日や休日は、あればそれだけで嬉しいもの。大抵の祝日は、名称を見れば何となくでも意味や由来は想像できるものですが、今ひとつ名前だけでは見えてこないのが、11月3日の「文化の日」です。

「文化」と言われても今ひとつ抽象的ですし、「文化的なことを行う」というのもやっぱり抽象的。

そんな、ちょっと考えてしまう「文化の日」について、

  • 文化の日の由来や意味
  • 文化の日に行われるイベント
  • 文化の日を英語で説明すると?

…といった内容で紹介していきます!

文化の日の由来や意味について

11月3日は日本国憲法が交付された日

国会議事堂

11月3日祝日となった由来は、日本国憲法が公布された日だからです。

「それなら文化の日でなく、憲法の日とすれば良いのでは?」と思いますよね。

しかし憲法記念日は5月3日。この5月3日の祝日の由来は「日本国憲法が施行された日です。

ここで出てくる、「公布」と「施行」の違いですが…

「公布」とは…
・法律や条例などの公的な約束事を広く国民に知らせること。

「施行」とは…
・実行すること、法律などの決まりごとを開始すること。

…と、実はそれぞれ意味が違います。

日本国憲法の場合は、

  • 1946年11月3日 ⇒ 公布
  • 1947年5月3日 ⇒ 施行

となったのです。

11月3日が文化の日になった理由は?

それでも、「何故、日本国憲法の祝日が、施行された日(5月3日)になって、交付された11月3日にならなかったの?」と疑問に思う人も多いでしょう。

11月3日を憲法関連の祝日に出来なかった当時の事情というものがあるんですね。

実は明治天皇の誕生日が11月3日であり、戦前は、

  • 「天長節」、あるいは
  • 「明治節」

として祝日となっていました。

日本国憲法の公布日と同じだったというわけです。

これは当時の制定スケジュールから見て一番近い祝日が11月3日であり、当時の政権が意図してこの日を憲法の交付日に選んだと言われています。

ですが、当時日本を統治していたGHQ(連合国軍最高司令官総司令部)が、この11月3日の日を憲法記念日にするのはダメ!と主張したという話が残っています。推測になりますが、天皇と憲法が結びつくことをGHQが嫌ったのではないでしょうか。

ですので、日本国憲法の作られた精神が、「自由と平等と文化を愛することを主体とした憲法」ということもあり、11月3日を「文化の日」としたのです。

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文化の日に催されるイベントは?

文化勲章授与

文化の日に行われる公式行事に、文化勲章授与があります。

文化勲章とは科学技術や芸術の分野において、素晴らしい功績をあげた方に渡される勲章のこと。当日は皇居内で授与式が行われ、天皇陛下から直接手渡されます。

文化勲章を選ぶのは、文化庁文化審議会というところ。ここで選定した上で文部科学大臣が推薦する形で提案し、内閣府賞勲局で審査して閣議決定されます。毎年およそ5人前後を選ぶ他に、ノーベル賞を受賞した人には原則的に授与されることとなっています。

文化勲章を授与されることは大変名誉なことですが、実はこれによってお金がもらえるといったことはありません。法律では「何かしらの勲章を授与する人に、副賞として金品を渡さない」となっているからです。

ただこれとは別に「文化功労者顕彰制度」というものもあり、こちらに選ばれると死ぬまで年金が支払われるとのこと。なので文化勲章授与者を選ぶ際は、文化功労者の中から選定するのが慣例的となっています。

美しい絵画

博物館や美術館で文化の日にちなんだイベントを開催

身近なとところでは、博物館美術館で、文化の日にちなんだイベントが多く開催されます。

入館料が無料になるところも多いですし、その時のはやりモノに合わせたイベントを開催することも。過去にアナ雪ブームがあった年に、科学館で雪に関するイベントを開催したところもありましたね。

文化の日が近づいてきたら、地元の博物館・科学館・美術館がどんなイベントを企画しているのかぜひチェックしてみましょう!

□ルーブル美術館(フルハイビジョン撮影)

*ルーブル美術館に行くのは難しいですが、地元の美術館にもきっと素敵な絵画がありますよ。

文化の日を英語で言うと?

カルチャーデイ!

「文化の日」を海外の人に説明するときは、どの様に言えば良いのでしょうか。

実は「文化の日」は日本独自の祝日。海外にはない祝日なので説明が少々面倒なんです。

文化をそのまま英訳すると、「Culture(カルチャー)」が一番近い言葉。よく料理教室などの事を「カルチャー教室」と言ったりもしますね。

なので「Culture Day(カルチャー・ディ)」と説明するのが、一番解りやすいでしょう

ちなみに「Culture」には…

  • 精神的な文化
  • 伝承され続ける風習
  • 栽培(主に屋外)

…といった意味があります。

文化なのに栽培?と思われるかもしれませんが、語源のラテン語に「耕す」という意味があった名残りなんですよ。

美術館の中

文化の日には、「文化」を楽しもう!

【関連記事((文化の日開催イベント)】

化の日と言われると抽象的ですが、心が豊かになるようなことを楽しむ日と考えば大丈夫。11月3日文化の日に合わせたイベントも多く行われますので、家族でお出かけしてみるのもいいですね。

読書をしたり、軽く体を動かしたりと、好きなこと楽しむことだって文化です。できる範囲で「文化の日」を楽しんで、心も体もリフレッシュしましょう!