ビジネスシーンにおいて使われる横文字には様々な言葉がありますが、効果的に使うことができれば印象深くなります。一方できちんと意味を理解して使わないと、逆効果になることも。
そんな多用される横文字の一つに、「マター」があります。
日常生活ではあまり使うことのないマターですが、ビジネスの場ではどのような意味があるのでしょうか。
ビジネスシーンにおけるマターの意味と正しい使い方についてご紹介しますので、参考にしてくださいね!
マターの意味は
問題と事柄
マターとは英語で「matter」と書き、本来は以下のような意味を持つ言葉です。
- 問題
- 事柄
- 物質
このうち「物質」に関しては、物理や科学分野で使われる事がほとんど。
ゲームで時々見かけることがある「ダークマター(暗黒物質)」も、元は物理・科学分野の言葉なんですよ。
ビジネスシーンにおけるマターとは
「問題」「事柄」という意味があるマターですが、ビジネスシーンにおいては次のように使われます。
- 会社・個人・部署などで管理・責任を持つ、事柄や問題や案件のこと。
ただしマターは単体で使うことはほとんどなく、マターの前に担当する人や部署などをつけて使います。
とするのが一般的な使い方となりますね。
マターの正しい使い方は
担当はあちらに
ビジネスシーンにおけるマターは、文章ではなく会話で使うことがほとんどです。
- この案件はどうなった?
- その件は、○○さんマターとなりました。
- 残念ながら今回の企画は○○部署マターとなったので、こちらで対応できません。
案件・企画など、どこが担当しているのかをはっきりさせたい場合。あるいは自分がその懸案を受け持っていない事を、きちんと知らせる場合。
そういったときに、「(会社・個人・部署)」+マターという表現ではっきりさせましょう。
ただし自分や所属する部署が受け持っている場合には、マターはあまり使いません。自分が関わっていない・他の人や部署が担当している場合に、マターを使うとより的確です。
敬称はつける
「個人名+マター」という使い方をする際には注意してい点があります。
それは、上役や取引先の場合は呼び捨てにしないことです。
通常であれば敬称は忘れないものですが、「個人名+マター」とするとこれで一つの単語と思いがち。そのためうっかり敬称が抜けることが多く、後で気がついて慌てることもよくあります。
部長案件で決まったのであれば、」○○部長マター」取引先の方の案でしたら、「(取引先の)○○さんマター」と表現しましょう。
より分かりやすく
マターは「自分の担当ではない」というニュアンスを伝えるのに、最適な言葉。
しかし一般的な用語ではありませんし、相手に伝わらない場合もあります。またあまり横文字を乱用すると、能力があっても印象が悪くなることも。
上司や取引先など、年配者への説明には分かりやすい日本語を優先させるほうが安心です。
- その案件は○○の担当となりましたので、私ではお答えすることができません。
- それって○○課長案件ですよ。
- ○○部署の企画で決定いたしましたので、お知らせ致します。
案件・企画・担当と言い換えは可能ですので、状況に応じて使い分けましょう。
はっきりしないときは使わない
マターは誰が受け持つのか、はっきりしている時に使う言葉。そのため、まだ決定していない場合や、誰が受け持つのかわからないときは使いません。
※使うべきでないNG事例
- それでしたら、恐らくは○○マターとなりますよ。
- ほぼ○○部署マターで、決定だと思います。
マターという言葉は便利なので、上記のように予想や推測の時点でも使いがち。しかし決定したこと、そして自分がきちんと認識していることに対して使いましょう。
英語表記について
マターは英語で「matter」と書きますが、○○マターという使い方は日本独自のもの。
英会話でも使うことはありますが、「重要である」という意味で使用されます。
そのため英語圏の方に使用しても、意味は通じないことがほとんどです。
- person in charge(担当者)
- right person(適任者)
を活用すると伝わりますよ。
また「matter」の綴りですが、「t」は必ず二つ重ねます。tが一つだけの「mater」とすると、「お母さん」(※英の俗語)という意味になるので要注意ですよ!
分かりやすく、的確に
マターという言葉には、個人や部署が受け持つ案件や担当という意味が。自分が受け持っているというよりは、違う人・違う部署が担当していることに対して使います。
「個人・部署+マター」としますが、目上の方への敬称は忘れずに。また分かりやすさを優先するなら、あえて使わないことも大切です。
さり気なく会話の中で「マター」を使い、ビジネスシーンで上手に活用しましょう!
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