に使用。その上で後日改めて、きちんとした内容で連絡や報告を行うことが求められます。
あるいは急ぎでない返答においても、慣用的な表現として文末に使うことも。用件のみを伝える簡潔な連絡などに使うと、文章にまとまりが出るので便利な言葉と言えますね。
「取り急ぎ」の言葉の使い方は?
使い方のポイントと注意点
使い勝手の良い言葉である「取り急ぎ」ですが、いくつか注意しなければならない点があります。

礼儀に欠く
取引先や上司などにも、つい使うことの多い「取り急ぎ」という言葉。しかし本来は目上の方に対して使用せず、同僚や部下など同格の相手に対して使用する言葉です。
目上の方へ使うときは「取り急ぎ」を使わず、「まずは」という言葉に置きかえると安心です。
内容は簡潔に
取り急ぎという言葉を使うべき状況は、礼儀を欠いてでも伝えたいことがある時。その伝えるべき内容を簡潔にまとめ、無関係である他の用件は別の機会に伝えるようにしましょう。
どうしても伝えたい別件がある場合は、
という形で区切り、その内容も簡潔にまとめるようにしましょう。
多用しない
取り急ぎは使いやすい言葉のため、急ぎの報告で毎回つかってしまいがち。
しかし準備が整わない中での「とりあえずの報告」という意味がある言葉です。そのため多用すると、相手から「常に準備不足」という印象にも取られかねません。
本当に急ぎの返答以外では、あまり使わないほうが無難です。
実際の使い方は?
同僚などのある程度親しい関係の方へは、次のように使用しても問題ありません。
しかしこの言い方ですと、親しい間柄でもやや礼を欠いた印象に。そのため次のような言い方にすると、より確かな表現となります。
- 取り急ぎ、報告申し上げます。
- 取り急ぎ連絡のみですが、失礼いたします。
- 取り急ぎ、御礼申し上げます。
このように「申し上げます」「失礼いたします」と付け加えると、ある程度礼節を保った表現に。
「取り急ぎ、●●まで」という表現は、できるだけ避けたほうが無難です。
使う相手を選んで
先方への返答や城址への報告で、つい使いがちな「取り急ぎ」という言葉。しかし意味には「礼儀や準備が整ってはいないが、急いで報告」という意味があります。
そのため目上の方に使用すると、礼儀を欠いた表現になってしまいます。
最近ではあまり気にしない方も多いとは思いますが、念の為、目上の方には使わないで「まずは」に言いかえると安心です。
「取り急ぎ」は便利な言葉だからこそ、使う相手を選びましょう!
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