人気のおにぎりの具の一つに、ぴりっと辛い明太子があります。ほぐしてパスタと和えてもおいしいですし、アツアツのご飯にのせるとおかずが要らなくなるほどですね。
そんなおいしい明太子ですが、実は記念日が12月12日と1月10日の2つあることを知ってましたか?また名前に関しても、「明太子」で「めんたいこ」と読むのも気になりますね。
そこで、
- 明太子の日は2つある!
- 12月12日の明太子の日とは?
- 1月10日の明太子の日とは?
- 明太子の名前の由来
- 明太子・辛子明太子・たらこの違い
…といった内容で紹介します。ぜひ参考にしてくださいね!
明太子の日は2つある!
「明太子」の2つの記念日
「明太子」はスケトウダラの卵である「たらこ」を、唐辛子などに漬け込んだもの。「辛子明太子」とも呼ばれ、福岡市や下関市が主な名産地となっています。
最近では冷凍技術の発達で1年中食べられますが、産卵時期と重なる11月~1月ごろが特においしいんです。
そんな明太子の記念日ですが、
- 12月12日
- 1月10日
…の2つの記念日があります。
2つの記念日があるのは、明太子の歴史と関係しているからです。
12月12日の明太子の日とは?
山口下関の明太子
12月12日の明太子の日は、山口県下関市の「前田海産」が制定したもの。前田海産は辛子明太子の専門店で、辛子明太子の普及と下関のPRのために制定されました。
辛子明太子が日本で食べられるようになった経緯には、いくつかの説があります。その中の一つが、朝鮮半島から下関経由で広まったというもの。
朝鮮半島では「たらこ」を唐辛子漬けにした料理があり、これが日露戦争後に輸入されるようになりました。当時下関と釜山の間には定期連絡船があったため、最初に上陸したのが下関なんです。
そして下関の新聞「関門日日新聞」にて、「明太子」という名称で初めて紹介されたのが大正3年(1914年)12月12日のこと。これが日本で始めて、明太子が登場した日とされています。
このことから12月12日を、明太子の日と制定することになりました。
1月10日の明太子の日とは?
福岡博多の明太子
1月10日の明太子の日は、福岡県福岡市博多区の辛子明太子メーカー「ふくや」が制定したもの。1月10日となったのは、この日が「ふくや」の店頭で初めて辛子明太子を売り出した日だからなんです。
ふくやの創業者である川原俊夫氏は、かつて釜山で「たらこの唐辛子漬け」を食べたことがありました。終戦後福岡で、その時の記憶をもとにして「たらこの唐辛子漬けづくり」に挑戦します。
そして日本人好みの納得の行く商品を作り出し、昭和24年(1949年)1月10日に「辛子明太子」の名前で売り出すことになりました。
これが評判となった上に他のお店でも作るようになったことから、辛子明太子は福岡名物となったんですね。
下関の明太子の日(12月12日)と福岡の明太子の日(1月10日)の違いは次の通りです。
- 12月12日(下関)…朝鮮半島より輸入した辛子明太子を、日本の新聞で始めて「明太子」と紹介した日
- 01月10日(福岡)…朝鮮半島のものをもとに日本独自の味の辛子明太子を作り、初めて販売した日
どちらも明太子の歴史に深く関係していますので、12月12日、1日10日のどちらも記念すべき日と言えますね!
明太子の名前の由来は?
たらこの呼び方の由来
ところでなぜ「明太子」と書いて、「めんたいこ」と読むのか気になりませんか?
現在ではスケトウダラの卵やその卵を塩漬けにしたものを「たらこ」と呼んでいます。しかし昭和30年ぐらいまでは「たらの子」と呼ぶことが多く、地方によっては違う呼び方で呼ばれていました
その中でも福岡では、スケトウダラの卵やその卵を塩漬けにしたものを「明太子」と呼んでいたんです。
この「明太子」とは、朝鮮語でのスケトウダラの読み方からきたもの。朝鮮半島ではスケトウダラを「ミョンテ(명태)」と読み、漢字では「明太」と書いていました。ミョンテ(明太)の卵なので「明太子」となり、これが福岡や下関に伝わって日本語読みの「めんたいこ」になりました。
明太子・辛子明太子・たらこの違い
その後、辛子漬けした「辛子明太子」が広まると、塩漬けを「たらこ」と呼ぶ地域では「辛子明太子」のことを省略して「明太子」と呼ぶようになったんです。
そのため明太子・辛子明太子・たらこは、スケトウダラの卵という点では原材料は同じものですが、一般的には、
- 「明太子(=辛子明太子)」は辛子漬けしたもの(辛いもの)
- 「たらこ」は塩漬けしたもの(辛くないもの)
と、区別するようになりました。
ちなみに今でも福岡では、
- 「明太子(=たらこ)」は辛くないもの
- 「辛子明太子」は辛いもの
と区別して呼ぶことが多いですね。
明太子も辛子明太子もおいしい!
辛くておいしい明太子には2つの記念日がありますが、どちらも明太子の歴史に関わるものです。
12月12日の明太子の日は山口の下関発祥で、下関の新聞にはじめて「明太子」の名前が掲載されたことから。1月10日の明太子の日は福岡の博多発祥で、福岡ではじめて「辛子明太子」が売り出された日です。
朝鮮半島の明太子が下関にもちこまれ、福岡では日本人好みの辛子明太子が・・・
いずれにしてもおいしいことには変わりないので、どちらの記念日にも明太子をたっぷり味わいたいですね!
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