
ジビエ料理を提供するお店、じわじわと増えて来ていますね。
ヘルシーで健康的、その一方で、独特でクセのある味、そんなイメージがあるジビエ料理。
人気が出てきたとは言え「ジビエに興味はあるけど、食べる勇気はない。」
「レストランで食べたことはあるけど、自分では調理出来ない。」
そんな方は、まだまだ多いことでしょう。
もっと気軽に、ジビエ料理を楽しんでみませんか?
ここでは、ジビエとはどういうものか、ジビエブームはなぜ起きているのか、また、手軽に食べられるジビエレシピを紹介していきましょう。
ジビエとは何を指す?
ジビエ(フランス語)=食材として捕獲した野生の鳥獣やその肉のこと。
パッと思いつく動物は、シカやイノシシかもしれませんね。その他、野ウサギ、タヌキ、キツネ、カルガモ、熊、キジなどの動物も指しています。
ヨーロッパでは、ジビエ料理は貴族の伝統料理として発展してきました。今ではジビエの季節になると、一般市場にも普通に出回るポピュラーな食材なんですね。
では、日本ではどうだったのでしょうか?
時代はグッとさかのぼって、縄文時代。
稲作が行われていなかったこの頃は、シカやイノシシ、クマなどを獲って食べる狩猟生活でした。
そう、日本でも古くから、ジビエ肉を食べていたのですね。
それから、平安時代、戦国時代、江戸時代へと、時代は変わっても、ジビエ肉はずっと、一般的な食べ物として食べ続けられてきました。
一時期、江戸幕府の取り決めで、動物の肉を食べるのを、禁止されたこともありましたが、ジビエ料理が完全になくなることは、なかったのです。
明治・大正時代に入ると、全国的に猟師の数が増えます。
昭和の終りには、山の幸ジビエ料理を売りに、観光客を集めるようにもなりました。そして現在、ジビエ料理を提供するレストランが増えているのです。
あなたもこのブームに乗って、自宅で調理してみませんか?
下処理方法、簡単なレシピを次に紹介しますよ!
鹿肉を食べてみよう!簡単下処理と簡単レシピ!
ジビエ料理の代表食材、鹿肉。
猟師は鹿を捕獲したら、すぐに血抜きをし、解体作業を始めます。この血抜きを上手く行うことで、お肉に臭みがほとんど残らなくなるのです。つまり、一般の私たちが鹿肉をいただいたり、購入したりした時点で、すでに血抜きは終わっている状態。
それでも、調理前や冷凍保存する前には、簡単に血抜き作業をしておくと安心ですよ。
〈血抜き〉
① ボウルに鹿肉を入れて塩をまぶし、揉み込む
② 血がにじみ出てきたら、水で洗い流し、血が出なくなるまで、水洗いする
牛乳やヨーグルトや塩麹などに30分~一晩、漬け込んでおく血抜き方法もあります。
こうすると、鹿肉がより柔らかくなるのでオススメ。
〈鹿肉を柔らかく食べるポイント〉
・獲ってすぐ食べると硬いので、2,3日経った頃が食べ頃。
※鹿肉をいただいたときには、いつ獲った鹿なのか聞いてみましょう。
・煮込み料理なら、一度、表面を焼いてから煮込むと柔らかくなります。
・焼いて食べるなら、断面にはちみつを薄く塗り、15分ほど置くと柔らかくなります。
・脂肪分が少ない鹿肉は、焼きすぎると硬くなるので注意!
それではここで、鹿肉を使った簡単美味しいレシピを動画で紹介しましょう。
ブームって言うけど実際どうなの?ジビエが人気のレストラン3選!
ジビエブームという割には、日頃から食べたり、見かけたりする機会は、正直あまりないですよね?
実際のところ、どうなのでしょうか?
農林水産省の調査では、2019年ジビエの利用量は、2008トン。
目標は2600トンだったそうで、目標には届きませんでした。
でも、2016年の利用量が1283トンだったことから考えると、着実に増えています。
ジビエ料理を出すお店も、フレンチや洋食店だけでなく、居酒屋や焼き肉店などでもメニューを作っているところが増えていますから、密かなブームは確かに起きているのでしょう。
ここで、あれ?!と思った方いませんか?
