小さい頃に、学校からの帰り道でつい寄り道してしまった思い出はありませんか?
例えば草花を摘んで指輪や冠を作ったり、木の実や花の蜜を吸ったりと楽しかったですよね。特につつじの花には蜜があるため、つい摘んでしまってはご近所さんに叱られた記憶もあるかもしれません。
そんな甘い記憶のあるつつじの蜜ですが、実は毒を持ってる種類があることをご存知でしたでしょうか?毒と聞くとビックリしますが、何の種類のつつじに症状がでるのか気になります。
そこで、
- つつじの蜜の毒について
- 毒を含む蜜を吸うとどうなるの?
- 毒をもつつつじの種類は?
…について紹介するので、ぜひ参考にしてくださいね!
つつじの蜜に毒がある!?
花の鑑賞マナーを守ろう
つつじの蜜に毒があることについてご説明する前に、まず覚えてほしいのが「花の鑑賞マナー」についてです。
公園や個人宅の庭に咲く花も、野山に咲く花も、そのままの姿を楽しむのが基本。どんな花でも触れてはいけませんし、ましては花を摘んだり株ごと持ち帰ることは厳禁です。
特に野山に咲く自然の花は、その環境でしか育たない品種も。花を摘んだり持ち帰ることで、その地域の生態系が崩れることもあります。
また個人の庭や公園の花も、誰かが丹精込めて育てた花。どうしてもつつじの蜜を味わいたいなら、自分で育てたつつじだけにしましょう。
品種によって毒があるつつじが
つつじの蜜に毒があると言われても、小さい頃に口にしても平気だった方も多いですよね。それは全てのつつじに毒があるのではなく、いくつかの限られた品種にのみ毒が含まれているからです。
そのため小さい時に口にしたつつじの蜜は、運良く「毒のない品種」だった可能性が高かったとも言えますね。
羊が草を食べて
つつじを漢字で書くと『躑躅』という、とても難しい漢字を使います。これは中国から伝わった漢字で「てきちょく」とも読みますが、その由来はつつじの毒とも関係しています。
ある時、羊が草を食べていると、いきなりふらつきながら苦しみだしました。残念ながらその羊は死んでしまったのですが、その時食べていたのがつつじの葉。
そこから「行っては止まる」「躊躇」という意味がある、「躑躅」という字がつつじに使われたんですね。
蜜に含まれる毒を口にしたらどうなるの?
しびれやふらつきなどの症状
羊が食べて苦しんだと言われるつつじの毒ですが、口に含むと次の症状があらわれる事があります。
- 吐き気や嘔吐
- けいれん
- 体のふらつき
- 麻痺症状
- けいれん
- 酔ったときのような酩酊状態
- 血圧低下
- 呼吸困難
これらは蜜を口にした直後よりも、数時間後にあらわれることが多いです。
そのため別の病気だと思ってしまったり、その後の食事が原因だと勘違いすることもあるんです。子供の頃に口にしたつつじに関しても、実は気づかず毒に当たっていた可能性もありますよ。
万が一つつじの蜜を口にした場合は?
もしつつじの蜜を吸った後にこれらの症状があらわれたら、まずは医師の診断を受けましょう。その際につつじの蜜を口にした事を告げ、毒による中毒の可能性を伝えるようにしてください。
早いうちに適切な診察を受けることができれば、後遺症もなく症状もすぐに回復することが可能です。
特に小さい子どもやペットの場合、そのまま放置すると危険なので、注意してくださいね!
毒があるつつじの種類は?
レンゲツツジに毒が
つつじの毒に関しては、全てのつつじに含まれているわけではありません。日本でよく見かけるつつじに関しては、「レンゲツツジ」が毒のある品種となります。
レンゲツツジは北海道南部から九州まで自生するつつじで、庭木としても人気の品種。開花時期は4月から6月にかけてで、葉が生えるのと前後して鮮やかな朱色・黄色の花を咲かせます。
□レンゲツツジの花が咲く志賀高原
https://youtu.be/1FGAYnX55Xc
*レンゲツツジは色鮮やかな花が咲くため、人気の品種なんです。
ちなみに黄色い花を咲かせる物を「キレンゲツツジ」と呼びますが、こちらも同じくレンゲツツジとなります。
なおレンゲツツジは、幹・葉・花びら・花粉など、蜜だけでなく樹木全体に毒を持っています。そのため花粉を吸い込んだり、葉が口に入ったことで中毒症状を起こす可能性も。
特に子供と花を楽しむ時は、少し離れて鑑賞することをおすすめします。
レンゲツツジと他のツツジの見分け方は?
他のつつじとレンゲツツジの違いですが、次の点に注目しましょう。
- レンゲツツジの葉は、やや細長く少しカールしている。
- レンゲツツジは、開花時の葉の数が少なめ。
- レンゲツツジの花は、鮮やかな朱色または黄色で、先端がやや尖っている。
こちらはピンク色のヒラドツツジですが、よく見かける無毒の品種ですね。
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ただし、実際はレンゲツツジに見た目が似ている品種もあり、見分けはつきにくいものです。またつつじ自体がとても品種の多い花。つつじを楽しむ場合は、少し離れて鑑賞すると安心ですね。
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最大の対策は「花を摘まない」こと
小さい頃の思い出で、つつじの蜜はとても甘かったように記憶しています。しかしつつじの中でもレンゲツツジには毒があり、口にすると思わぬ症状に襲われることがあります。
また街角に咲く花は埃などで汚れていますし、庭に咲く花は勝手に摘み取る行為は厳禁。つつじに限らず全ての花は、摘み取らずそっと見て楽しむことが大切ですね。
つつじに毒があると恐れるのではなく、花全体を優しく愛でる事を心がけましょう!
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