風邪などで熱が出るときは、なんとなく体全体がだるい症状に襲われます。それだけなら良いのですが、時々関節に嫌な痛みが出ることはありませんか?
ただでさえ熱でだるいのに、関節痛も出てしまうと寝ていても辛くて本当に大変。防ぐ方法や対処出来る方法などがあるなら、すぐにでも何とかしたいものですね。
熱が出ると関節痛も出てしまう原因と、その対処法などをまとめました。
熱が出ると関節痛になる原因
筋肉痛のような痛みが
風邪やインフルエンザなどで、特に高熱が出た時に関節痛も同時に出やすい傾向にあります。痛む箇所は腕や腰といった特定の場所で出る場合と、全体的に痛む場合が。
いずれの場合も筋肉痛のようなにぶい痛みが、関節を中心として起こります。
熱がでるから関節痛、ではない
熱による関節痛の原因は、熱の元となった風邪などのウイルスによるものではありません。実はこれらの関節痛は、体自身が生み出した免疫物質に対処するためなんです。
体内に菌などが入ると、体は対処しようと白血球に働きかけます。すると白血球から、「サイトカン」という物質が分泌。
このサイトカン、体内で菌と戦ってくれるありがたい免疫物質ではあります。しかし一方でサイトカンが増えすぎると、今度は内臓にまでダメージが。それだけ強い免疫物質なのですが、強すぎるのも困り物ですね。
痛いのは仕方がない
サイトカンを上手く作用させるために、人体はPGE2という物質を分泌します。
PGE2はサイトカンの作用を抑制する働きを持ち、内臓などにダメージが出ないように働いてくれます。しかし一方でPGE2があると、熱や関節痛といった副作用が出ることが。これが、「熱が出た時に関節が痛くなる」正体なんです。
ちなみに熱自体も風邪などの菌による症状ではなく、サイトカン+PGE2の作用によるものがほとんど。熱が出るから関節痛が出るのではなく、体内の菌と戦うから熱と関節痛が出てしまうのです。
悪い菌をやっつけるためとはいえ、ちょっと納得できないですよね。
熱から来る関節痛の対処法
とにかく安静にする
熱も関節痛も出ているときは、他にも風邪などの症状が出ているはず。こういう時は無理をせず、とにかく安静にして寝て過ごしましょう。
風邪が原因であれば、2・3日もしないうちに熱も関節痛も治まります。それと共に咳や鼻水といった症状も回復しますので、自然に回復するのを待ちましょう。
無理に会社や学校に行くよりも、安静にするほうが回復も早いですよ。
特に痛い関節は冷やす
特定の関節だけが痛いなら、その部分を冷やす方法もあります。
冷やしたタオルやシップで関節を冷やす事で、痛みと熱を一時的にやわらげる効果が期待できます。しかし根本的な風邪対策にはなりませんし、体の一部を冷やすことで体温が奪われてしまうことも。
一部だけがとても痛い場合だけ、少しの間冷やす程度にしましょう。
総合感冒薬を
風邪薬には、残念ながら関節痛に特化したものはありません。
しかし総合感冒薬の中には、「熱による関節痛」に効果があるものが。
一つの症状に特化していない分、風邪の様々な症状に総合感冒薬は対応が可能。熱が原因の関節痛がある場合は、総合感冒薬を服用するとある程度痛みは収まります。
また解熱剤には鎮痛作用が、鎮痛剤にも解熱作用があるため効果が期待できます。しかし熱を取り去ってしまう効果は、かえって風邪の完治を遅らせてしまうことも。
これらの強い薬を飲むときは、説明書に必ず目を通してから飲む習慣をつけましょう。
インフルエンザなら病院へ
風邪だと思って寝ていても、実はインフルエンザだったという場合もあります。風邪なら2~3日程度で回復しますが、インフルエンザだと回復まで1週間以上かかる事も。
その間ずっと関節痛が続くのはつらいので、おかしいと思ったらすぐ病院へ行きましょう。
インフルエンザだと早く判れば、即効性の薬で対処も可能。風邪だった場合でも適切な薬をもらえますので、なるべく病院へ行きましょう。
長引く場合も病院へ
熱が出て関節痛も出る場合、ほとんどが風邪が原因で起こります。
大抵の場合は風邪と同じく安静にして過ごせば、数日で熱も痛みも収まります。
しかしこの症状が長く続く場合、もしかすると膠原病(こうげんびょう)の可能性もあります。膠原病は様々な症状が現れますし、症状によっては「難病」に指定される場合もある怖い病気です。
たかが熱と関節痛と甘くみず、少しでもおかしいと思ったらすぐに病院で診察を受けましょう!
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