祇園祭

『祇園祭』といえば京都。いえ日本を代表する夏の祭として、京都の祇園祭はまず名前が上がるのではないでしょうか。

その知名度は日本だけでなく海外にも知られており、世界中から見物客が集まるほどです。

有名な「宵山」「山鉾巡行」など、京都らしさが長い期間タップリと楽しめるのも魅力の一つ。

そんな古都、京都の祇園祭について、

  • 京都祇園祭2023年の日程とスケジュール
  • 京都祇園祭の見どころ・楽しみ方
  • 京都祇園祭の歴史

をご紹介します。

京都祇園祭の日程とスケジュールについて

7月丸々1ヶ月!

神輿

京都祇園祭は、京都・八坂神社でとり行われる伝統のあるお祭り。毎年7月1日から31日までの1ヶ月間かけて行われます。2023年(令和5年)の開催日程も次の通りです。

    • 開催日:2022年7月1日(金)~7月31日(日)
    • 開催:京都・八坂神社(京都市東山区祇園町北側625)、四条通、烏丸通周辺

初日(7月1日)各山鉾町での「吉符入(きっぷいり)」から、31日八坂神社での「疫神社夏越祭(えきじんじゃなごしさい)」までの間、1ヶ月間ほぼ毎日行事が行われるんです

関係者のみで行う非公開の行事もありますが、ほとんどの行事は一般の方の見学が可能なんですね。

宵山は14日から16日、山鉾は…?

祇園祭では有名な行事が多く行われますが、主なスケジュールは以下の通りとなります。

行事日にち(全て7月)時間・内容等
吉符入1日~5日頃まで各山鉾町で打ち合わせ(非公開)
くじ取り式2日10時より京都市役所で山鉾巡行の順番決め
お迎え提灯10日16時30分頃より神輿を迎える為の提灯行列
神輿洗10日20時頃より中御座の神輿を四条大橋下まで運び、鴨川の水で洗い清め
山鉾建て【前祭】10日~14日山鉾の組み立て
長刀鉾稚児社参13日午前11時より八坂神社で長刀鉾にのる稚児が五位の位を授与
宵山【前祭】14日~16日15日・16日は四条通・烏丸通は歩行者天国
山鉾巡行【前祭】17日9時四条烏丸発→11時20分新町御池着
神幸祭(神輿巡行)17日16時頃より八坂神社発、御旅所へ
山鉾建て【後祭】18日~21日山鉾の組み立て
宵山【後祭】21日~23日(歩行者天国はありません)
山鉾巡行【後祭】24日9時30分烏丸御池発→11時20分四条烏丸着
花傘巡行24日10時より八坂神社発、12時頃に八坂神社に戻る
還幸祭(神輿巡行)24日17時頃より御旅所発、八坂神社に戻る
神輿洗28日中御座の神輿を四条鴨川で洗いきよめ。20時頃八坂神社へ戻る。
疫神社夏越祭31日10時より八坂神社の境内で

祇園祭は1ヶ月間行われる祭りなので、他にも沢山の行事がありますよ。

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京都祇園祭の見どころ・楽しみ方

宵山の見所

「宵山」とは、山鉾巡業の前夜祭のようなイベント。

  • 前祭(さきまつり)では7月14日(金)~16日(日)
  • 後祭(あとまつり)では7月21日(金)~23日(日)

山鉾を提灯などで飾り、お囃子を流して披露します。

コ・ン・チ・キと言った音色が耳に心地よいですね。

また旧家や商家では、代々受け継がれてきた宝物を、一般に公開して祭を盛り上げます。京都の旧家といえば、古い歴史を継ぐ一家や、ご先祖様に高貴な方がいるという家も…。

そんな家の貴重な宝物を見られる、またとないチャンスなんです。

山鉾巡業の見どころ

祇園祭と言われて浮かぶ光景は、大きな山車(山鉾)が京都市街を練り歩く光景ではありませんか?

山鉾は山車の上に山の形の屋根を乗せ、更に長刀や鉾などで装飾を施したもの。色鮮やかな装飾の中には、500年以上受け継がれてきた貴重なものもあるんですよ。

そんな山鉾巡業は、

  • 前祭(さきまつり)では7月17日(月)
  • 後祭(あとまつり)では7月24日(月)

で行われます。

山鉾巡行の最大の見どころは辻回しです。

構造上曲がることのできない山鉾の下に、竹を敷いて人力で回す様は圧巻!の一言ですよ。

山鉾巡業は毎年大混雑し、見学するのも一苦労します。有料の見学席も用意されていますが、毎年すぐに売り切れてしまいます。

旅行会社のツアーパックを利用すると、有料席がついていることもあります。ぜひそちらを活用したいですね。

前祭と後祭、どっちを見る?