農林水産省がジビエの年間利用量の目標を立てている?!
農林水産省がジビエ押し?!
そうなんです。この背景には、こんな問題がありました。
野生動物による農業被害、これが深刻になっているのです。
なんと年間200億円以上の損失が発生しているとのこと。
その被害を抑えたい、ジビエ肉が流通すれば野生動物の捕獲が更に進む、だから、ジビエ料理を食べようというわけなのです。
ところが、問題を解決するには、みんなでジビエを食べれば良い、なんて、そんな簡単にはいきません。
・猟師の高齢化と減少
→1975年には50万人以上だったのが、2016年には20万人以下。
・野生動物の増加
→捕獲数も増加しているが、それ以上に野生動物が増加。
・ジビエ解体処理施設の不足
→ジビエは捕獲直後に処理・解体しなければいけない。捕獲した場所から近いところに施設が必要。
・捕獲しても利用できるのは10%未満
→実は、捕獲数に対して、食用として利用できるのは10%未満。
どういうことかというと、捕獲したときに、銃弾で内臓が損傷していたり、そもそも病気を持っていた個体だったりすると、食用にできません。
また、先ほどの問題に挙げたように、捕獲してから解体施設に運ぶまでに、時間がかかってしまうと、食用に出来ません。
そういった理由から、廃棄になってしまうのです。
こういった非常に難しい問題抱えているために、なかなか大ブームとはいかないわけですね。
ちょっと暗い話題になってしまいましたが、ここで、オススメのジビエ料理が美味しいレストラン3選をご紹介しましょう。
① Becker’s
〒101-0044
東京都千代田区鍛冶町2丁目1−1
https://goo.gl/maps/gCZrtCr7CadBhyNF9
Web:https://www.jr-foods.co.jp/beckers/
関東圏内の駅ナカ・駅チカに展開する、JR東日本系列のハンバーガーチェーン。
長野県産鹿肉を使ったハンバーガーは、2013年の発売以来、9万食を売り上げる人気商品となっています。
② 軽井沢ベジビエ
〒389-0104
長野県北佐久郡軽井沢町軽井沢東184−1
https://goo.gl/maps/qQcKDz3htK8i5Rxi6
Web:https://tabelog.com/nagano/A2003/A200301/20019443/?cid=google_yoyaku
軽井沢駅から徒歩5分。
新鮮な信州野菜とジビエが食べられる、ペットOKの人気店。
人気メニューの一つ「ベジビエビジエのいいとこ取り」は、1300円ほどで、鹿肉と猪肉が食べられます。
ペットのためのジビエメニューもありますよ。
③ 比良山荘
〒520-0475
滋賀県大津市葛川坊村町94
https://goo.gl/maps/54HLvaigJCvTqHyt6
Web:http://www.hirasansou.com/
滋賀県比良山の麓にある、ジビエ料理を食べられる名店。
名物は「月鍋」。冬眠前の月の輪熊の肉のお鍋で、たっぷりの脂がのっているのに、あっさり食べられるお肉です。
食べたくなってきたでしょう?
あなたの家の近くにも、ジビエ料理を提供しているお店あるかもしれません。
是非探してみては?
ジビエ料理をもっと身近に!
ジビエについて色々紹介してきましたが、ジビエの密かなブームの裏には、色んな問題があることもわかり、あなたのジビエに対するイメージ、考えが、変わったのではないでしょうか?
私たちがジビエに興味を持ち、ジビエ料理を食べることは、少しでも環境問題の解決の小さな力になれるのかもしれませんね。
これからもっと、ジビエを身近なものにしていきましょう。
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通販でしたら鹿肉だけでなく熊鍋セットもあったりするんですね。
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農業被害を抑えるためにもなりますし、いつかは食べてみようかな?と思っていた方、ぜひともジビエ料理にチャレンジしてみてはいかがでしょう?
