京都には独特のお祭りや風習があり、その一つ一つに京都らしさが溢れています。
その中でも、葵祭・祇園祭・時代祭と合わせて、京都四大行事のひとつにも数えられているビッグ行事が、「五山の送り火」です。
「京都といえばこれ!」という人も多いのではないでしょうか。
しかし、その目的や由来、またどの場所で行われているのかと聞かれてみると、意外と知らないことも多いもの。そんな京都伝統の「五山の送り火」、2023年の日程や点灯場所、オススメスポットについて紹介していきます。
京都・五山の送り火とは
お精霊(しょうらい)さんを送る行事
五山の送り火は、毎年夏のお盆の時期に行われる行事。京都の夏の風物詩となっています。
京都を取り囲む山々に、
- 「大」「妙」「法」という文字の火文字
- 「鳥居」「船」をかたどった火文字
が灯されます。
点灯される順番は、「大」 → 「妙」・「法」 → 「船」 → 「大」 → 「鳥居」の順になります。
五山の送り火の目的を簡単に言うと、お盆の送り火の規模の大きいもの。
京都ではお盆に帰ってくるご先祖様の霊のことを、「お精霊さん(おしょうらいさん)」と呼びます。このお迎えしたお精霊さんを、京都の街全体で送り届ける行事が「五山の送り火」なんですね。
自然に広まった?
京都を象徴する行事の五山の送り火ですが、実はその起源ははっきりとしていません。
資料によっては平安時代から続くとも、江戸時代に広まったなどバラバラ。行事の内容が記録されるようになったのが江戸時代ですので、この頃に今の形となったと考えられます。
五山の送り火の日程・開催場所・開始予定時間は?
五山の送り火は毎年8月16日の夜
五山の送り火は、毎年8月16日の夜に開催されます。
「送り火」という性質上、お盆最終日となるので覚えやすいですね。余程の大雨や災害などがない限りは決行しますので、雨が降っていても大丈夫だと思ってください。
点火が開始される各時間や場所は次の通りになります。
順 | 点灯時間 | 五山の送り火 | 文字 | 場所 | 地図 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 20:00 | 大文字 | 大 | 東山 如意ヶ嶽 | (赤) |
2 | 20:05 | 松ヶ崎妙法 | 妙 | 松ヶ崎・西山 | (青) |
法 | 松ヶ崎・東山 | (緑) | |||
3 | 20:10 | 船形万灯籠 | (船形) | 西賀茂船山 | (紫) |
4 | 20:15 | 左大文字 | 大 | 大文字山(左大文字山) | (橙) |
5 | 20:20 | 鳥居形松明 | (鳥居) | 曼荼羅山 | (黒) |
送り火は、東から西の方へ反時計回りに5分おきに灯されていきます。
五山の送り火、おすすめスポットと見どころ!
それでは、京都五山の送り火、それぞれの特徴と、良く見えるオススメの見学ポイントを順にご紹介していきます。
大文字
「大」の文字は送り火で一番有名なもので、この「大」以外の文字があることを知らない人もいるほどです。一番最初にともされる事もあり、地元でも大文字といえばこの山の文字を差します。
□京都五山送り火 如意ヶ嶽大文字
https://youtu.be/vg7eGGk_FwA
大文字がよく見えるポイントは、
- 今出川賀茂大橋
- 鴨川の河川敷(出町柳周辺)
- 京都御所(蛤御門・清和院御門)
- 清浄華院
いずれも混雑しますが、京都御所が比較的混雑を避けられるポイントとなっています。
松ヶ崎妙法
西山・東山に、それぞれ「妙」「法」の文字をともします。
ここでは二ヶ所ですので、合わせると五山ではなく六山では?と思うかも知れません。ですが「妙」と「法」あわせて一つという扱いで、五山なんですね。
□大文字五山送り火ー妙法点火直後妙法
https://youtu.be/yAa7-xpNrnA
五山の送り火を見るのにおすすめのスポットですが、
- 「妙」は北山通(京都ノートルダム女子大学附近)
- 「法」は高野川堤防付近(高野橋北)
がよく見えるポイントです。
舟形万灯籠
文字ではなく、船をかたどったのには理由があります。
「西方寺(さいほうじ)」を開いた慈覚大師円仁というお坊さんが、847年に唐(現在の中国)から帰国する際に船が大荒れ。
そこで仏様に祈願して念仏を唱えたところ、無事帰国できたとのこと。このことから船の形の火文字を作るようになりました。
□京都 五山送り火 船形
https://youtu.be/lYjJ2zjrr70
こちらのおすすめスポットは、
- 北山通(北山大橋から北西)
- 船岡山公園
御薗橋からもよく見えるのですが、せっかくなので二ヶ所がきれいに見える方をおススメします。
左大文字
もうひとつの「大」の文字で、その名の通り京都の左側で「大」の字に灯されます。他の送り火は一度に点火しますが、ここだけは文字を書くように点火するので面白いですよ。
□五山送り火 左大文字
https://youtu.be/p6lJWQM7_mE
4分ほどかけて、ゆっくりと文字が出来上がっていきます。
オススメスポットは、
- 西大路通(西院~金閣寺)
- 平野神社付近
- わら天神交差点北
- 船岡山公園
金閣寺は名所ではありますが、夜の交通の便が少々不便ですので、その点は気をつけてください。
鳥居形松明
トリを務めるのは、鳥居の形の火文字です。
この火文字は、土台の上に松の木の松明を差すため、少し見え方が違って見えます。松明には松の木を使うため、他とは違いオレンジがかった火文字が楽しめますよ。
□京都五山送り火 鳥居形 広沢の池
https://youtu.be/yCFD5YKMiIY
オススメスポットは、
- 嵐山の渡月橋
- 法輪寺
- 広沢池
渡月橋はこれぞ京都という超有名スポットのため、混雑を避けるなら、広沢池をおすすめします。
京都の地元の人は全て見ない?
観光客として京都の送り火を見に行く場合、つい全ての送り火を見たくてあれこれ頑張ってしまいがち。しかし意外なことに、京都の地元の人は、住んでいる地域に近い送り火だけをしっかり見届けるんですね。
送り火は点火してから消えるまで1時間ほどなので、欲張ると一番きれいな時を見逃す可能性も…。
可能ならばなるべく多くの送り火を楽しむのも良いですし、それが難しいようでしたら、見られるものを選んでしっかりと見たいものですね。
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