パーティにお出したい一品として、香りと風味が美味しい生ハムがあります。「原木」と呼ばれる大きな生ハムをスライスしていただくと、なんとも贅沢な美味しさが広がりますよね。
贈答用としても人気の生ハムですが、カタログを見ているとプロシュートというものが。更にはハモンセラーノというものもあり、生ハム一つを購入するにしても迷ってしまいます。
これらは似ていますが、どう違うのでしょう?
そこで、生ハムとプロシュート、そしてハモンセラーノの特徴やそれぞれの違いについてご紹介します。
生ハムとプロシュートの違いは?
生ハムとは
生ハムはハムの製造方法の一種で、加熱せずに製造したものを指します。
主に使われるのは豚もも肉で、塩やハーブを刷り込んで低温で熟成・乾燥させて作られます。
また燻製のように煙で燻すこともありますが、この場合も低温での燻製。直接肉に熱を通さないように作るため、日本では生ハムという名称が定着しています。
日本は生ハム向きの環境ではない
日本では「ハム」と「生ハム」と、それぞれ区別して呼ぶことが多いですよね。一方で欧米などの外国では、それぞれ区別せずにまとめて「ハム」と呼ぶことがほとんどです。
これは日本では、様々な肉と大豆たんぱくを混ぜて固めた「プレスハム」がよく食べられているから。また湿気の多い日本は、乾燥させて作る生ハムにとってカビやすい環境。
そのため加熱しているハムと区別するために、「生ハム」としています。
プロシュートとは
プロシュート(プロシュット)とはイタリアで、豚のもも肉のハム全般を指す言葉。
その意味は「とても乾燥した」というもので、ハムの製造方法が由来となっています。
イタリアにおける豚もも肉のハムは、製造方法によって名称が変わります。
豚もも肉を塩漬けにしたあと、燻製するなどして加熱したハムを、プロシュット・コット。
塩漬けにしたあとに乾燥させてながら熟成した非加熱のものを、プロシュット・クルードと呼んでいます。
生ハムメロンはプロシュートで
「生ハムメロン」という料理がありますが、これはプロシュートと、カンタロープという名前のメロンを組み合わせた料理。
カンタロープはマスクメロンの一種で、日本のメロンよりも甘みと香りが薄い特徴があります。そこに塩気のあるプロシュートを組み合わせると、甘さと塩気がちょうど良いバランスに。
日本のマスクメロンは甘みと香りが強いがために、微妙な料理と感じる原因だったんです。
もしプロシュートを使って生ハムメロンを作るなら、メロンではなく「真桑瓜(マクワウリ)」を使うと近い味になりますよ。
ハモンセラーノとは
スペイン産の生ハム
プロシュート・中国の金華ハムとともに、世界三大ハムの一つとして扱われるハモンセラーノ。こちらはスペイン産の生ハムで、ハモンセラーノの「ハモン」は、熟成させたハムという意味。
「セラーノ」は、「山の」という意味で、アンダルシア地方などの山岳で作られていることから名付けられました。
スペインで「ハモン」といえばこのハム(ハモンセラーノ)を指し、加熱したハムのことは「ハモン・コシード」と区別しています。
ハモンセラーノの作り方は、塩漬けした豚もも肉を長期間乾燥させて熟成。プロシュートなどの生ハムと同じ作り方をしますが、プロシュートより塩気が強い特徴があります。
イベリコ豚を使うと
スペインといえば、イベリコ豚が有名。しかしハモンセラーノでは、イベリコ豚ではなく白豚が使われます。
イベリコ豚を使った生ハムもありますが、こちらは「ハモンイベリコ」というもの。味わいも生ハムでありながら、脂身がとろけるような味わいが特徴となっています。
生ハム・プロシュート・ハモンセラーノの違いまとめ
最後に、生ハム・プロシュート・ハモンセラーノの違いをまとめました。
■生ハム
豚もも肉に塩や香辛料を刷り込み、燻製にしたり低温熟成させたハムのこと。
日本では加熱したハムが主流のため、他のハムと区別するために「生ハム」と呼ばれている。
■プロシュート
イタリア原産の生ハムで、プロシュットとも。その意味は「とても乾燥した」というもの。
塩漬けした豚もも肉を低温熟成させたもので、燻製はしていない。
■ハモンセラーノ
スペイン原産の生ハムで、ハモンは「熟成させたハム」セラーノは「山の」という意味。塩漬けした白豚の太ももを使い、燻製はしていない。
プロシュートに比べると、やや塩気が強い。
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味わいを食べ比べてみて!
生ハムは塩気が強く感じられるため、野菜や果物と合わせて食べるのが一般的。メロンと合わせる食べ方もありますが、甘みと香りが控えめのメロンを使うとより美味しさが引き立ちます。
最近ではプロシュートやハモンセラードも、スライスされたものが販売されていることが。パーティーで出して食べ比べてみると、味の違いに盛り上がるかもしれませんね。
産地や製造方法も様々な生ハムを、ぜひ一度食べ比べてみませんか?
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