花粉が飛ぶ季節になると、つらい花粉症に悩まされる人は多いはずです。
花粉症対策を謳ったさまざまな食品やサプリメントがありますが、その中の「ビーポーレン」というものをご存じでしょうか。海外では古くから健康のために食べられてきた存在で、近年「花粉症に効く」ということから日本でも注目されるようになりました。
まだ知らない人のために、「ビーポーレン」の栄養や効能、食べ方、注意点について紹介します。
ビーポーレンとは?
古代からの健康食品
「ビーポーレン」というと聞き慣れないかもしれませんが、「Bee(蜂)Pollen(花粉)」、つまり花粉団子(花粉荷)のことです。
ミツバチが集めた花粉をミツバチ自身の分泌物で丸く固めたもので、これから植物が成長していくための栄養と、ミツバチから分泌された酵素が集まった非常に栄養価の高いものであり、ヨーロッパなどでは古代から貴重な食べ物とされていました。
必須アミノ酸や各種ビタミン・ミネラル、酵素など、90種類以上の栄養成分が含まれるため、「スーパーフード」「パーフェクトフード(完全栄養食)」とも呼ばれています。多くの病気の治癒に効果が期待され、研究が進められているところです。
ビーポーレンのさまざまな効果・効能
まさに「栄養満点」と呼べるビーポーレンには、疲労回復、滋養強壮、美肌、ダイエットなど、さまざまな健康効果・美容効果があると言われています。
また、女性の更年期障害や男性の前立腺肥大症など、ホルモンに関わる症状にも効果があるとされます。
アメリカの研究結果から、ビーポーレンが花粉症の予防や症状緩和に有効であるとされ、日本でも紹介されるようになりました。
なぜビーポーレンが花粉症に効くのか
花粉症=花粉アレルギーなのに、花粉の塊であるビーポーレンを食べることがなぜ花粉症改善につながるのか疑問に思う人も多いでしょう。
まだ十分な科学的根拠がない段階ですが、次の理由が考えられています。
ヒスタミンを抑制する効果
花粉に対する過剰な免疫反応によって鼻水やくしゃみなどの症状が現れるのが花粉症です。発症のメカニズムを簡単に説明すると、まず、アレルゲンである花粉が鼻や目の粘膜に付着することで体内に抗体が作られます。そして再び花粉が侵入したときにヒスタミンなどの物質が放出され、鼻や目の神経・血管を刺激して鼻水や目のかゆみ等の花粉症の諸症状が引き起こされるのです。
ビーポーレンに含まれる成分がこの過剰なヒスタミンの分泌を抑えるため、花粉症の症状緩和につながると言われています。
免疫療法の効果
アレルギー治療の一つに、「免疫療法」というものがあります(「減感作療法」「脱感作療法」とも呼ばれます)。アレルギーを引き起こす原因(アレルゲン)を少しずつ摂取することで体に慣らしていき、治していくという方法です。花粉症治療でもスギ花粉抽出物を使った「舌下免疫療法」が話題になりました。
花粉症を引き起こす花粉とビーポーレンの花粉は違うものですが、ビーポーレンにもこの免疫療法の効果があると言われています。
ビーポーレンを摂る際の注意点
美容・健康面で多くのうれしい効能をもつビーポーレンですが、摂取の際にはいくつかの注意点があります。
①まれにビーポーレン自体がアレルギーの原因になることがあり、ビーポーレンによるアナフィラキシーショックが報告されています。アトピー性皮膚炎の人はアレルギー症状が悪化する可能性も指摘されているため、蜂に刺されたことがある人やアレルギー症状で通院中の人は、摂取する前に医師に相談しましょう。
②ホルモンに関わる成分が含まれるため、妊娠中・授乳中の女性は摂取を控えましょう。はちみつと同様に乳幼児に与えてはいけません。
③ビーポーレンを食べ始めると胃痛や胃の不快感が現れたり、おなかがゆるくなったりすることがあります。健康な人でもまずは少量から摂取しましょう。
④ビーポーレンは日本でも輸入食品店や通販で手軽に購入できるようになりましたが、価格も品質もさまざまです。品質が良くない物は摂取すると逆に不調の原因にもなります。値段で安易に選ばず、きちんと内容を確認してから購入するようにしましょう。
⑤ビーポーレンの採取はミツバチの生存と植物の受粉という自然のサイクルに関わるものです。ミツバチや自然に留意して採取されたものであるかどうかも確認してもらいたいところです。
□友愛養蜂場のビーポーレン
※0:16くらいにビーポーレンを採取する様子が映っています。まさかこんな採り方をするんですね。
ビーポーレンの食べ方・レシピ
ビーポーレンの1日の摂取目安量はティースプーン1杯(約5g)で、そのままスプーンで食べられます。しかし、甘くておいしいはちみつと違って独特の苦味があり、そのままだと食べにくいと感じる人もいるため、食べやすくなる方法をいくつか紹介します。
カプセル加工された商品もあるので、自身が続けやすい方法を選んでください。
ヨーグルトやスムージーに混ぜて
滑らかなヨーグルトやスムージーと一緒に摂ることで、粉っぽいビーポーレンも食べやすくなります。ビーポーレンは加熱すると酵素やビタミンなどの栄養が失われてしまうため、熱い飲み物や食べ物には入れないようにしましょう。
腸内環境を改善してくれるヨーグルトも花粉症の症状緩和に役立ちます。
サラダやシリアルにトッピングして
いつものサラダやシリアルに少量かけるだけで栄養をプラスできます。他の食材と一緒に食べればビーポーレンの味も気になりません。
はちみつ漬けにして
はちみつの甘さで食べやすくなります。同じくさまざまな効能があるはちみつとの相乗効果も期待できます。
花粉症だけではない!日々の健康のためにもビーポーレンを
ビーポーレンは花粉症だけでなく、現代人が抱えるさまざまな不調や病気の予防・改善に役立ってくれそうです。摂取に際してはいくつか注意するべき点がありますが、副作用の強い薬ではなく自然な食品で不調が改善されたらうれしいですよね。
はちみつ、ローヤルゼリー、プロポリスなど、人間はミツバチから多くの恩恵を受けています。ビーポーレンもミツバチが一生懸命集めてきてくれたものです。
お近くのスーパーにないときは、ネットショップの利用も便利ですね。
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ミツバチと自然の恵みに感謝していただきましょう。
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