夜の神輿

先に記載しました、祇園祭のスケジュール・見どころでは、

  • 前祭(さきまつり)
  • 後祭(あとまつり)

とあるのに気づいたでしょうか?

実は「宵山」「山鉾巡業」は、祇園祭期間中に2度行われるんです。

宵山と山鉾巡業は祇園祭最大の見どころ。2回も行われるのなら、どちらに行こうか悩んでしまいます。

ですが内容に関しては、やはり前祭の方が規模も大きく華やかです。

後祭も豪華絢爛ではあるのですが、山鉾巡業では参加しない山鉾も出てきます。宵山についても、前祭では歩行者天国や露店が並びとても賑やかなのに対し、後祭にはそれらがありません。

そうした違いはありますが、その分ゆっくり見物するのには、後祭の方が向いているのではないでしょうか。

山鉾巡業のルートは?

前祭と後祭と別々の日にある山鉾巡業ですが、たどるルートは次の通りになっています。

  • 「赤」のルートが前祭
  • 「青」のルートが後祭

出発地点は「★」、到達地点は「■」です。

前祭 or 後祭時間ルート
前祭
(7/17)
109:00四条烏丸
209:35河原町四条
310:20河原町御池
411:00烏丸御池
511:20新町御池
後祭
(7/24)
109:30烏丸御池
210:00河原町御池
310:40四条河原町
411:20四条烏丸
  • 7月17日の前祭の巡行は、午前9:00に四条烏丸を出発し、烏丸御池を通って、新町御池
  • 7月24日の後祭の巡行は、午前9:30に烏丸御池を出発し、四条烏丸

に到着します。

「粽」を手に入れよう

祇園祭独特のものとして、「粽(ちまき)」があります。端午の節句に食べるものと違い、こちらは笹の葉で作られたお守りです。

疫病退散や厄除けといったご利益に加え、入手場所によっては家内安全泥棒よけなどのご利益もあります。

粽の入手場所は、各山鉾の会所。山鉾によっては、粽を入手すると山鉾に乗せてもらえるサービスを受けられる所もあります。

貴重な山鉾を間近で見られて触れられるチャンスですので、これを逃すのはもったいないですよ。

*各会所によって様々な粽(ちまき)がありますので、いろいろと見てみるのもいいですね。

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京都祇園祭の歴史

歴史は1000年以上!

京都・八坂神社でとり行われる由緒ある祇園祭ですが、古くは「祇園御霊会」という名称で行われていました。

その歴史は非常に古く、記録には869年(貞観11年:平安時代前期)に行われた「祇園御霊会」(ぎおんごりょうえ)という儀式が、祇園祭の始まりとされています。

八坂神社は、元々仏教と神道の神様を一緒に祀る神社。当時は仏教の神様で薬師如来の化身とされていた「牛頭大王」を祀っていました。この神様は疫病や災いを退ける力をもち、当時疫病が大流行していた都を救うための行事が祇園御霊会だったのです。

八坂神社

戦が起きても祭はやめたくない!

室町時代になると、町内毎に山鉾を作って祇園祭に練り歩くようになりました。この頃には既に祇園祭は、八坂神社だけのものではなくなっていたとの記録が残っています。

その証拠に応仁の乱が発生した時に、「山鉾巡業だけは行いたい」と民衆から要望がでたと言われています。結局それはかなわず、30年ほど祇園祭は中断したのですが、どれほど祭りが根付いていたのかわかりますね。

その後も第二次世界大戦の時などに一時中断はしていますが、現代まで脈々と祭りは受け継がれてきたんですよ。

祇園祭で京都らしさを満喫して!

【関連記事】

今回紹介した宵山や山鉾巡業以外にも、祇園祭には見どころが沢山あって伝えきれていません。

  • 花笠巡業の荘厳さ
  • 神輿洗・神幸祭・還幸祭といった厳粛な行事

など・・

本当に見所満載!なんです。

どの行事も歴史の重厚さと魅力にあふれていて、他では見られないものばかり。ぜひ祇園祭の様々な行事を体験して、京都らしさを満喫してくださいね!