花屋やガーデニングで見かけるお花は、名前が分からなくても美しい花ばかり。
一方で美しい名前の花もあり、名前のイメージと実際の花と見比べる楽しみもあります。
そんな美しい名前の花の一つとしてあげられるのが「月下美人」。どんな花が咲くのかも気になりますし、名前にふさわしい花言葉があるのかも気になりますね。
そこで、月下美人の花言葉と、どんな花なのかをご紹介するので、ぜひ覚えてくださいね!
月下美人の花言葉とは
花言葉も美人

月下美人の花言葉は、次の6つがあります。
- ただ一度だけ会いたくて
- 秘めた情熱
- はかない美
- はかない恋
- 繊細
- あでやかな美人
これらの花言葉は、月下美人が持つ様々な言い伝えが由来となっています。
月夜に一度だけ咲く
月下美人の言い伝えで特に有名なのが、
「一年に一度・満月あるいは新月の夜にしか咲かない」
…というもの。
このイメージから生まれたのが、「はかない恋」「はかない美」という花言葉。
「繊細」という花言葉も、一年に一度という言い伝えから名付けられました。
一度きりだからこそ
一方で一度きりしか咲かない事を、強い意志を秘めた花だと例える場合もあります。
「ただ一度だけ会いたくて」という花言葉は、恋心を叶えたいという強い意志の表れ。また「秘めた情熱」という花言葉も、一度だけ咲く様子を表したもの。
更に月下美人の花の美しさから、あでやかな美人にも例えられています。
一度きりの花をはかないものと取るか、内に強い心を秘めていると取るか。
同じ月下美人の花ですが、解釈で花言葉が変わるのも面白いですね。
月下美人とはどんな花?
開花時期と特徴は
様々な言い伝えがある月下美人ですが、実際はどんな植物なのでしょうか。
月下美人はサボテン科クジャクサボテン属の多肉植物で、原産地はメキシコを中心とした中南米一帯。昆布のようなうねりのある平らな葉のようなものと、細長い鞭のような茎を持つ特徴があります。
平らな葉の様なものは「葉状茎」という茎の一種で、これが2mぐらいになると先端に花が。
開花時期は6月から11月頃で、直径20センチ程度の強い香りを持つ白い花を咲かせます。

夜に咲く花
月下美人はその名の通り、夜に開花し、朝方には散ってしまう特徴があります。
夜開花するのは、受粉に夜行性のコウモリを介するから。強い香りを持つのも、コウモリを呼び寄せるためなんですよ。
また一度きりしか咲かないと言われてはいますが、実際は開花時期内に2~3度咲くことも。栄養状態が充分であれば、新たなつぼみが開花します。
最初の開花を見逃しても、運が良ければ再び開花を見られるかもしれませんね。
□月下美人の開花映像(高速再生)
https://youtu.be/IDbAYAXL6QU
*一晩で咲く花なので、ゆっくり観察することも可能ですよ。
なぜ「月下美人」というの?
月下美人という詩的な名前の由来には、いくつかの説があります。
その一つが、すでに説明した「新月・満月の夜にしか咲かない」という言い伝えから。実際は夜に咲くというだけで、満月・新月は関係ありません。
その他の説で有名なのが、「昭和天皇が名付けた」という説です。
昭和天皇がまだ皇太子だった時代に、台湾で月下美人を見て名前を尋ねられました。それに対して、当時の台湾総統・田健次郎氏が次のように答えました。
「これは月下の美人であります」
その回答が広まり、植物学者の間でも「月下美人」と呼ばれるようになったと言われてるんですよ。
外国でも月下美人?
ちなみに月下美人の英名は、
- Dutchmans pipe cactus(オランダ人のパイプ)
- A Queen of the Night(夜の女王)
の2つ。
前者は伸びたツルを、パイプに例えたもの。
後者は夜に香り高い白い花が咲く様子を、夜の女王に例えているんですよ。
美人は美味しい
月下美人の花は、夜に咲いて朝には散ってしまうもの。散るといっても花が落ちてしまうのではなく、葉状茎の先端でしおれた状態で残っています。
実は月下美人の花は食べることが可能なんです。咳止めの薬としても用いられてきました。
台湾では開花した花をスープに入れたり、しぼんだ花を炒めものに入れる事も。また花びらを茹でて、おひたしにして食べる方法もあります。
ただし観賞用の月下美人は農薬が使われているので、自分で育てた花を食べるのは危険。食べたい場合は台湾料理のお店で注文するか、食用の品種を無農薬で育てていただきましょう。
はかなく美しい

月下美人は夜に白く美しい花を咲かせ、朝には散ってしまう特徴があります。
花言葉にも、はかなさや一途さといった、花の特徴が強く現れています。
神秘的な花の様子から、様々な伝説を持つ月下美人。実際の花とは違う部分もあるのですが、白い花を見ると本当に思えてくる魅力も。
花を見かける機会が少ない月下美人ですが、もし見かけたら美しさを堪能したいですね。
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