毎日の生活において、会社を往復するだけで変化がないと感じたことはありませんか?
また単調な生活に飽きてしまい、新しい何かをつい求めてしまいがち。そんな時に思い出してほしいのが、「一期一会」という四字熟語です。
よく聞く言葉の一つではありますが、どんな意味があってどのように使う言葉なのでしょうか?
そんな一期一会の意味や読み方、また言葉の使い方や、似た意味を持つ類義語について紹介します。
一期一会の意味とは?
一期一会の読み方と意味は?
一期一会は「いちご いちえ」と読む四字熟語。次の意味があります。
- 一生に一度しかない機会であること
- 人生に置いて一度きりであること
- 一度きりしかないと考えて、物事に専念すること
一期(いちご)は元々仏教用語で、生まれてから死ぬまでの人の生涯を表すもの。また一生に一度しかないことや、一生に関わるほどの出来事を指す言葉でもあります。
一会(いちえ)は集会を指す言葉で、特に法要や茶会のことを指しているんですね。
一期一会の由来は?
一期一会という言葉は、茶道と深い関わりがあります。というのも一期一会という考え方を提案したのが、千利休だと言われているからなんです。
千利休は戦国時代の商人にして、茶道を完成させた人物。その言葉は弟子たちの手によって、後世に伝えられ続けてきました。
そのなかで山上宗二(やまのうえ そうじ)という弟子が書いた「山上宗二記」に、次の一文があります。
簡単に意味をまとめると、
…ということ。
この言葉が「一期一会」として広まったのは、戦国時代から200年以上も後の幕末になってから。桜田門外の変で知られる江戸幕府の大老・井伊直弼(いい なおすけ)が残した、「茶湯一会集」という書物によるものです。
書物の冒頭で「一期一会」という言葉で紹介したことから、四字熟語として広まることになりました。
考え方を提案したのは千利休で、伝えたのは弟子の山上宗二の書物によるもの。そして四字熟語として完成したのが井伊直弼という、少し変わった由来のある言葉が「一期一会」というわけですね。
一期一会の使い方
一度きりの大切な物事に対して
一期一会の使い方ですが、大切にしたい物事に対して使いましょう。
- 今日のパーティーを一期一会と思い、末永くこの縁が続くよう願っております。
- 旅での出来事は一期一会なので、全てを忘れないように記憶しておきたい。
同じ場所で同席した人とは、もしかしたら次には会えないかも知れない。だからこそ今を大切にしたい時に「一期一会」を使うと相手に強く伝わりますよ。
またイベントや旅先などでの出来事は、再現するのは限りなく難しいこと。だからこそ大切にしたいと思う場合にも、「一期一会」で表現できるんですよ。
座右の銘として
四字熟語を座右の銘とする人や企業は多いですが、「一期一会」はサービス業などで好まれる言葉です。
常連の方でも初めての方でも、お会いする時は常に一度きりかもしれません。だからこそ丁寧な接客を心がけるという気持ちを、一期一会で表すことができるというわけです。
また個人の座右の銘とした時は、縁があった人すべてを大切にする気持ちが伝わる言葉ともなります。
一期一会を使うときの注意点
一期一会の使い方でよくあるのが、「一期一会の出会い」という表現です。
一生に一度の出会いという意味でつい使いそうになりますが、これは間違った使い方。一期一会には「一生に一度の出会い」という意味が含まれるため、「一期一会の出会い」という言い方は二重表現となってしまいます。
特別な出会いと強調したい気持ちはわかりますが、そのまま「一期一会」で大丈夫ですよ!
一期一会の類語は?
千載一遇
一期一会に似た言葉に、千載一遇(せんざいいちぐう)があります。
意味は「千年に一度とも言えるぐらいの、訪れそうもないとても良い機会」…というもの。大きなチャンスを大切にしたい時は、一期一会より千載一遇のほうがぴったりですね。
合縁奇縁・愛縁奇縁
より人との出会いを大切にしたいのであれば、合縁奇縁(あいえんきえん)もふさわしい言葉です。
愛縁奇縁とも書くこの四字熟語は、「人とのめぐり合わせやつながりは、不思議な縁で結ばれてる」…という意味があります。
また男女の縁にも使われる言葉なので、結婚式のスピーチにもぴったりですよ。
一期一会の縁を大切にしよう
一期一会という言葉には、「一度きりかも知れない縁を大切にする」という意味があります。
これは千利休が残した言葉が元になったもので、お茶の席での心得を示したもの。毎日会う人でも何があるかわからないため、今この時を大切にしようというものです。
お店や個人にとっても、「座右の銘」にすると、人とのつながりを大切にすることが伝わる言葉でもあるんです。
毎日が一度きりだと思えばすべてが大切ですので、一期一会の気持ちを忘れずにいたいですね!
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