風邪をひいた時によく言われるのが、「お風呂に入ったら悪化するよ」ということ。
しかし風邪の症状が軽くて翌日仕事に行かないといけない場合は、お風呂に入らないのはなんとなく嫌ですよね。また汗をかいて体や髪がベタベタすると、ただでさえ調子が悪いのに気分までげんなりしそう。
実は風邪の時にお風呂に入っては駄目だというのは間違い。本当は気をつけて入れば大丈夫なんです。
そこで、風邪をひいた時のお風呂の入り方や、気をつける点についてまとめました。
風邪の時にお風呂に入っていいの?
条件付きでOK!
風邪ひきさんでもお風呂に入って大丈夫ですが、いくつか条件があります。次の状態の人は、お風呂に入るのはなるべく避けましょう。
・ひどい下痢や嘔吐などの症状がある。
・熱がなくてもひどい頭痛やめまいの症状がある時。
・とにかく体がだるく、動くのも辛い時。
これらの症状がある場合は、まずは安静にして症状が良くなってからにしましょう。
お風呂に入るメリット
ところで体がさっぱりする以外に、風邪の時にお風呂に入るメリットはあるのでしょうか。
まず湯船で体が温まることで新陳代謝が高まり、体の内部から元気になりやすくなります。
体温も緩やかに上がるため、体がゆっくりと熱を下げようとする作用も。結果的にお薬を使わずに、風邪の熱症状が治まる効果が期待できます。
また温まることで体がほぐれ、風邪でこわばった筋肉や関節の痛みが和らぎます。
更にお風呂場の環境そのものが、風邪の菌にとって最悪の環境でもあります。風邪の菌は低温で乾燥した場所を好みますが、お風呂場は正反対の「高温・多湿」な場所。鼻や喉が潤うので風邪の菌が弱まり、鼻詰まりや鼻水の改善も期待できます。
なにより「さっぱりした」ということで、体も清潔になってリラックスできるというのも大きいですね。
なぜ駄目だと言われていたのか
これだけメリットのある風邪の時の入浴が、どうして駄目と言われていたのでしょうか。それは昔のお風呂事情が、メリットよりもデメリットが強かったからです。
昔は各家庭に風呂があることは少なく、あっても屋外や家の隅にあることがほとんど。しかも風呂場も気密性がなく、洗い場がとても寒いもの。そんな場所で風邪気味の人が入ったとなれば、温かいのは湯船に入った時だけ…ですよね。
また風呂そのものがない家も多く、近所の銭湯に通うのも一般的でした。たとえ銭湯がご近所でも家までは距離がありますし、湯冷めして冷えてしまいます。
このような理由から、昔は風邪の時は風呂に入るべきではないと考えられてきました。
風邪の時の正しいお風呂の入り方
お風呂場は暖かく
風邪の時のお風呂は、とにかく体を冷やさないことが大切です。
浴室に暖房機能があるなら、洗い場そのものを温めておきましょう。暖房機能がない場合は湯船の蓋を外し、暖かい空気で満たすようにします。
ぬるま湯に肩まで浸かって
体や頭はなるべく手早く洗い、体が冷えないように気をつけます。その上で湯船にゆっくりつかり、じんわり体を温めましょう。
お湯の温度は40度程度のぬるめがベスト。半身浴ではなく肩までしっかり入ります。
体調にもよりますが、10分程度浸かると汗も出て新陳代謝がアップ。ただし無理はせず、水分を時々口にしながら湯船につかりましょう。
脱衣場も暖かく
洗い場もそうですが、脱衣場も温めて着替えで冷えるのを防ぎましょう。
お風呂上りは洗い場で軽く水滴を落としてから、脱衣場で移動。手早く着替えて体が冷えるのを防ぎ、急いで髪を乾かします。
そして温かい飲み物で水分補給をして、そのまま眠ってしまいましょう。
お風呂の代わりにシャワーは?
冷えに注意!
お風呂に入るのはちょっと面倒、しかし体は洗いたいからシャワーで…と考える方も。お風呂代わりにシャワーでも大丈夫ですが、注意点がいくつかあります。
◯洗い場と脱衣場を温めておくこと
特にシャワーの場合は湯船につかりませんので、体が冷えてしまいがちです。なのでいつもより暖かくして、体が冷えないように注意しましょう。
◯頭や体は手早く洗う
これも体が冷えるのを防ぐためです。
◯シャワーのお湯はあまり熱くしない
シャワーはどうしても体が暖まりにくく、お湯の温度を上げがち。しかし熱めのお湯にしても体の表面だけが暖かく、中まではしっかり温まりません。なので手早く洗うことを優先して、体力を消耗しない程度のシャワー温度にしましょう。
ホカホカになって元気になろう
風邪の時には、体を暖かくして休養を取ることが大切です。
その点お風呂で体が暖かくなれば、そのままぐっすり眠れること間違い無し。また鼻づまりなどで苦しい時も、お風呂に入ると鼻の通りが良くなります。呼吸が楽になれば体も楽になるので、ぜひお風呂に入りたいですね。
ただし無理は禁物。少しでも体調がおかしいと思ったら、すぐにお風呂を切り上げましょう。
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