日本を代表する花と言えば、桜の名前がまず挙がりますよね。日本の桜のように、他の国にも「国を代表する花」があり、国民に深く愛されているんですね。
例えばお隣の国である韓国の場合は、「ムクゲ(木槿)」の花が国を代表する花。韓国名ではムグンファ(無窮花)と言われるムクゲは日本でも見かけますが、どんな花なのか?また花言葉は何なのか?など気になりませんか?
そんな気になるムクゲの花について、花言葉や開花時期などをまとめてみました。
ムクゲの花言葉は?
信念・尊敬
ムクゲ(木槿)の花言葉として挙げられるものは、次の5つが有名です。
- 信念
- 尊敬
- デリケートな美
- 新しい美
- 柔和
この内の「信念」と「尊敬」ですが、ムクゲが漢方薬として用いられたことが由来となっています。
ムクゲの樹皮を乾燥させると木槿皮(モクピンキ)、花を乾燥させると木槿花(モクピンカ)という生薬に。
いずれも抗菌作用があり、胃腸炎・下痢止め・皮膚炎の薬に。そこから病を治す信念と、病気を治すことへの尊敬が花言葉となりました。
尊敬も信念も花言葉として使いやすいため、年長者への贈り物に最適ですね。
デリケートな美と新しい美
ムクゲには
「デリケートな美」
「新しい美」
という、ニュアンスの違う二つの花言葉も存在します。
これはムクゲの花の印象と、その様子からつけられたものです。
ムクゲの花は早朝に開花し夕方には散る、「一日花」と呼ばれています。
実際は夕方に一度しぼんで翌朝再び開花するのですが、それでもすぐ散ってしまう花。その様子から繊細なイメージとなり、デリケートな美という花言葉となりました。
一方でムクゲは生命力の強い花で、枝に次々と花を咲かせます。
一つの花が散っても、すぐ新しい花が咲く様子から「新しい美」という花言葉も。贈り物とするときは、繊細でありながら長く続く美しさをうまく表現したいですね。
ちなみに「柔和」という花言葉に関しては、花の柔らかな印象から取られたものなんですよ。
ムクゲとはどんな花?開花時期は?
成長すると10メートル以上にも
ムクゲ(木槿)はアオイ科フヨウ属の落葉樹で、インド・中国が原産地。日本には奈良時代に伝わり、長く庭木として親しまれています。
庭で見かけるムクゲは2~3メートルほどのものが多いですが、成長すると10メートル以上の樹木に。そのため街路樹として採用されたり、公園に植えられている事もあります。
韓国を代表する花
ムクゲは韓国では「国花」という扱いで、国章としてモチーフに採用されているほど。国章とはその国を象徴する紋章のことで、この事からもとても重要な花だとわかりますね。
韓国でムクゲはムグンファ(無窮花)と呼ばれていて、これが日本に伝わって「ムクゲ」となったという説が。一方で中国では木槿(ムーチン)と読みますが、この漢字を日本語読みにして「ムクゲ」としたという説もあります。
夏から秋にかけて
ムクゲは品種改良が盛んな花で、その種類は数え切れないほど。
直径10センチほどにもなる花は改良の結果、赤・白・紫やこれらのグラデーションで咲くものが。さらに花びらが一重のものと八重のものがあり、その違いを楽しめるのも魅力の一つとなっています。
ムクゲの開花時期は、7月から10月にかけて。
- 一重の品種は2~3日程度の開花
- 八重の品種は2週間ぐらいの開花
となります。
ただしムクゲは次々と開花するため、樹木全体としては長期間花が楽しめます。
華道と茶道で評価が
ムクゲの花の特徴は先に触れましたが、「一日花」と言われるほどすぐに散ってしまうこと。そのためか華道の世界では、ムクゲは使うべきでないとする時期がありました。
特に江戸時代初期の書物では、ムクゲは忌花の一つに挙げられるほど。その後、流派によって解禁されたり、お祝いの席に使うべきでないとされたりと扱いは様々。
現在は一輪挿しなどに使われることも多いですが、流派によって違うので確認したほうが安心ですね。
一方で茶道ではすぐに散るはかなげな姿が、茶人の間で侘び寂びの世界に繋がるという評価が。千利休の流れをくむ茶人・千宗旦が愛した花でもあることから、夏の茶会に添える花として使われています。
ちなみに俳句の世界では、ムクゲは秋の季語。
茶道では夏の花として扱われることも含めて、注意が必要ですね。
はかなく、長い。
庭先や公園で繊細な花を付けるムクゲは、奈良時代より長く日本で愛され続けてきた花。その姿は韓国でも親しまれていて、国花として採用されるほどです。
一日で散ると言われる一方で、次々と花を咲かせて私達の目を楽しませてくれるムクゲ。改良されて品種も多いことから、様々な側面を見せてくれる花でもありますね。
街角や公園でムクゲをみつけたら、まずはその花をじっくりと楽しみませんか?
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