都、奈良に春を告げる東大寺のお水取り。松明の炎が欄干を駆け巡るのを、テレビでご覧になった方も多いかも知れませんね。

スケールや迫力が印象的な東大寺のお水取りですが、その由来や歴史を知れば、さらに深く感動すること間違いなしです!

そんな、東大寺のお水取り2024年の開催日程や見どころ、混雑状況やアクセス情報など…お水取りにまつわることについて、順に紹介していきます。ぜひ行かれる時の参考にしてくださいね!

奈良・東大寺のお水取り、開催日程は?

毎年3月1日から14日まで開催!

奈良県奈良市雑司町(ぞうしちょう)にある、東大寺の「お水取り」は、正式には「修二会(しゅにえ)」と言われる、仏教のお寺で行われる行事です。

毎年3月1日から2週にかけて行われます。

  • 行  事:修二会
  • 開催日程:2024年3月1日~3月14日
  • 開催場所:東大寺二月堂(奈良県奈良市雑司町406-1)
  • アクセス:
    • JR・近鉄奈良駅から市内循環バス(外回り)「大仏殿春日大社前」下車徒歩5分
    • 同じく市内循環バス(外回り)「氷室神社・国立博物館」下車徒歩5分
    • 近鉄奈良駅から徒歩約20分
  • 拝観料:無料

実は、東大寺の修二会は、

  • 2月20日から月末までの「前行(別火)
  • 3月1日から14日までの「本行

からなり、約1か月間にわたって様々な行事が行われるんです。

その中でも、「お水取り」と言われるのは、3月1日から行われる「本行」です。

本行期間中は、毎日19時の大鐘を合図に「お松明」に点火され、夜遅くまで世界平和と人々の幸せを祈る行が行われます。

◆お松明

日にち時間松明
3月1日~11日19:00~19:20頃お松明10本
3月12日19:30~~20:15頃初夜大松明(籠松明)※お水取り11本
3月13日19:00~19:20頃お松明10本
3月14日18:30~18:40頃尻つけ松明10本

奈良・東大寺のお水取りとは?

大寺の「お水取り」は、正式には「修二会(しゅにえ)」と言われる、仏教のお寺で行われる行事です。

修二月会とも呼ばれていて、昔は旧暦の2月1日から15日にかけて行われてきました。旧暦の2月はインドの正月にあたるため、修二会は「仏への供養」とも言われますが、他の仏教国には修二会はなく、本当の起源は不明です。

修二会は、薬師寺、法隆寺、長谷寺など、奈良の古寺で行われるものが有名ですが、中でも「お水取り」と呼ばれる東大寺の修二会は、規模が大きく、毎年多くの人が訪れます。

松明の火

修二会(しゅにえ)とは

東大寺に限らず、修二会は、「本尊に対する悔過(けか)」の行事として行われます。

悔過(けか)とは、罪の懺悔・告白のこと。

自らが犯した罪や過ちを本尊に対して悔い改めるとともに、人々の幸せを願うのが、修二会なのです。

東大寺の修二会

東大寺の修二会は、正式な名称では「十一面悔過(じゅういちめんけか)」と言い、二月堂の本尊である十一面観世音菩薩の前で、懺悔(さんげ)することです。

8世紀に天災や疫病、反乱などの困難を取り除き、国家と人々の幸せを願う宗教行事としてはじめられて以来、これまで一度も途切れることなく続けられている「不退の行法」です。

□東大寺でお水取り始まる 「不退の行法」
https://youtu.be/IzydBT-Qsic

開始以来、平家の焼打ちに遭ったときも、太平洋戦争中や戦後の混乱期にもどんなときにも、修二会は必ず行われてきました。

このことから、むしろ困難な時にこそ人々の幸せを願い祈ると言う、信仰者の強い意志と姿勢を感じますね。

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東大寺のお水取りの見どころは?

本行期間中には、以下のように様々な行法が行われます。

主な行法日にち
神名帳・過去帳の読み上げ3月5日・12日
数取り懺悔(三千遍礼拝)3月5日・7日・12日・14日
走りの行法3月5日~7日・12~14日
達陀(だったん)の行法3月12日~14日
お水取り3月12日
お松明3月1日~14日

この中で、特に有名なのが「お水取り」「お松明」ですね。

お松明

お松明は、行を勤める練行衆(れんぎょうしゅう)の道明かりとして灯されます。

期間中は、毎日10本のお松明が出て、二月堂の舞台に1本ずつ上がって行きます。お松明の火の粉を浴びると、「無病息災」にご利益があると言われています。

お松明の時間は、

  • 通常(3月12日と14日以外)は19時開始で約20分間
  • 3月12日の「お水取り」の日は19時30分開始で約45分間(入場規制あり)
  • 最終日の3月14日は18時30分開始で約10分間

です。

お水取り

3月12日深夜(13日の午前1時半頃)には、「お水取り」と呼ばれる、観音さまにお供えする「お香水(おこうずい)」を若狭井(わかさい)という井戸から汲み上げる儀式が行われます。

お水取りの行われる3月12日には、お松明も、特別大きな「籠松明(かごたいまつ)」が、他の日より1本多い11本出ます。

「お水取り」は、本行でもっとも人気があり、修二会のクライマックスです。

東大寺のお水取りの混雑状況は?

お松明を見る場所は?

お松明を見ることができるのは、

  • 二月堂前の広場
  • 第二拝観席

の2箇所です。

「二月堂前の広場」は、3千人から4千人もの人が立ち見できるところ。お松明を比較的近くで見ることができます。ここに入れない場合は、二月堂から200mほど離れた場所にある「第二観覧席」から見ることになりますね。

なお、第二観覧席は”席”と表現されていますが、実際は立ち見で見学することになります。

混雑はどれくらい?

東大寺・修二会の本行期間中は、毎日お松明が出るのですが、お松明は3月12日しか見られないと思っている方も多いため、3月12日のお水取りの日は大変混雑します

入場規制もあるので、せっかく出かけても見られないこともありますし、例年期間中の土日も大混雑します

ただし、平日の混雑はそれほどではないので、お松明を見たい方は、できるだけ平日に出かけられるのがおすすめですね。

最終日の3月14日のお松明は、時間は短いものの、連続して上がって行くのが見どころ。ただ、やはり3月14日もとても混みます。

なるべく混雑を避けてお松明を楽しむには、3月11日までの平日に行くのが良さそうですね。

お水取り

「お水取り」を楽しもう

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お水取りに続き、大松明を持った練行衆(れんぎょうしゅう)が内陣をかけまわる、「達陀(だったん)」という妙法があります。

修二会が満行した3月15日の朝には、「達陀(だったん)」で練行衆がかぶっていた帽子を子どもの頭に被せ、子どもの健やかな成長を願う「達陀帽いただかせ」が行われ、多くのお子さん連れでにぎわいます。

それにしても、東大寺の修二会は1260年もの長い間、大仏さまの一部が焼失するといった非常に困難なときにも、休まず行われたと言うから本当に驚きです。

何かを願うときには、「まず、自分自身の過ちを悔い改めてから」と言う点にも深く感じるところがありますね。

「お水取り」が私たちに教えてくれるのは、春の訪れだけではなさそうです。

コロナの状況により入場規制等の可能性もございますので、公式HPをご確認ください。