の花といえば梅や桜が有名ですが、他にも様々な花が私たちの目を楽しませてくれます。特に真っ白な花が咲くハクモクレンコブシは、梅・桜とは違った美しさですね。

そんな「ハクモクレン」と「コブシ」はどちらも白い花ですが、どう違うのでしょう?違いが有るならしっかり覚えて、それぞれの花を楽しみたいですよね。

そんな「ハクモクレン」と「コブシ」の違いや見分け方について紹介します。春が訪れる前に覚えてくださいね!

ハクモクレンとコブシの違いは?

ハクモクレンとは?

白木蓮

ハクモクレン(白木蓮)は、モクレン科モクレン属の樹木で、モクレン(木蓮)という樹木の仲間です。

モクレンは中国原産の樹木で、高さは3m~5mとそれほど大きくありません。

  • 中国では「紫玉蘭(シギョクラン)」
  • 日本では「紫木蓮(シモクレン)」「玉蘭(ギョクラン)」

の別名があるんです。

花は3月~5月頃に開花し、豊かな香りと大きめの紫の花が楽しめます。

そんなモクレンの仲間であるハクモクレン(白木蓮)は、全長10m~15mほどまで樹木が成長します。3月~4月にかけて真っ白な花がたくさん開花し、まるで木に雪が積もったかのように見えるほどです。

ですが雪とは違って豊かな香りが楽しめるため、すぐにその違いに気づきますよ!

ハクモクレンの花の特徴ですが、花びらが9枚で厚みがあり空に向かって咲くことです。ただし花びらは全て開ききらず、チューリップのようにやや閉じたような咲き方となります。

また花が咲いている時期に葉は付かず、花が落ちてから緑がつきはじめます。この点もハクモクレンが開花すると、木が真っ白に見える理由の一つかもしれませんね。

□ハクモクレン満開!
https://youtu.be/-76oVhCebxU

*どの花も、上向きに咲いているのがわかりますね。

コブシとは?

辛夷

コブシ(辛夷)は日本原産の樹木で、モクレン科モクレン属に属するモクレンの仲間です。

少し変わった名前の由来は、果実の見た目が握りこぶしに似ているからです。また早春に田を掘り起こす時期に花が咲くことから、秋田周辺では「田打ち桜(たうちざくら)」とも呼ばれています。

さらにはアイヌ語で、

  • 「良い匂いの木」という意味の「オマウクシニ」
  • 「放屁する木」という意味の「オプケニ」

の呼び名もあるんですよ。

辛夷の樹木は最大で18mほどまで成長しますが、枝が折れやすい弱点があります。実は枝が折れると、そこから良い香りが楽しめる特徴もあるんですよ。

わざと折るのは駄目ですが、自然に折れてしまったコブシの香りは楽しんでみたいですね。

コブシの開花時期は3月~5月で、香り豊かな白い花が開花します。花びらは6枚でやや薄めですが、全て開ききるため大ぶりな花が目を楽しませてくれます(ただし花の大きさはハクモクレンよりは小さめです)。

また開花する向きも下・斜めなど一定ではないので、樹木全体が花で覆われた印象を与えます。

しかしよく見ると花の下に葉が小さくついてますし、開ききった花の中心部がうっすらピンクに見えます。そのため全体が白くはありますが、少しだけ違う色も楽しめるんですよ。

□花の風景 コブシの花
https://youtu.be/dJgbTfi1M7Q

*大きく開いた花が風に揺れて、春の暖かさが感じられますね。

ハクモクレンとコブシの見分け方は?

ハクモクレンとコブシは、どちらも近い時期に白い花をたくさん咲かせます。そのため見分けがつきにくいのですが、花の咲き方を確認するとわかりやすいですよ。

ハクモクレンは花びらが9枚で、全体的に厚みがあります。そして花びらは全て開ききらず、上をむいて咲く特徴があるんですよ。

コブシは花びらが6枚で、薄めの花びらが全て開ききります。咲く方向も一定ではなく、また小さな葉もついているため白い中でも違う色が楽しめます。

どちらかわからないときは、花の向きと中が見えるかを確認しましょう。

  • 上向きで花の中心部が見えないなら「ハクモクレン」
  • 様々な方向に咲いて中が見えたら「コブシ」

ですよ!

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ハクモクレンとコブシの違いのまとめ

最後に、ハクモクレンとコブシの違いを表にまとめました。

ハクモクレン
(白木蓮)
コブシ
(辛夷)
原産地中国日本
樹木の高さ10m~15m最大で18mほど
開花時期3月~4月3月~5月
花の色
花びらの数9枚6枚
花びらの厚み厚みがある薄い
花の大きさ大きめ小さめ
開花する方向上向きランダム
花びらの様子半開き完全に開ききる
開花時期の葉つかない花の下に小さくつく

花の色など共通点も多いハクモクレンとコブシですが、開花する様子など、違いもはっきりしています。近くによってじっくり見れば、その違いに気づきますよ。

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春に咲く白い花を楽しもう!

先に咲く花は、梅や桜のような赤やピンクの印象が強く残ります。そのため冬の雪のように真っ白な、ハクモクレンやコブシの花をみると新鮮な気持ちになりますね。

どちらもよく似た花を咲かせますが、花の様子や開花する向きを確認すると違いがわかります。またどちらも豊かな香りが楽しめますので、絶妙な香りの違いも楽しみたいですね。

春の木々を真っ白に染め上げる、ハクモクレンとコブシをたっぷり目で味わいませんか?