使の取り分」と聞くと、神の使いであるあの可愛らしくも愛くるしい天使たちが、ちゃっかり自分たちの分け前はいただいていく、というような、なんとも微笑ましい映像が頭に浮かんできませんか?

その「天使の取り分」とは一体何のことか、あなたは知っていますか?
わかりやすく、紹介していきましょう。

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天使の取り分って何?

天使3

「天使の取り分」は、英語では「エンジェルズシェア(Angel’s share)」と呼ばれています。主にウイスキーでよく使われる言葉ですが、他にも樽で熟成されるワイン、ブランデー、ラム酒などにも用いる言葉です。

熟成していく中で、少しずつ水分、アルコール分が蒸発していきます。つまり、熟成中にだんだんとお酒の量が減っていく。

「それはきっと、天使がこっそりお酒を飲んでいるからに違いない!」

そんなロマンチックな発想から、減ったお酒の量を、「天使の取り分」というようになったのです。

そして、「天使にお酒を分けているから、天使が魔法をかけてくれたから、お酒が美味しくなった」といわれてきたわけです。ところで、その「天使の取り分」は、年間でいうと、一体どのくらい減るのでしょうか?

温度や湿度などの条件によって変わることがありますが、大体、年間2%~4%といわれています。
熟成する期間が長ければ長いほど減っていくということです。

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天使の取り分があると、お酒は美味しくなるの?

先ほども、「天使の取り分のおかげで美味しくなる」という話が出てきましたが、本当にそうなのでしょうか?

樽で熟成されるからこそ、起きる「天使の取り分」。
樽といえば、木材で出来ていますよね。木材は呼吸しています。その呼吸と一緒に、蒸気になったアルコールが放出されていく。それを繰り返し、お酒と木の成分が溶け合うことで、味わいが豊かになるわけです。

やはり、お酒が美味しくなるには、「天使の取り分」が重要な要素になってくるということですね。昔の人が「天使の取り分」と、呼びたくなったわけが、とても理解できますね。

「天使の取り分」で、お酒が美味しくなるとわかったところで、樽熟成についてよくわかる動画を紹介しますね。なぜ、樽熟成をするようになったのかも、説明してくれていますよ。

「ウイスキーの樽熟成を知ろう」

天使の取り分を防ぐ方法はある?

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生産者にとっては、「天使の取り分」は、少々厄介に感じることもあるでしょう。だって、せっかくのお酒、商品にするときには量が減っているのですからね。

ウイスキーを、10年缶樽の中で熟成させると、8割程度まで減ってしまうのです。なんとか、減らしたくない、そんな気持ちになるのも当然。

ですから、「天使の取り分」を防ぐ方法として、木の樽ではなく、金属製の樽を使うなどの方法が、試されたこともあったようです。しかし、樽で熟成されたような風味を出すことはできず、採用されていません。

現代の技術を駆使しても、「天使の取り分」を防いだり、熟成期間を短くしたりすることはできないのです。

それもそのはず。
ウイスキーでいうと、ウイスキーは熟成前の、蒸溜段階では無色透明。
熟成していく段階で、木の成分が溶け出てウイスキーが琥珀色になり、香りがつくわけですから、樽で熟成させなければいけないのです。

昔と変わらない方法で、ゆっくり熟成することが大切。
結局、樽で熟成するということは、「天使の取り分」を、避けることは出来ないというわけですね。

美味しいお酒は、天使のおかげ!

天使の取り分2
5年、10年、20年、長い年月をかけて出来る美味しいお酒。
昔の人からすると、長い時間をかけたら、なぜ、お酒が熟成されて美味しくなるのか、そしてその反面、なぜ量が減っていくのか、不思議な現象だったことでしょう。

そんな神秘的な出来事だったから、「天使の取り分」と名付けたのでしょうね。

そして、世の中の科学技術が発展してきた今でも、「天使の取り分」に取って代わる技術はないのです。

そう思ったら、これから飲むお酒は、より一層美味しく感じるかもしれませんよ。