ビジネスシーンにおいて相手が思うように動いてくれたら、どれだけ仕事が楽になるでしょうか。また部下や同僚がこちらの考えたとおりに行動してくれたら助かりますよね。
そんな、相手を思うように動かすテクニックとして「ラベリング効果」というものがあります。名前からして難しそうに感じられますが、実は日常の中でも何気なく使っているテクニックなんです!
そこで、
- ラベリング効果の意味
- ビジネスにおけるラベリング効果の使い方
- ラベリング効果を使う際の注意点
…について紹介していきますので、ぜひ参考にしてくださいね!
ラベリング効果の意味とは?
ラベリング効果とは?
ラベリング理論(英: Labeling theory)は、社会学者のハワード・ベッカー(Howard S. Becker:1928年生)を中心として提案された理論です。そしてラベリング理論を元にした「相手を動かすテクニック」のことを、「ラベリング効果」といいます。
ラベリング理論を簡単に説明すると、
- 相手に対して「あなたはこうだ」と、決めつけること
…となります。
ラベル(Label)は英語で、値札や宛名・ブランドロゴなどを印刷したシールや紙のことを言いますよね?そこから人に対して「こうだ」と決めつけることも、ラベリングと呼ぶようになったんですね。
ちなみに「レッテルを貼る」という言い方もしますが、レッテル(蘭: letter)はラベルのオランダ語読みなんですよ。
あなたはこういう人だ
普段あまり耳にすることのないラベリング効果という言葉ですが、あなたはこんな経験をした事はありませんか?
- 血液型を聞かれてO型だと答えると、「O型だからマイペースなのか」と言われた。
- ランドセルを選ぼうとしたら「女の子だから赤・男の子だから黒」と言われた。
いずれも根拠のないことで、相手からの「レッテル貼り」とも言えますね。
しかし同じことを何度も言われると、「そうなのかも」と思ってしまうことがあります。
その結果、自然と赤いものを選ぶようになったり、自分はマイペースな性格だと思いこんでしまう。これが、ラベリング効果なんですね。
ビジネスにおけるラベリング効果の使い方
より良い方向へ導く
ビジネスシーンでラベリング効果を活用するなら、相手により良いイメージを「貼り付ける」ことが大切です。
ここでラベリングする内容は、すでに出来ていることではなく、改善してほしい点にしましょう。
- 細かいところまで目が行き届いていて助かる。
(仕事の内容にやや見落としがある人に)
- 添付資料が的確で、よくここまで調べてくれた。
(書類の添付が一部足りなかったり、忘れることがある人に)
- 期日を守っていることはもちろんだが、内容が正確なので安心できる。
(書類のミスが時々ある人に)
- 面白いアイデアを出してくれて助かる。
(企画は提出するが、内容が今一つのことがある人に)
時と場合にもよりますが、このようにより良い方向で褒めることを繰り返すことで、相手も自然と「自分はできる」という意識に変化していくものです。
顧客に対しても活用できる
ラベリンク効果は、お店などで顧客に対しても活用できるテクニックです。例えば購入を迷っているお客様に、次のような声掛けをするのも効果的です。
- その服は特にファッションセンスを磨かれている方が、手に取られていますね。
- 工作が好きな子供と一緒に作ろうとされるイクメンパパが、夏休みの思い出にと買われてます。
- 健康を気にする人は、こちらの商品を選ばれていますよ。
こちらでのポイントは、相手がその商品を買うことで、ちょっとした優越感を感じられるようにすることです。さらには「気持ちよく買い物ができるお店」という印象も残り、リピーターとなる可能性が高まるんですよ。
ラベリング効果を使う際の注意点は?
できるだけプラスに伝える
ラベリング効果は、相手に「こうだ」と言うことで意識を変える一つのテクニックです。その際に相手のためを思って、ついマイナスなことを言ってしまいがちです。
- 字が下手だから、もっと丁寧に書くといいよ。
- 見落としが多いから、何度か繰り返してチェックしたらどうかな?
言った側としては、相手に良くなってほしくて、つい相手の欠点(改善してほしい点)を伝えてしまいがち。それも一つの方法ではありますが、ラベリング効果においては「マイナスイメージ」が定着する可能性もあるんですね。
なるべくプラスのイメージになる言葉を伝えることで、改善されるようにしましょう。
プラスの意識付けで
【関連記事】
ラベリング効果は言葉をかけることで、相手の意識を向上させるテクニックです。仕事が早い・丁寧・しっかりしている…とプラスの言葉で声かけすることで、自然と相手もそう思い込むようになるんです。
相手を褒めることは互いに気分がよいものなので、仕事も円滑に進めやすくなるメリットもありますね。接客する上でも手軽に使えるテクニックなので、接客で悩んでいる方にも良いヒントになるかも知れませんよ。
相手にラベリング効果でプラスの意識付けを行い、スムーズに仕事をすすめたいですね。
コメントを残す