寒い季節に大活躍する、毛糸で出来たセーターやニット。
がっちりとしたデザインのものから、薄くて柔らかいものまであってコーデに大活躍しますよね。
ところで何気なく使っているニットとセーター、違いはどこにあるのでしょう?セーターのこともニットという人もいますし、ニット=セーターなのでしょうか?
気になるニットとセーターの違いや、それぞれの種類についてまとめました。
ニットとセーターの違いは?
ニットとは
ニットとは、1本の糸を編んで作る織物のこと。衣服ではなく生地の一種となります。
ですのでセーターをニットというのは、間違いではありません。ただニットは生地ですので、セーター以外にもニットで出来た製品はたくさんあります。
□機械編みのクッションカバー
https://youtu.be/e0cnxeE348M
*家庭用の機械を使っていますが、工場でも同様の方法でニットを織っています。
セーターとは
一方のセーターは毛糸を立体的に編み上げ、部分ごとに縫い合わせて作る上着の総称のこと。ニット生地で出来た上着全般を、セーターと言います。
日本でのセーターは、上からかぶって着用するものを「セーター」というのが一般的。しかしボタンで止めるタイプ、例えばカーディガンもセーターの一種なんですよ。
セーターをニットと呼ぶ事があるのは、セーターがニット製品だから。しかしセーターは冬のイメージが強く、夏物衣料のサマーセーターはイメージが悪くなりがち。
それを避けるためにファッション業界などで、夏物に関しては「ニット」という風習があります。
それが一般にも広まって、なんとなく「セーター=ニット」という名称になったのかも知れませんね。
ニットの種類には何がある?
ニットと一口で言っても、編み方や模様の付け方などで様々な種類があります。
織り方・編み方の違い
ニットの編み方のうち、代表的なものを紹介します。
○天竺(てんじく)
表面に縦方向の筋が入り、裏側がでこぼこした触り心地にとなる織り方です。Tシャツ・肌着などに使われる生地に用いられ、横方向へよく伸びるのが特徴です。
毛糸などで手編みをする場合、天竺ではなく「メリヤス編み・平編み」と呼ばれます。セーターやマフラーなど広く利用される編み方で、棒編みの基本なんですよ。
○フライス
別名ゴム編みとも呼ばれ、天竺より伸縮性に優れた織り方。表裏共に同じ編み目模様となり、着心地が良いのが特徴です。主に子供の肌着や、靴下などに用いられます。
手編みの場合は「一目ゴム編み」と呼び、袖や襟元など伸縮性が欲しい場所に使います。ただ袖口などには「二目ゴム編み」を用いることが多く、そちらのほうがよく見かけるかも。
○鹿の子編み
鹿の背中にある模様に似た織り目が特徴で、表面がややデコボコしています。
デコボコしているため生地が肌に触れる部分が少なく、さらっとした着心地に。ポロシャツに用いられる事が多く、それ以外でもスポーツウェアなどに用いられます。
糸の違い
編み方以外にも、使う糸によっても名称が違ってきます。
○ハイゲージニット
細い糸で、しっかり編まれたものを指します。薄手でしっかりしており、オフィス向きのきっちりした印象に。その性質上、ほぼすべてが機械で織られたものとなります。
○ローゲージニット
太めの糸で、少しゆるめに編まれたものを指します。仕上がりは厚手となり、特にざっくり編まれたものはカジュアルな印象に。手編みのものは、たとえ細い糸で編んでいてもローゲージニット扱いとなります。
デザインの違い
ニットで織り上げたセーターですが、デザインや模様などでいくつかの種類があります。
○ハイネック
首が半分隠れるぐらいの高さまで、襟があるセーターを指します
○タートルネック
そのまま伸ばすと、顎ぐらいまで隠れる長さの襟があるセーター。二つ折り・三つ折りにして着用します。冬の定番セーターですね。
○アランニット
縄模様を編み込んだ、厚手のセーター全般を指します。アイルランド・アラン地方発祥の作業着で、縄模様は大漁と安全祈願のシンボルなんですよ。
○カウチンセーター
カナダ・カウチン族が発祥の、トナカイなどの動物モチーフを編み込んだ厚手のセーターです。
厚みがあって暖かいのですが、とても重いという弱点も。動物を編み込んだ柄が可愛く、アランニットとともに手編みセーターの定番でもあります。
セーターもニットだから大丈夫!
ニットは生地の名前であり、セーターはニットでできた上着。それぞれ違うものだったんですね。
ですが、セーターを指してニットというのは間違いではないですし、あまり気にしなくても大丈夫。ニットと一口で言っても生地の作られ方も様々で、セーターにも様々な種類が。
改めて手持ちのセーターを眺めて、どういう編み方をしてるのか確認してみませんか?もしそれが手編みでしたら、作ってくれた方の努力に感謝したいですね。
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