芋(むらさきいも)」というと紫色のさつまいものことですが、じゃがいもにも濃い紫色をした品種があるのを知っていますか?

「シャドークイーン」という名前で、カラフルポテトとしての見た目だけでなく、その栄養面も注目されているじゃがいもです。

今回は美しい紫じゃがいも「シャドークイーン」の栄養やレシピ、料理のポイントをお伝えします。

シャドークイーンの特徴

実はシャドークイーンはまだ登場して間もない新種のじゃがいもです。これから人気が広がっていきそうなシャドークイーンの特徴を紹介します。

シャドウクイーン1

原産地・生産地

シャドークイーンは北海道で誕生した品種です。既存の紫じゃがいも「キタムラサキ」をもとに、よりアントシアニンの含有量が多い品種として育成されました。

「シャドークイーン」と命名され公表されたのは2006年のことです。現在、北海道を中心に栽培されています。

注目の成分「アントシアニン」

シャドークイーンの皮は黒に近い紫色、中は鮮やかな濃い紫色をしています。これはブルーベリーで有名なポリフェノールの一種、「アントシアニン」という色素によるものです。

シャドークイーンのアントシアニンの含有量は、従来の紫色のじゃがいもと比べると約3倍もあります。

食感・味

見た目はメークイン、食感はしっとりとしてさつまいもに近いじゃがいもです。見た目の色は強烈ですが、味は普通のじゃがいもなので、普段のじゃがいもと同じように料理に使えます。

カラフルポテト

昔はじゃがいもと言えばメークインか男爵、色も皮がベージュで中はクリーム色のものばかりでしたが、現在は特徴もさまざまな品種が店頭に並ぶようになりました。

色味の強いじゃがいもはカラフルポテトと呼ばれ、「イエロー系」「レッド系」「パープル系」の3系統に分かれます。もちろん、紫色のシャドークイーンはパープル系のカラフルポテトです。

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シャドークイーンの栄養・効能

最大の特徴であるアントシアニンの他にも、ビタミンC、カリウムなどのビタミン・ミネラル類が含まれています。

シャドウクイーン2

アントシアニン

アントシアニンは疲れ目や視力低下の予防・改善に効果があるとされる栄養素です。

また、強力な抗酸化作用により体内の活性酸素を除去し、ガンや動脈硬化などの生活習慣病の予防、老化防止に役立ちます。

ビタミンC

生のじゃがいもには100g当たり約35mgのビタミンCが含まれていて、これはレモンやミカンと同じくらいの含有量です。

ビタミンCには、免疫力を高める、紫外線によるシミやソバカスを予防する、コラーゲンの生成を促すなど、さまざまな働きがあります。

ビタミンCは加熱に弱い栄養素ですが、じゃがいものビタミンCはでんぷん質に保護されているため加熱しても損失が少ないのが特徴です。

カリウム

体内の余分な水分や塩分を排出する働きがあり、むくみや高血圧の予防に効果があります。

その他の栄養素

上記で紹介した栄養素以外にも、エネルギー代謝に関わるビタミンB1やナイアシン、体内の酵素の働きを補助するマグネシウム、お通じ改善に役立つ食物繊維などが含まれています。

主成分はでんぷん(糖質)ですが、じゃがいものカロリーは同量の白米と比べると約半分です。じゃがいもをうまく食事に取り入れて、健康・美容に役立てましょう。

シャドークイーンの食べ方

シャドウクイーン3

シャドークイーンの鮮やかな紫色は加熱しても残り、茶色に変色してしまう「褐変」も起きにくいので、その紫色を活かした料理がおすすめです。他のじゃがいもと組み合わせればさらに彩り豊かになり、パーティー料理としても活躍します。

表面の凸凹が少なく芽も少ないので皮が剥きやすいのもうれしいところですね。

一方で、煮崩れは男爵と同程度、またアントシアニンは水に溶けやすく、肉じゃがやシチューなど水分の多い料理に使うと全体が紫色に染まってしまうので、その点は注意が必要です。

ふかし芋/ベイクドポテト/フライドポテト/ポテトチップス/ベイクドポテト

まずはシンプルな調理で素材の味を味わってみてください。他のカラフルポテトと一緒に調理して、色や味の違いを楽しむのも良いでしょう。

ポテトサラダ/ニョッキ

他の具は使わずシャドークイーンだけでもインパクトのある一品に仕上がり、普段のじゃがいもと組み合わせれば色のコントラストが楽しめます。こちらも他のカラフルポテトも一緒に使って、さらに彩りを加えても良いですね。

ポタージュ/ビシソワーズ

スープにする場合はアントシアニンが溶け出てしまうため、野菜の形を残すよりもポタージュやビシソワーズにすると良いでしょう。いつもと違う雰囲気のスープに仕上がります。

色の濃いカレーであれば、あまり気にならないかもしれません。

コロッケ/ソテー

揚げたときに変色する褐変が少ないので、揚げ物・炒め物にも安心です。

スイーツ

スイートポテトや大学芋など、紫いもの代わりにも使えます。

(参考動画)

Delicious colorful potato recipes1カラフルじゃがいもレシピ1 ポテトサラダ アリゴ フライドポテト

シャドークイーンの入手方法

さて、栄養面も優れ、さまざまな料理に活用できる食材シャドークイーンはどこで購入できるのでしょうか。

店頭で

まだスーパーでの取り扱いは少ないので、珍しい食材を扱っているようなスーパーやデパート、または道の駅などの直売所で探してみましょう。スーパーによっては何種類ものカラフルポテトを外国の市場のように箱で並べて、自由に組み合わせて選ぶことができるところもあります

通販で

近くで取り扱っている店舗がない場合でも、ネットショップで簡単に注文して取り寄せることができます。

時期にもよりますが、価格は1kg1000円ほどです。数種類のじゃがいもの詰め合わせも用意されているので、この機会にシャドークイーンだけでなく、色々なじゃがいもを食べ比べてみても良いですね。

家庭菜園で

種や苗もネットショップで購入することができます。普通のじゃがいもと同じように栽培できるので、自分で育ててみるのも良いでしょう。

美容と健康にシャドークイーンを

一般的に「おいしそう」と思う色は赤・オレンジ・黄色の暖色系の色で、逆に青・緑・紫などの寒色系の色は食欲を減退させる色と言われています。しかし、過去に「おいしい」と感じた経験があったり、健康に良いということを脳が知っていると「食べたい」と思うそうです。

今回は紫色のじゃがいも「シャドークイーン」についてお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか。シャドークイーンは栄養も良く、さまざまな料理に使えて彩りも楽しめます。ぜひお試しください。