子供の頃にクリスマスプレゼントをねだると、両親から次のように言われたことはありませんか?
「サンタさんがクリスマスイブの夜に、靴下にプレゼントを入れてくれるよ」
もしも大きいプレゼントが欲しかった場合、どんな靴下を用意すれば…と悩んだ方もいるのでは?
ところで、なぜサンタさんは「靴下」にプレゼントを入れるのでしょうか?良く考えてみると不思議ですね。
そこで、クリスマスにおける、サンタクロースと靴下の由来について、サンタさんの名前の由来もあわせて紹介していきます!
クリスマスプレゼントの靴下の由来
聖ニコラスの伝説
クリスマスにサンタクロースが、靴下にプレゼントを入れるのはどうしてなのでしょうか?
それはサンタクロースの基となった、「聖ニコラス」の伝説に理由があります。
聖ニコラス(ニコラオス/ニコラ/ニコライ)は、紀元4世紀ごろの教会の司祭。東ローマ帝国(現在のトルコ一帯)で、キリスト教の教えを説いていました。
聖ニコラスはその生涯でいくつかの伝説を残し、キリスト教で「聖人」という扱いを受けている方。その伝説の中で最も有名なのが、クリスマスの靴下の由来となった話です。
ある時ニコラスは、貧しい一家で、お金のために3人の娘を順番に売らなければならないという話を聞きます。
そんな状況を悲しんだニコラスは、真夜中に金貨をその家に投げ込んだんです。
投げ込んだ場所は煙突で、その下の暖炉には干してあった靴下がありました。すると金貨は靴下の中へはいり、翌朝家族が靴下の中の金貨に気が付きます。
この金貨のおかげで長女は家に残れる事になりました。
ですが、下の二人の娘はやはり売られるという話になってしまいます。なので次女と三女の時にも同様に金貨を投げ込み、次女も三女も家に残れることになったんですね。
さすがに3度も助けてもらったため、家の主人も三女の時にはお礼が言いたかったのでしょう。それでとうとう家の主人に見つかってしまいます。
ニコラスは「内緒にしてほしい」と言いましたが、家の主人は良き行いだと大感激。この話を町の人に伝えたため、街の人たちは一層ニコラスを慕うようになったということですね。
これが後に「サンタクロースが煙突から家にはいり、そっと靴下にプレゼントを入れる」となったのです。
クリスマスの夜ではなく…
日本ではサンタクロースからのプレゼントは12月24日の夜に行われることが多いですよね。
しかし、オランダを始めとしたヨーロッパの一部では、12月5日の夜に靴下にお菓子を入れる風習も残っています。
その理由は、聖ニコラスの命日が12月6日だから。キリスト教では聖人の命日は、祭日として扱われます。そのため前日の夜に、聖ニコラスの伝説にならってプレゼントを贈るのだそうですよ。
サンタクロースの名前の由来
ニコラスが訛って
ところでなぜ聖ニコラスが、サンタクロースと呼ばれるようになったのでしょうか?
聖ニコラスを聖ニコラウスや聖ニコライというのは、使われる言語が違うからです。
- ニコラスは英語
- ニコラウスはラテン語やドイツ語
- ニコライはロシア語
での発音となります。
実はニコラスをオランダ語で発音した場合、「シンタクラース」という発音に。そのため12月6日の祭日を、「シンタクラース祭」と呼んでいました。
その後アメリカへと渡ったオランダ移民が、シンタクラースの風習を伝えます。それが訛って「サンタクロース」となり、アメリカで定着しました。
サンタクロースの姿は?
サンタクロースと言えば、次のようなイメージが一般的です。
- 太った朗らかな、白いヒゲのお爺さん。
- 赤い衣服で、トナカイがひくソリに乗って白い袋に入れたプレゼントを配る。
しかし聖ニコラスはこのような姿ではなく、キリスト教の司祭の服装に白いヒゲとして描かれています。
一般に知られる、このサンタクロースの姿となったのは1800年頃。聖ニコラスの逸話と共に、トナカイを連れた姿がニューヨークの新聞に掲載されました。
その後この話を絵本にまとめた時に、サンタクロースの服が赤に。更にでっぷり太った姿になり、あのサンタクロースが定着したのです。
ちなみに「サンタが赤いのは、コカ・コーラが広告で赤いサンタを登場させたから」と言う説があります。コカ・コーラのイメージカラーが赤色のため、赤いサンタにコーラを持たせてクリスマスに宣伝したとか。
しかしコカ・コーラがサンタを広告に登場させた1930年頃は、既にサンタは赤のイメージが定着していました。宣伝で使用したことで世界中にイメージが広がった側面もありますが、実は違うんですよ。
参考記事:サンタクロースの服が赤いのは何故?
サンタさんは心優しい人
サンタクロースのイメージは、にこやかでとても優しいお爺さん。その由来となった聖ニコラスの伝説も、困っている人を助けたいという優しい気持ちがあふれています。
不思議だった「靴下にプレゼントを入れる」ことも、「煙突から家に入る」こともこれなら納得。クリスマスパーティで子供にこの話を聞かせて、思いやりの心を育てたいですね。
優しくて素敵な子供の靴下には、きっとサンタさんがプレゼントを入れてくれますよ!
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